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「同じ学校、同じ塾」でなぜ成績に差がつくのか 「頭脳のOS」をアップデートする"魔法の言葉"

東洋経済オンライン / 2024年9月5日 9時30分

問題1 次の英文を訳しなさい。

(1)I have been to USA 50 times.
(2)・・・・・・・・・

通常は、(1)私はアメリカ合衆国に50回行ったことがある。と訳して、次の(2)に向かうことでしょう。

しかし、考える子は、ここで次のように思います。

「一体、この人はなぜ50回もアメリカに行ったんだろう?」

すべての問題をこのように思考しているわけではありませんが、学びの場でこのように思考を巡らしている子がいます。これが「考えることができる子」の特徴です。すると印象にも残るため記憶が促進されるわけです。

同じ学校、同じ塾、同じ教材、同じ先生、同じ勉強時間でなぜ差がつくのか?

この問いに対する回答は、「考えているか否かの差」にあるということです。

では、考える力(頭脳のOS)のアップデートをするために、どうすればよいか具体的な方法論についてお話しします。

筆者はこれまでの4000人以上の子どもたちを指導してきた経験から、次の方法が有効的であったと考えています。

それはある問いかけをしていく方法です。問いかけの言葉は全部で10種類ありますが、ここでは代表的な言葉を今回の記事で1つ、次回の記事でもう1つ紹介します。

頭脳のOSをアップデートする問いかけ その1

学校教育では、一般的に「何?」「どこ?」「誰?」「いつ?」「(選択肢問題で)どれ?」が問われます。これは知識の確認のための質問です。ですからインプットされていれば誰でも答えられますが、頭に入っていないと答えられません。このような状態のときは「考えている」とは言いません。考える頭脳にしていくためには、次の問いかけが必要になります。

「なぜ?」

例えば、「あなたの家の住所は何ですか?」と問われると答えられますね。これは「知識」です。頭に住所が入っているから答えられます。しかし、次のように質問されたらどうでしょうか。

「なぜ、その家に住もうと思ったのですか?」

こう問われたときに、「え、なぜだろう?」と“考えます”。まさに、このとき、「考える」状態となっているのです。人は、何を問われるかによって、頭脳の働き方が変わります。「何、どこ、誰、いつ、どっち」といった問いも情報としては重要ですが、考えることにはつながらないのです。

私たちの多くは、子どもの頃、実は「疑問に持つ」ことを頻繁にやっていました。子どもたちは、さまざまなことに興味関心を示します。そのたびに、「ママ、なんでこうなっているの?」と聞いてきます。はじめは親も、「これはね、○○だからなのよ〜」と優しく丁寧に教えていたのが、何度も聞かれるうちに「これは、こうなってんの!!」と答えてしまったり、そのうち返答することすら面倒になってしまったりします。そうなると、子どもは聞いてもしょうがないということで、割り切り、疑問を持つことをやめていきます。

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