【合同インタビュー】名匠イ・チャンドンが認める新鋭ユン・ガウン監督、少女たちの成長物語を描く「わたしたち」の撮影秘話を語る
Wow!Korea / 2017年9月19日 19時22分
“いじめ”という目に見えない悪魔に、少女たちはどう向き合うのか。人生で初めて経験する友情、裏切り、嫉妬、すべての感情に戸惑い、葛藤する子供たちの姿を生き生きと鮮烈に映し出し、日本でも「第17回東京フィルメックス」で観客賞などトリプル受賞の快挙を成し遂げた韓国映画「わたしたち」。
「オアシス」、「シークレット・サンシャイン」の名匠イ・チャンドン監督が見出した新鋭ユン・ガウン監督が、自身の経験を元に描いた本作は、誰しもが通り過ぎてきた子供の世界を通して、いじめやスクールカースト、家庭環境の格差など、現代が抱える社会問題を盛り込みながら、他者とのつながりの中で生きる「わたしたち」の関係について問いかける。
主人公ふたりの少女を演じたチェ・スインとソル・ヘインは、3か月にわたり実施された100人以上の子役オーディションの中から選ばれ、撮影当時11~12歳で、共に映画出演は初めて。ユン・ガウン監督は、彼女たちの表情をつぶさに捉えるために近距離での撮影を選択し、台本を渡さず、場面ごとの状況説明や話し合いを重ねて撮影を行うスタイルで、等身大の繊細な心の揺れまで丁寧に描いた。
「わたしたち」で、子供たちの世界を独自の視点で捉える、その比類なき才能をいかんなく発揮し、長編デビューを飾ったユン・ガウン監督が、イ・チャンドン監督と共に企画開発を進めた本作の撮影秘話を語った。
―本作で、自身の体験を描かれましたが、それはつらい作業でしたか?それとも乗り越えるための貴重な機会でしたか?
どちらも該当すると思います。だいぶ昔のことであるし、長い時間をかけて過去を清算、整理したいと考えてきたので、そろそろ外に話してもいいかなと思っていたんですが、思っていたより、つらい瞬間も多く、そのたびにスタッフ、キャストに力をもらいました。でも、結果的にその過程を通じて、さまざまな視点で、自分の過去を振り返ることができて、良い経験になったと思います。
―子供たちの生き生きとしたリアルな演技が目を引きます。オーディションで出演者を選んだということですが、主要キャストとなるソン役チェ・スインさん、ジア役ソル・ヘインさん、ボラ役イ・ソヨンさんを選んだ決め手は何だったのでしょうか?
最初の頃は個人的に会って、その後グループオーディションを繰り返しながら絞っていったので、4、5次オーディションまでしたと思いますが、まず私にとって、一番重要な人物はソンでした。ソンが決まったら、ソンと対比しながらも、似ているような同一感を抱けるジアが必要で、その次にボラという順番で決めていきました。
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