特集2017年9月23日更新

スキャンダルで失墜…元民進党・山尾志桜里氏

9月7日、山尾志桜里衆院議員が民進党の離党届を提出し、翌日に受理されました。これは「週刊文春」に不倫疑惑を報じられたことを受けての動きです。党ナンバー2である幹事長への抜擢もささやかれていた中での突然の転落劇を振り返ります。

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目次

「幹事長内定」から一転「離党」の転落劇

「民進党の前原新代表が幹事長への起用を検討」という状況だったにもかかわらず、直後に発覚した不倫疑惑から民進党を離党することになった山尾志桜里氏。まずは今回の騒動を時系列で振り返ってみましょう。

9月1日、民進党の新代表に前原誠司氏が選出される

“魔の幹事長”人事に注目集まる

9月1日、民進党の臨時党大会で代表選が行われ、枝野幸男氏との一騎打ちを制して前原誠司氏が新代表に選出されました。
ただ、「前原氏、有利」というのは代表選前から伝えられていて、その時からすでに関心が集まっていたのは執行部人事です。中でも“魔の幹事長”とされる幹事長人事に注目が集まっていました。
以下は代表選前日の記事です。

前原誠司元外相(55)が一騎打ちを制する見通しだが、最初にして最大の仕事が幹事長人事だ。
民進党は、前身の民主党時代から、幹事長人事の失敗で代表が求心力を失ってきた。
昨年9月、圧倒的な支持を受けて初当選した蓮舫氏は自身に近い野田佳彦前首相を幹事長に起用。党内から猛反発を受け、1年足らずで辞任に追い込まれた。
遡れば、2002年の代表選では鳩山由紀夫氏が3選を果たしたが、中野寛成氏を幹事長に起用したことで、党内が混乱し、3カ月後には補欠選挙の敗北の責任をとる形で代表を辞任した。

9月3日、「幹事長に山尾氏内定」報道

9月3日、日付が変わってすぐの共同通信の速報に始まり、未明から朝にかけて各メディアが「前原新代表が幹事長に山尾氏の起用を検討」というニュースを報じました。
この日まで、幹事長候補としては枝野氏、大島敦氏、玄葉光一郎氏、江田憲司氏といった名前が挙げられる中、山尾氏の名前が目立ったのは前日2日に東スポが「大穴」として取り上げた記事くらいで、「山尾氏内定」のニュースは世間から驚きをもって受け止められました。

山尾氏の抜てきは9月2日夜、党関係者やマスコミに伝わった。翌3日の新聞各紙は一斉に「山尾幹事長」を軸とした人事の概要を報道。代表代行には、代表選を争った枝野幸男・元官房長官と大島氏、政調会長は階猛氏、選対委員長に長妻昭氏という布陣が報じられた。

9月4日、前原氏が「山尾幹事長」の見送り決める

「幹事長内定」報道の翌日、前原氏は大島氏らと会談。ここで山尾氏の幹事長起用案に党内で反発が広がっていることが伝えられ、人事案の再検討に入ったとされています。
山尾氏は当選2回で政治経験が少ない、ガソリン代をめぐる政治資金問題がくすぶっている、といった理由で党内から異論が出ていることは3日の時点でも伝えられていましたが、あっという間の「見送り」の背景には別の理由もあったようです。

ところが一転、9月4日に山尾氏の内定が撤回された。理由は7日発売の『週刊文春』(文藝春秋)で、“不倫疑惑”が報じられるためだ。
(中略)
翌5日には、テレビ東京が昼のニュース報道番組で「幹事長起用断念の理由は、私生活を巡るスキャンダル」と報じた。

9月5日、幹事長は大島氏に決定 山尾氏は要職に就けず

9月5日に開かれた両院議員総会では、前原氏が提案した役員人事を承認した。代表代行には前原氏と代表選を争った枝野幸男・元官房長官、幹事長には大島敦・元総務副大臣をあてた。だが、9月3日段階で幹事長起用が報じられていた山尾志桜里・元政調会長の名前が呼ばれることはなかった。

9月6日、「9歳下弁護士との禁断愛」を報じられる

「週刊文春」(9月7日発売号)の発売を控えた前日、文春オンラインにて記事内容の一部が明かされました。スキャンダルの内容は、“イケメン弁護士”との「禁断愛」だったようです。

