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赤木円香・AgeWellJapan代表の 「人生の転機」【祖母の骨折と起業への決意】

財界オンライン / 2024年3月11日 7時0分

赤木円香・AgeWellJapan代表取締役

当社は「Age-Well」という概念を掲げて、シニア世代の方々がポジティブに、前向きに歳を重ねることができる社会づくりを目指す事業を展開しています。

 私達が考える「Age-Well」は社会とのつながりへの意識が能動的で、加齢に対する意識が肯定的な状態を指しています。年齢を重ね、定年退職をした後、社会との接点がなくなって孤独を感じるシニア世代が多いのが現状です。

 また、加齢で目が見えづらくなる、耳が聞こえづらくなるといった身体的影響が出る中、それをポジティブに捉えるのが難しい面があるのは確かです。

 一方、日々知識や経験が積み重なり、好奇心旺盛な毎日を送っておられるシニア世代がおられることも事実です。

 年齢を重ねることを「老化」と捉えるのではなく、人生の「経験値」が増えていくと肯定的に捉える、あるいは何歳になっても誰かのために何かができ、「ありがとう」と言ってもらえるような機会や場所がある状態を1人でも多くのシニア世代に持ってもらうことが我々の使命です。

 シニア世代の方々に伴走するスタッフを「Age-Well Designer」と呼んでいます。彼らのサービスを通じてシニアの方々の人生が前向きに変わる姿を目の当たりにすることで「Age-Well Designer」自身のやりがいも高まる好循環になっています。

 そんな私の転機は祖母の骨折です。

 学生時代にマザーハウスの山口絵理子さんの著書を読んで衝撃を受けて以降、社会起業家になろうと考えてきました。ただ、なかなか自分がやりたい分野が見つからず、大学卒業後は「経営を学ぼう」ということで大手食品メーカーに入社しました。

 そんな時、いつも前向きだった祖母が87歳の時に圧迫骨折をしたのをきっかけに家に籠もりがちになり、「ごめんなさいね、迷惑をかけて」と家族に謝るなど自己肯定感が下がってしまったのです。この時に私がやりたいことが見つかった気がしました。シニアは老いていくものではなく、「かっこいいもの」だという形に社会を変えたいと思ったのです。

 今後に向けては、市場をさらに開拓することで我々自身の企業価値を高めると同時に、当社の事業に親和性の高い企業さんとの連携で、新たなビジネス、サービスの開発を進めていきたいと考えています。

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