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NASAのボランティア主導プロジェクト、15個の活動的小惑星を特定

財経新聞 / 2024年3月19日 9時42分

Active Asteroidsによって発見された活動的小惑星の1つ、小惑星2015 VA108。この小惑星は彗星のように尾を引いている。(画像: NASAの発表資料より)(c) Colin Orion Chandler (University of Washington)

 ふたご座流星群の母天体は彗星ではなく、小惑星フェートンだ。ふたご座流星群は流星の明るさや出現数で群を抜く存在だが、彗星でなく小惑星によってもたらされていると聞いて驚かない人はいないだろう。

 この小惑星フェートンは、表面からガス状の物質を噴出するという彗星によく似た性質を持つため、たくさんの流星をもたらす。このような性質を持つ小惑星を活動的小惑星と呼び、他の小惑星と区別している。

 アメリカ天文学協会が発行する「アストロフィジカルジャーナル」で、この活動的小惑星を探索するNASAの市民活動プロジェクトActive Asteroidsの活動報告書が14日、公開された。市民化学者によって、新たに15個の活動的小惑星が特定されたことが明らかにされた。

 この成果は、チリのビクターM.ブランコ望遠鏡のダークエネルギーカメラ(DECam)で撮影された、43万枚の画像の解析から得られたものだ。活動的小惑星の理解を広げ、これまでの太陽系に対する常識を一新する可能性を秘める。またこの報告書の共同著者には、9名のボランティアが含まれている。

 現在、活動的小惑星の全貌が明らかとなっているわけではなく、どんな種類のものがどのくらいあり、どのような原因によって誕生したのかは、謎が多い。しかもどこにそれらがあるのかは、全天をくまなく手探りで探し出していく必要があり、NASAの科学者が精査したいと考えていた画像の数は、1600万枚を超えていたという。

 この作業数の膨大さが、今回のように広く市民の力を借りて活動を推進する市民活動プロジェクト発足の動機づけとなった。

 今回の活動で、あらゆる小惑星のうちで活動的小惑星が占める割合はおよそ1万2,000分の1であることが明らかにされた。またボランティアが見つけやすかった天体は彗星で、見つけにくかった天体は標準的な小惑星だったという。

 これは彗星がある程度の面積を持ち、他の天体画像と区別がつけやすいのに対して、小惑星は微小な点に過ぎず、他の天体画像と区別がつきにくいことが関係していたのかもしれない。

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