9月2日、幹事長に内定した夜、山尾氏は都内の高級ホテルにひとり姿を見せた。白いシャツにデニムパンツというラフな格好で現れ、チェックイン。それから約20分後、黒いキャリーケースを引いたイケメン男性がホテルのエントランスに姿を見せた。この男性はテレビのコメンテーターなどでも知られる弁護士の倉持麟太郎氏(34)だ。赤ワインやビールを買い込んだ彼は、彼女が待つ36階のダブルルームへと消えて行った。

9月7日、山尾氏が離党届を提出 不倫は否定

山尾志桜里衆院議員(43)が2017年9月7日、民進党に離党届を提出した。
(中略)
ただ、不倫報道については
「本件記事記載のホテルには私1人で宿泊した。倉持弁護士と男女の関係はない」
と明確に否定した。その上で「誤解を生じさせるような行動でさまざまな人にご迷惑をおかけしたことを深く反省し、おわび申し上げます」として謝罪した。

なお、この離党届は翌8日に受理されています。

一時は「議員辞職」を伝えられるも…

離党届を提出する前には「議員辞職を検討している」とも伝えられていましたが、どうやら10月の補欠選挙が3つから4つに増えることを懸念した執行部が離党にとどめるよう山尾氏を説得したとされています(解散総選挙が現実味を帯びる前の話)。

報道を受け、山尾氏本人は憔悴しきっており、関係者に「議員辞職を検討している」とほのめかしたという。ただ、今、辞めると来月の衆院補選の数が増えるため、執行部としては何とか離党にとどめたい考えだ。前原代表はけさ、「本人から話を聞きたい」と記者団に語った。

“不倫疑惑”の詳細と各方面の反応

お相手は“イケメン弁護士”倉持麟太郎氏

政策で意気投合か

週刊文春によれば、不倫相手は倉持不倫太郎ではなく、麟太郎弁護士で、山尾より9歳年下の34歳。
皮肉なことに「彼の得意分野は企業コンサルタントや離婚・男女問題」(弁護士仲間)。憲法問題についても詳しいそうで、「安倍政権が目指す憲法改正や安保法案に対して批判的な立場を鮮明にしている」(永田町関係者)
安保問題や皇室問題で議論しているうちに山尾と意気投合したようだ。山尾はIT実業家の夫と長男がいて、倉持にも妻子がいる。

テレビ番組でコメンテーターも務める改憲反対派の論客

倉持氏は改憲反対派の論客として活躍。反対派の弁護士により結成された「明日の自由を守る若手弁護士の会」で活動するほか、安保法案の参考人質疑にも参加するなど積極的な発言を続けていた。15年にはSEALDsのメンバーと共著で安保法に関する本も出版している。
「今年4月には朝日新聞社が運営する論壇サイト『WEBRONZA』の筆者に就任したばかり。テレビでは『モーニングCROSS』(TOKYO MX)や『ユアタイム』(フジテレビ系)でコメンテーターを務めるなど、若手きっての論客として頭角を現していたところです。(中略)」(週刊誌記者)

密会中、妻を実家へ送り出す

週刊文春が山尾氏の”相手”として報じた弁護士の妻は、テレビの取材に応じ、2人が蜜月を過ごしていた時には「体調を崩しており夫のアドバイスで実家に帰っていた」と明言した。

山尾氏の離婚協議の相談相手

「(中略)じつは山尾さんとAさん夫婦は離婚を協議していて、倉持さんはまさに志桜里さんが離婚を相談していた弁護士なんです」(夫・A氏の知人)

浮気で「婚約不履行」の過去も

文春オンラインは倉持氏の「婚約不履行事件」についても伝えています。
かつて倉持氏には結婚を約束し、同棲生活をしていた女性がいたといいますが…

「仕事が忙しいといっては、倉持氏は同棲中の自宅にあまり帰ってこなくなったのです。結局、彼から別れを切り出し、婚約は破談。実は、倉持氏は航空会社勤務の客室乗務員と浮気をしており、子供まで作っていたのです。その女性と結婚するため、彼は婚約者のAさんを捨てたのです」

1週間で4回にわたる“密会”

9月7日発売の「週刊文春」(文藝春秋)によると、民進党の山尾衆議院議員(43)と弁護士の倉持麟太郎氏(34)は、8月28日から9月3日までの1週間のうち4回、ホテルやマンションで2人きりの逢瀬を楽しんでいたという。
おかげで誌面は、イタリアンレストラン、男性のマンション前、高級ホテル、アウディの車内、新幹線の車内での二人の姿を捉えた写真で飾られている。

4回の“密会”は、8月28日に倉持氏が管理するマンション、31日には東京・恵比寿のイタリアンレストランと前述のマンション、9月2日には品川の高級ホテル、そして9月3日には倉持氏の事務所や愛車アウディで行われていたといいます。

報道を受けての2人の対応

当初“逆ギレ”も文春の早刷りを見てガク然?

