<Wコラム>探訪! 韓流スターの故郷~「東方神起」ユンホを輩出した光州
Wow!Korea / 2016年5月24日 23時32分
朝鮮半島西南部の全羅(チョルラ)南道の道都として有名な光州(クァンジュ)市。ここには何度も行ったが、まさに食の都。大阪のように「食い倒れの街」なのである。とにかく、食べるものがみんな美味しいが、特にスープ類がいい。また、光州の駅弁も、韓国では群を抜く味わいだった。
■結束力が強い土地柄
光州出身の芸能人は多いが、その筆頭と言えるのは、やはりユンホ(東方神起)だろう。彼も幼い頃から誕生日に絶品のワカメスープを飲んでいたに違いない。
日本で「光州」と聞くと、「光州事件」を思い出す人が多いのではないだろうか。
その事件は1980年5月18日に起こった。軍事政権下、民主化を求める勢力が役所を占拠すると、陸軍が投入されて多くの市民が虐殺された。
光州の郊外に犠牲者を慰霊する「5・18墓地」がある。巨大な慰霊塔がひときわ目立っている。私も犠牲者の墓地で手を合わせたが、あの事件を市民は今でも深く心に刻んでいる。ユンホが生まれる6年前の悲劇だが‥‥。
そういう出来事があった光州だが、結束力が強い土地柄である。
朴槿恵(パク・クネ)大統領の父親の朴正熙(パク・チョンヒ)軍事政権時代、全羅道は経済的に冷遇された。政敵の金大中(キム・デジュン)の故郷であったことも理由の一つだった。
かつて、光州を含めて全羅道は貧しかったが、みんなが助け合って暮らした。そういうこともあって、今でも特に情が厚い地域となっている。
■光州出身の芸能人は郷土愛が強い
ユンホは映画『国際市場で逢いましょう』に出演したが、演じたのは同じ郷土出身の大物歌手ナム・ジンの役だった。
ナム・ジンはベトナム戦争に派兵されているので、ユンホの出演シーンも戦場だった。緊迫感がある演技というより、出演を楽しんでいるような雰囲気が印象的。そのときの軍服姿は、後の入隊を暗示していたかのようだ。
ちなみに、ユンホが生まれた1986年は、韓国がまだ軍事政権だった。1歳だった翌年に民主化が実現。彼は自由な風を浴びて育ったのである。
FIFAワールドカップ日韓共催が開催されたのは、ユンホが16歳のとき。光州ワールドカップ競技場で私もワールドカップを見た。
あのとき大勢の日本人が光州を訪れ、駅前の食堂を埋め尽くした。あの光景が忘れられない。
芸能界でユンホの他の光州出身者というと、女優ムン・グニョン、パク・シネ、スジ(MissA)、ク・ハラ(元KARA)や、V.I(BIGBANG)が思い浮かんでくる。
V.Iの人なつっこさを見ると「全羅道の人だなあ」と思う。彼は日本語が巧みで、韓国人が日本語を話すときのなまりもない。古代、日本に漢字と仏教を伝えたのは全羅道の人と言われている。そういう意味でも、日本と関係が深い場所なのである。
また、光州出身の人は郷土愛がとても強く、恩返しの意味も込めて故郷の発展のために尽力している。
文=康熙奉〔カンヒボン〕
(ロコレ提供)
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