子どもを引きこもりにしないためには? 10年間の不登校から社長になった小幡和輝さんにインタビューしてきた【4人の子育て! 愉快なじゃがころ一家 Vol.45】
Woman.excite / 2019年7月14日 7時0分
前回までの我が家の不登校体験は親からの視点で、不登校に対する親の関わり方や考え方などを描かせていただきました。
また、うちは娘が不登校だったのですが、男の子の場合は違うことも多いのでは?と思い、今回は会ってみたかったスペシャルゲストにお話を聞いてきました!
「学校生活が合わない子」がいることを認めよう!
10年の不登校を経験し「学校は行かなくてもいい ―親子で読みたい「正しい不登校のやり方」」「ゲームは人生の役に立つ~生かすも殺すもあなた次第」という著書も出されている小幡和輝さん(24)。
小幡さんは「#不登校は不幸じゃない」の発起人で、10年の不登校後なんと高校3年の時に企業し、現在は会社経営をされています!
会社を経営しつつ「#不登校は不幸じゃない」をキーワードに、昨年は全国100箇所で不登校の子どもたちに向けたイベントを各地で開催したり、ブログやTwitterなどでご自身の経験など、不登校に関する情報をいろいろ発信してくださっています。
スラっと長身の優しそうな、でも話し出すとキレのあるトークが印象的でした。「不登校は不幸じゃない」と掲げて精力的に活動されていますが小幡さんは不登校を推奨してるわけではありません!
我が家の体験談でもお伝えしましたが、不登校になるということは辛いことでもあります。小幡さんも学校自体にたくさんのストレスを感じていて小学2年生の時から本格的に不登校になったとのことですが、両親との「行きなさい! vs 行かない!」の攻防が3ヶ月ほど続き、この時期が一番辛かったそうです。
「親が学校に行かせようとする」それは世の中がそういう価値観・常識だから必然なのかもしれません。
しかし実際には学校生活が合わない子がいるわけで…そういう子にとって、学校へ行かないという選択肢がないということは苦しみが長引き、状態も悪化してしまうと思います。
私の不登校体験談でも描きましたが、不登校の苦しみを乗り越えるためには親が変わることが最初のステップだと思っています。
子どもの気持ちを知る…そして受け入れる。
このステップなくしては次には進めないと思っています。
小幡さんの場合はどうだったのでしょうか。
親も子も精神的に明るくいられることが大事
なるほど!
大人は不登校もゲームも悪いものと思いがちですが、我が家の息子もゲームが好きで、ゲームを通して仲良くなる友達もいます。(※ゲームというのは家庭用ゲーム機やスマホゲームだけを指すのではなく、ボードゲームやカードゲームも含みます)
科学的にもゲームは脳に悪いことなんて無いそうです。小幡さんは不登校中もゲームをしていたそうですが、一人籠ってではなく、いとこや友達と一緒にやっていたので楽しかったそう。とても明るい不登校だったというのがお話から伝わってきました(笑)
また、小幡さんは不登校は選択肢としてあってもいいけれど、引きこもりにならないことが大事とおっしゃってました。引きこもりにしないためには、親が子どもの気持ちや状態を受け入れ、そして家以外にも所属できるコミュニティがあるといいですよね。学校の友達と疎遠になってしまったのなら、習い事や、ネットで趣味が合う人やコミュニティを探すという方法も今ならあります。(危険もあるので注意しないといけないですが)
私も不登校中、親も子どもも精神的に明るくいられることがとても大事だと思っています。子どものことだけで頭がいっぱいになって「過度な心配」をするのは、子どもをさらに追い詰めてしまうことにもつながります。
ですが、子どもが不登校になると将来が不安になってしまう親心はなかなか消えませんよね。それについて小幡さんの意見は…
学校を出て良い企業に就職というコースだけではなく、これからはいろんなコースが増えていくのかもしれませんね。私たちの親の時代にはなかった価値観が新しく生まれてきています。親として知っておきたいのは学校に行かなくても、仕事をするスキルを身につけて自立できる方法はあるということです。
そして、小幡さんは高校生のときに起業された…とのことで、どのように起業したのか聞いてみると…
好きなことをとことんやった経験がある人は強い
えっ…そんなに気軽に…?と驚きのお話でした(笑)
10年間の不登校時期に30,000時間くらいゲームをして、歴史、社会へ興味が出て、夜間の定時制高校に進学し「地域活性のワークショップ」をやったのがキッカケだそうで、今はイベント企画の会社を経営されています。
…とにかく迷いがない。
我が娘の場合、ゲーム漬けの日々もあったのですが、そのうち飽きました。つまり、そこまで好きなことではなかったようです。その後、絵を描きまくって現在イラストレーターとして働いています。
親がゲームをしている子どもをみると、なんの生産性もない暇つぶしにみえることもあるのですが、ゲームに勝つために、攻略するためには子どもはいろいろ考えてます。ゲーム自体が問題なのではなく、付き合い方が大事だと思いました。それを親が理解するためには、一緒にやってみるのもいいのかなと。
そして、好きなことをとことんやった経験があるというのは人を強くする気がします。
子どもが安心して日々を過ごすこと、そのために子どもの気持ちを受け入れること、そして子どもの力を信じて待つこと。親が安心して、長い目で子どもの将来を見守ることで、子どもの精神状態は良くなると思います。そして、待ちながら良さそうな場所を探して誘ってみる(情報提供する)ことが親の仕事かなと思ってます。
子どもにどう働きかけたら関係が良くなり、何を提示したらやる気を育てられるのかな~と「育成ゲーム」をするような客観的視点も大切なのかもしれません。ただ育児はゲームではないのでリセットはなく常に愛を持って最善を尽くすしかないんですけどね。
「#不登校は不幸じゃない」イベントについて
…夏休み明けは学生の自殺報道が増えます。
「本当の不幸は学校に行けないことではなく不登校になれなかった子に起こる」と小幡さん。
そんな悲しい出来事を減らしたい!
この記事の冒頭でも触れました、全国一斉イベント「#不登校は不幸じゃない」が今年も行われます。イベント詳細はこちら>>
小幡さんの活動をもっともっと知りたい人はブログやSNSなどを見てくださいね!
◆小幡和輝オフィシャルブログ | 不登校から高校生社長へ
◆Twitter:@nagomiobata
◆instagram:nagomiobata
◆著書:「学校は行かなくてもいい ―親子で読みたい「正しい不登校のやり方」」
◆著書:「ゲームは人生の役に立つ~生かすも殺すもあなた次第」
(じゃがいもころりん)
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