下の記事によると、当初「不倫ではない」と頑なに主張していた山尾氏は、幹事長ポストを白紙に戻されて「何でですか!」と逆ギレしたといいます。

しかし、翌日回ってきた文春の早刷りを見て、ガク然。同誌にはホテルに入る姿や倉持氏の愛車の助手席で満面笑みの山尾氏の写真がバッチリ掲載されていたからだ。政界関係者は「山尾さんもまさかここまでビッシリ張られているとは夢にも思わなかった。あれを見て観念したのか、強気な姿勢は鳴りを潜め、憔悴しきっていた」と明かす。

7日の会見は「逃亡した」と批判の的に

7日夜に急きょ党本部に離党届を出し、集まった記者団に対しては文書3枚を読み上げただけで、質疑応答は行われていない。追いすがる記者の質問に対しても応じようとはしなかった。「ガソリン代問題の時と同じ。山尾さんは元検事なのに、説明責任を果たそうとしているようにはみえない」。わざわざ集まった記者からは、不満の声が噴出した。

倉持氏も男女関係を否定

倉持氏もブログや夕刊フジの質問に対する回答で「打ち合わせ及び作業のため、日常的に山尾志桜里議員と頻繁なコミュニケーション及び連携をしており」と釈明。2人とも男女関係を否定しつつ「結果的に誤解を生じさせて申し訳ない」と謝罪した形だ。

「1人で宿泊」「政策の打ち合わせ」に文春が反論

「ホテルには私1人で宿泊した」「男女関係はなく、政策立案などの打ち合わせと作業だった」という山尾氏の会見での釈明に対し、14日発売の「週刊文春」で詳細な反論記事が掲載されました。
山尾氏が先に入室していたホテルの部屋に倉持氏が足を踏み入れた瞬間の写真を掲載した上で、次のように伝えているといいます。

部屋はダブルルームで、スペースの大半をダブルベッドが占め、背もたれのある椅子は一脚しかなく、《とても「政策立案や質問作成などの打ち合わせ」ができるとは思えない》と皮肉たっぷりに記している。そして《2人が翌朝5時までホテルに滞在していたことを確認している》とダメ押しした。

山尾氏は以前からマークされていた?

現在の政界は、ゴシップ雑誌なみの”スクープ探し”が横行し、若手議員や秘書たちにも『何かスキャンダルはないか?』と嗅ぎ回っている党関係者が暗躍しています。山尾の不倫は、彼女が『役職なしの平議員』時代から永田町界隈では有名でした。
「山尾氏の問題は、すでにいろんなメディアが把握していて、かなり前から調べていた。今まで出さなかったのは山尾氏がヒラの議員だったからで、民進党の幹事長に就任するなら、そりゃ出すでしょ」
週刊誌の記者がそう述べるとおり、他誌も含めて取材はかなり進んでいたようだ。

「自民党の力が働いた」との噂も

「昨年、山尾さんが発足したばかりの民進党で政調会長に抜てきされたとき、メディアが華々しくその存在をクローズアップして、その人気を自民党がかなり警戒していたんです。記者に山尾潰しの材料がないかと探る動きがあったり、逆に記者に『このあたりを調べてみたら』とアドバイスしていたり。敵対する議員のゴシップに協力するのは政界では珍しくないので、今回も自民党の力が働いたと思う」(民進党関係者)

過去の発言を掘り返されるハメに

過去に自民党議員の不倫を厳しく批判

山尾氏は、過去に出演したテレビ番組で、当時は自民党議員だった宮崎謙介氏の不倫を厳しく批判していたといいます。

宮崎氏が会見で31回もため息をついていた事などを受け、山尾議員は
「こっちがため息つきたいよ、という気持ちではありますけれども、1番危惧するのが、(育児休暇の)流れを作ると言って、こんな無責任なことやって、逆流になってしまうのが、1番心配です」
と述べた。さらに、
「悪いことしておきながら、なんか涙目で潔くすれば男の美学みたいな、ちょっと続いている気がする、という所に違和感があって、やっぱり緩んでいるのかな、という気がします」 と指摘した。

