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「普通」からハミ出てしまうわが子をどうする? 【ママのプロになる! Vol.1】

Woman.excite / 2017年5月22日 18時0分

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イラスト:平松昭子



■ママのプロになるために! 極意を教えてくれるのはこんな人

子どもを産んだら、ママになる。あたり前のことなのだが、「ママ業」は、デビューしたての素人も、「プロであること」を求められる仕事なんだと思います。

知識も、経験値もないのに、自分が無意識にイメージしている「ママ」は、じつは「プロレベル」のスーパーママなのではないか? と、気がついたのは、わりと最近のこと。周囲からも、「ちゃんとしたママであること」を求められているような気がして、「そんなの、できるわけないじゃん!」と、叫びたいけど、叫べない。

そんな、ひとりのママである私が、プロ教師歴45年の木村 泰子先生と、子育ての話で対談をさせていただきました。
木村 泰子先生プロフィール
大阪市出身。大阪市立大空小学校初代校長として、「みんながつくるみんなの学校」を合い言葉に、すべての子どもを多方面から見つめながら、全教職員のチーム力で「すべての子どもの学習権を保障する学校をつくる」ことに情熱を注ぐ。その取り組みを描いたドキュメンタリー映画『みんなの学校』が話題に。2015年に退職後、現在は、全国各地で講演活動を行っている。
木村先生については、「『みんなの学校』流 親子関係のつくり方」もぜひご覧ください。

今回、この対談を担当させていただくのは、ライターの楢戸ひかる。3人の子持ちの母であり、うちひとりの息子には、発達障害があります。

プロ教師の木村先生と、素人ママの私が対談することで、木村先生が教育実践の中で得てきた「プロの極意(知恵)」を、普通のママたちが日常の子育てで使える「ママたちに伝えたい20のこと」としてお届けします。目指せ! ママのプロ!

■「先生の言うことを聞きなさい」とママである私は言うけれど


© paylessimages - Fotolia.com


楢戸:木村先生は、「学校の授業で正解のあることなんて、6時間の授業があるうち1時間も教えていない」と、おっしゃいました。

「学校で教えてもらうことには正解があり、正解を教えてもらうのが学校だ」と思っていたので、とても驚いたのですが…。

木村:もし学校が正解だけを教えているとしたら、先生は給料を1千万円くらいもらわないと割にあいません。そんな人間離れしたこと、できるわけないと思いません?

それって、じつはママたちが「学校をどう見ているか」という話だと思うんです。

ママたちの「学校観」は、ママたちが受けてきた学校教育がベースになっていると思います。「学校で先生の言うことを聞いている子が『良い子』」と、思っている。だから、「先生の言うことを聞きなさい」と、子どもに言い聞かせて、小学校にいれているわけでしょ?

■わが子が先生の言うことを聞けない子だったら


© morita - Fotolia.com


楢戸:わが子は、「先生の言うこと」をきちんと聞くことができない、つまりは「普通」からハミ出てしまう子です。だから学校生活では、「うちの子が悪い。申し訳ありません」という気持ちでいっぱいになります。

木村:では、楢戸さんは小学校時代、本当にすばらしい学びを得たなぁと思っている?

楢戸:じつは、1ミクロンも思っていなくて。「小学校」と聞くだけでイヤな気持ちになります。

木村:それなのに、何で、自分の子が小学校に行ったら、「うちの子、迷惑かけてすみません」って言うの? そういうものだと思ってしまう根拠はどこにあるの? 

■子どもを「枠の中」に押し込める大人は、子どもの敵だった?

楢戸:諦めているわけです。「学校なんて、しょせん、そういうところなのだから」と。

木村:小学校のときにそう思いながら、乗り越えられたの?

楢戸:ただ、ただ、「自分はダメな人間だ」と思いながら、小学校に6年間通いました。

木村:「学校なんて、そんなもん」と思ってしまうのは、卒業したあとの価値観でしょ? 小学校生活を送っている6年間は、「何で、こうなんだろう」「学校って、おもしろくない」の繰り返しだったわけでしょ?

楢戸:いえ、実際にはもっとダメで。私は「先生の言うとおりにできない自分がダメ」と思いこんでいました。

木村:自分が経験したことを、もう1回、自分の子どもにさせたいの?

楢戸:そこが大きなジレンマで。「させたくない」。それが本音です。

けれども、親としては「世の中で生きていくためには、フォーマットの中にいれないと」という気持ちにもなってくるんです。

木村:こういう考え方をする大人が、一番、子どもの敵なの。「普通にやってきた自分」が、異質なものを排除する。その差別する感情を自分自身が持っていないか、省みなければ。

■自分の中の「排除される要因」を隠せない子が生きにくい世の中


© paylessimages - Fotolia.com


楢戸:「自分は、排除されないようにしよう」。これが、いまの世の中にはびこる空気だと思っています。どんな人の中にも「排除されるようなもの」は、必ずある。でも、自分の中の「排除されるようなもの」を隠さなければいけない。そんな圧力があるのかな、と。

木村:それを隠せる子は、いいの。隠せない子が、「育てにくい子」とか発達障害と呼ばれる子になるわけでしょ? 隠せない子が生きにくい世の中でしょ? でも「隠せる子」は、「隠すことで」生きている。そんな世の中、みんなにとって間違っていますよね。

楢戸:そうだとは思います。でも、一方で「今日、うちの息子が、学校で迷惑をかけている」という現実もあります。そういう現実と理想の間で、ひとりの母親として戦っていると感じているんです。 

木村:卵が先か、鶏が先かの話。息子さんが幼稚園の段階で、楢戸さんの価値観が変わっていたら、息子さんはいま、通常の学級で学んでいたかもしれないですよ。

次回は、「自分の子どもがうまく育っていないと劣等感を感じているママへ」 です。

【木村先生がママたちに伝えたい20のこと】
1. 学校の授業で正解のあることなんて、1時間も教えていない

2. 「普通にやってきた自分(ママ)」が、異質な子どもを排除しようとしている

3. 自分の中にある「排除される要因」を隠せない子が、生きにくい世の中になっている。でもそんなの間違っている

≫「木村先生がママたちに伝えたい20のこと」についてはこちら


■今回取材にご協力いただいた木村 泰子先生の著書


『不登校ゼロ、モンスターペアレンツゼロの小学校が育てる 21世紀を生きる力』
木村 泰子,出口 汪/ 水王舎 ¥1,400(税別)






【木村泰子先生 『みんなの学校』流 親子関係のつくり方】

【楢戸ひかる 「うちの子、発達障害かも!?」と思ったら】

(楢戸ひかる)

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