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老舗介護:セントケアHDの強さを、改めて噛み砕いてみた

財経新聞 / 2024年3月10日 16時26分

 セントケア・ホールディング(東証プライム。以下、セントケアHD)。介護保険法施行(2000年)への時流を先取りした、現代表取締役会長:村上美晴氏により1983年春に前身の日本福祉サービス(訪問入浴)が設立された。「慧眼」「先見性」に惹かれ、ウオッチし続けている。

 介護業界はいまM&A戦略の渦中にあり、「勝ち残り」「生き残り」を賭けた状況が続いていると言って決して過言ではない。そんな中で老舗:セントケアHDの、この間の収益動向に興味を覚えた。

 2021年3月期から前23年3月期まで、3期間の平均営業増益率は27.6%。そして今3月期も「5.3%増収(553億5000万円)、22.1%営業増益(31億円)、16.7%最終増益(20億円)」計画。かつ今期予想を含め、連続増配。村上氏の存在感がその背景にあることは、論を俟たない。

 と同時に現業を牽引する社長はどんな御仁なのか、俄かに興味を覚えた。会った。代表取締役社長:藤間和敏氏。一口で言うと、この上ない味わい深さ感じさせる人物だった。

 大学時代は商学部貿易学科に在籍。が「就職先は介護業界にと決めていた。何故かと聞かれても困る・・・とにかくそう決めていた」と言うのだ。現に大学卒業後、当時の日本福祉サービスに入社している。介護保険法施行前の1997年4月である。

 その後の歩みを見ると、介護業務(2年間) -> 営業所管理職(3年間) -> エリア統括(5年間) -> 地域子会社社長(9年間) -> 本社執行役員を経て2020年4月、現職。

 社長の座に就いた藤間氏には失礼とは思いながらも、敢えて聞いた。「御社も入社当初からその後もしばらくは、事業規模もいまとは相当違っていたはず。後悔は全くなかったか」と。

 藤間氏は「入社早々の社内報で新人として紹介された時に、“とうま”でなく“ふじま”とルビを打たれたのは参ったが」と笑いを取った上で、こんな風に続けた。

 「介護業界に・・・と決めていたが学生時代は福祉には勉強をしていなかったので、会社説明会で聞いたビジョンに大きな衝撃を受けた。村上社長を始め面接をしてくれた幹部の方に、魅力を感じた。人として成長できる会社だと痛感した」

 「介護現場に出て、それまでに味わったことがないような喜びを知った。お客様が心から送ってくれた褒め言葉だ。“あなた上手になったね~!””あなたの声はよく聞こえるよ!耳が遠いから有難い“・・・笑顔で頂いた言葉が今でも忘れられないし、その後の支えになっている」

 セントケアHDは昨年末時点で、訪問介護(231カ所)/訪問入浴(120カ所)/居宅介護支援(116カ所)/訪問看護(124カ所)/看護小規模多機能型居宅介護(51カ所)/デイサービス(51カ所)を展開している。昨春にはホスピスにも進出した。

 周知のとおり介護スタッフの処遇改善が喫緊の課題となっている。藤間氏は「うちはA・B・C3ランクに分けるとAランクに入っている。が今後とも同じAランクでも一段・二段上を目指していく」とした。女性に対する姿勢を見る上で、課長職以上の女性幹部が34%に達している点は象徴的といえよう。

 セントケアHDの本稿作成中の時価は、1月高値(1024円)からの調整場面、900円台前半。予想税引き後配当利回り2.14%。押し目待ち姿勢で好配当を享受するもよいが・・・過去10年間の修正済み株価パフォーマンスは2.3倍強。中長期対応が賢明ともいえようか・・・

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