中川俊直議員の不倫報道を受けては…

5月には山尾氏が「長期政権のおごり・ゆるみ・たるみが自民党の2回生議員と言われる方々にまで浸透していることは明らかであります」と指摘していた。

「壮大なブーメラン」との指摘も

過去の発言に対して、タレントの坂上忍は「自分の発した言葉はいつか自分に返ってくる」とコメントし、ネットでも「壮大なブーメラン」と揶揄されているようです。

民進党議員をめぐっては、旧民主党時代から、自民党などへの批判が自身に戻ってくる、という意味で「ブーメラン」という揶揄が、従来からネット上ではよく使われており、今回、山尾議員に対しても「壮大なブーメラン」との指摘がツイッターなどで相次いでいる。
自身が自民党議員の不倫に対して厳しい態度をとってきたことも踏まえ、
「結局一線は越えてないという言い訳真似たようなもんで 離党だけではブーメラン逃れられねーよ」 と、今井絵理子参院議員が不倫報道時に使った「一線は越えていない」という言葉と結びつける書き込みも見られた。

民進党への影響は

“集団離党”の引き金になるか?

民進党では、笠浩史氏、後藤祐一氏、鈴木義弘氏と離党届を提出する議員が続く中(3人とも19日付で除籍処分)、下の記事では山尾氏をめぐる執行部の対応に若手議員の反発が強まっている様子を伝え、「“集団離党”の引き金になるのか」としています。

ある若手議員は「山尾氏本人は男女の関係を否定しているのに、党として守ろうとしなかった。補選を避けるために離党だけさせて、有能な若手の政治生命を奪った執行部の対応は最低だ」と憤慨し、離党を検討中だと話している。笠氏、後藤氏に続いて離党ドミノが始まる可能性がある。

自民党幹部「安倍首相への追い風」

下の記事は「衆院解散」のニュースが報じられる前のものですが、国会での「安倍首相の天敵」と呼ばれる3人(山尾氏、蓮舫氏、辻元清美氏)のうち2人が消えて「首相への追い風」になった、と伝えています。

「党再生の最後のチャンス」と意気込む前原新体制が船出前につまずいたことが「首相への追い風」(自民幹部)ともなり、臨時国会での与野党攻防での自民優位につながるとみられている。
(中略)
この「天敵3人組」のうち、蓮舫氏は代表辞任で表舞台から遠ざかり、山尾氏は離党で論戦参加の機会すら失った。首相サイドは「質疑前から首相が不機嫌になる天敵が自らドロップアウトしたのは、まさに首相の強運の象徴」(側近)とほくそ笑む。

蓮舫氏がショックを受けている?

民進党前代表の蓮舫氏が今回の不倫報道に大きなショックを受けている、という記事もきています。
記事によると蓮舫氏の「二重国籍問題」の担当弁護士も倉持氏だったそうで、政治ジャーナリストは次のように語っています。

政治家には誰だって1つや2つ、隠しておきたいことがあるもの。でも、自分の担当弁護士だった倉持さんと山尾さんが男女関係にあったとしたら、国籍問題のほかにも“秘密の情報“が山尾さんにダダ漏れしていた可能性もある。永田町は狸の化かし合いですから、同僚議員といえども、弱みを握られるのは致命的なんです。

芸能人や識者、ネットからの反応

杉村太蔵「自民党にとっては蓮舫氏より強敵。民進党にとっては痛い」

杉村は山尾議員の離党に、「民進党にとっては痛いくらいのレベルではない。撃墜を(くらった)」とコメント。「よく比較されるのは(民進党の)蓮舫さん。でも、国会質疑を見ても、自民党にとっては比べ物にならないくらい山尾さんのほうが強敵。質疑もリズムで来るしね。さすが(元)検察官」と、山尾議員の脅威を語った。

デーブ・スペクター「離党する必要はなかった。民進党の問題もある」

TVプロデューサーのデーブ・スペクター(63)は、「民進党の危機管理はおかしいですよ」と疑問を呈した。「離党する必要はそこまでなかったと思うんです。(山尾議員という)これだけの中心人物なら、多くの議員がどんどん離党している中で、どうにかなったと思う。これ、(山尾議員が)平気で結局辞めちゃうというのは、民進党の問題もすごくある」と、民進党を批判した。

西川史子「強欲な人だな」

西川は「この経歴を見て、ほしいものを全部手に入れてきて、『なんとかなるだろう、私の思い通りになるだろう』って考える人なんだろう」と推測。「強欲な人だなということは思いました」と語った。

小林よしのり「国家にとっても大損失。離党には反対」

週刊文春が発売された7日、今度は、山尾氏が「国家国民のために役立つ」として擁護する論陣を張った。山尾氏は、共謀罪の問題などで有能さを発揮するのを近くで見たとし、「自民党の数々の不倫議員と山尾氏では、国会議員としての実力が違い過ぎる」と主張した。そして、「これほどの能力を失うのは、民進党にとっても、国家にとっても、大損失になる」とし、民進党はそんな人材を守るべきであり、「わしは離党には反対である」と訴えている。

「山尾志桜里を首相にする会」の代表をしているという小林よしのり氏は、離党会見後にはその会見について「実に見事だ。やはりモノが違う」と絶賛し、さらに後日には「政治家の不倫に説明責任は不要」と山尾氏を擁護する発言をしています。

小林氏は10日、動画サイト「ニコニコ生放送」で「山尾志桜里議員叩きは民主主義の破壊だ!」と題した緊急生放送を行い、山尾氏を離党させた民進党を批判した。
「イメージ商売のタレントと違い、政治家の不倫に説明責任は必要ない」と持論を展開、「山尾氏は相当な能力がある政治家。こんな能力があってビジュアル的にもいい議員は大切にしなくちゃいけない」「民進党内のほかの男の議員は嫉妬している」と語った。

室井佑月「ちょっともったいない感じ」

7日「ひるおび!」(TBS系)では作家の室井佑月さんが
「仕事ができる人のほうが良いから、誰に対しても仕事をきちんとしていたら、下半身の事情よりも、仕事をどれだけやっているか(が大事)」
と主張。山尾氏には離党や議員辞職の可能性まで浮上しているが、室井さんは「ここで終わりになっちゃうのはちょっともったいない感じ」と惜しんでいた。

山田邦子「いいじゃないの~、最高なんじゃないの?」

山田邦子は山尾氏について、「もうバリバリな方でしょ? 43歳で9歳年下(が相手)。いいじゃないの~、最高なんじゃないの?」とコメント。「そのことでね、なんか仕事サボったとか、まずいことやったとか、ちょろまかしたとかいうんだったらダメだけど」と前置きし、「それ(男性との不倫)がまた力となってバリバリやるんだったら、そんなのはいいんじゃないかな」と山尾氏を擁護した。

安藤優子「それほど重みのある疑惑報道なのかな?」

安藤は「いったんは幹事長という党の顔に内定をしていて、前原新代表が取り消さざるを得なくなった。それほど重みのある疑惑報道なのかな?という感じもするんですが…」と疑問を呈した。

評論家・八幡和郎氏「宮崎謙介氏や今井絵理子氏より悪質」

元通産官僚で評論家の八幡和郎氏は、不倫報道があった宮崎謙介元衆院議員と今井絵理子参院議員と山尾氏の3人について、「悪質度」を6つの視点で分析。最終的に次のように結論付けています。

八幡氏は「総合的にみれば、山尾氏がいちばん悪質なのではないか」と話す。「今井氏はダブル不倫ではない。政治家としての重い立場や、山尾氏自身が他の議員の不倫を批判していたことからみても、宮崎氏よりはるかに責任が大きい」

フィフィ「裏切られた気持ちです」

フィフィは「何が許せないって、ああやって働くママのリーダーというか、先頭に立って旗を振ってた人間がこういうことしてたって、裏切られた気持ちですよ」とバッサリ。さらにゲス不倫騒動で議員辞職した宮崎謙介氏(36)を批判していたことをにも触れ、「宮崎さんのことも散々叩いて、辞職に追い込んで自分は離党で終わりって。自分だって、辞職すれば?と思う」と斬り捨てた。

ネット上では疑問や否定的な意見が噴出

インターネット上では山尾氏が不倫関係を認めないにもかかわらず離党届を提出したことに「不倫してないのに辞めるとかイミフすぎ」「男女の関係無いのになんで離党?」と疑問が噴出。また、会見で涙ぐむような場面があったことから「なんか悲劇のヒロインぶってたな」「泣いて誤魔化す演技派」などと否定的な意見が多い。
さらに、「離党」という選択をとったことにも「国会議員は続ける気かよ」「離党しただけで終わらせる気満々」と厳しい声も多い。

このほかネットでは、前述のように過去の山尾氏発言などを取り上げて「ブーメラン」と厳しく指摘する声が大勢を占め、さらに「ウワキーヌ」「ガソフリン姫」といった、過去の疑惑に掛け合わせた“あだ名”を付けて茶化しまくるトレンドが生まれました(詳しくは後述)。

「保育園落ちた 日本死ね」で脚光 山尾氏の華麗な経歴

今回の騒動では山尾氏の“華麗な経歴”にも注目が集まることになりました。まずは公式サイトに掲載されている「プロフィール」から分かる情報を整理してみます。

生年月日1974年7月24日生(43歳)
学歴東京大学法学部卒
家族同い年の夫と5歳の息子
好きな食べ物納豆ごはん、あんかけパスタ、鍋物
座右の銘「大切なことは目に見えない」
主な経歴・役職
2002年司法試験合格
2004年検察官任官し、東京地検に着任
2009年衆議院議員総選挙にて初当選
2010年幹事長補佐、行政刷新会議WG評価者(仕分人)
2012年衆議院議員総選挙にて落選
2014年衆議院議員総選挙にて当選
2016年民進党政務調査会長

東大法学部→検事→国会議員…というエリート

山尾は、トヨマユ先生と同じく、1974年生まれの東大法学部出身。大学卒業後に司法試験に合格し、検事となる。いわばエリートだ。その後、民主党が大勝する2009年の衆院選で当選して、国会議員に。またIT実業家と結婚し一児の母親でもある。

余談ですが、上の記事でも触れられているとおり、元秘書への「このハゲーーーー!」発言で世間を賑わして自民党を離党した豊田真由子衆院議員と山尾氏は、東大法学部の同期だそうです。また、議員会館の部屋番号も同じ「724号室」だとか。

初代「アニー」を務めた幼少期

異例の2年連続「アニー」

上で紹介した事項のほかに公式サイトの「プロフィール」で目を引くのは、「小6、中1の多感な時期に初代『アニー』を演じる」という一文。今年で32年目を迎え、観客動員数は167万人超、さらに毎年アニー役の子役オーディションが話題になるなど、「国民的ミュージカル」として親しまれている舞台「アニー」の初代アニーとは驚きです。

“勝ち組人生”のスタートは小6のとき、応募者1万数千人のオーディションを勝ち抜き、舞台『アニー』の主役を射止めたことだった。舞台関係者が振り返る。
「ほとんどの“アニー”は1年で卒業しますが、志桜里ちゃんは2年連続で務めました。演劇界に留まっていれば、いまごろ大女優になっていたかもしれませんね。でも、ご両親の教育方針もあって、学業に専念する事になりました」

「流し台が私のお風呂」…風呂なしアパート時代も

山尾氏は小学校1年生の時に、研究者だった父親が東京にある大学の医学部に入学し、一家3人で仙台市から都内に越してきたという。《お風呂もシャワーもない小さなアパートに家族3人で住みはじめました。ホーローの流し台が私のお風呂だったことを、今では楽しい思い出として覚えています》(経済界16年6月21日号)

「すごい美少女」才色兼備の人気者

中高時代は有名な美少女

山尾氏は「アニー」に出演したあとには勉強へシフトし、東京学芸大附属高校から東京大学に現役で合格します。

山尾議員は中学、高校は都内でもトップレベルの国立大学付属校に進学。学校の最寄り駅沿線では“すごい美少女がいる”と有名な存在だった。才色兼備の山尾議員は高校3年生の9月に裁判の傍聴を機に、検察官を目指し、東大法学部に進む。

議員になっても男性議員から圧倒的人気

自分に厳しく仕事をされていて、裏方のような仕事も厭わずにやっていたので、議員の中での評価は高かったんです。ツンとした女性が好きな男性も多いでしょう。休憩時間などにおじさま議員の間で『どの女性議員がいい?』みたいな話になったとき、上位にランキングされるのが志桜里さんだったんですよ。

「保育園落ちた 日本死ね!」を国会で取り上げて注目集める

「保育園落ちた、日本死ね!」で注目を集めた山尾さんは「子供と女性を徹底的に守る」という「ママフェスト」なるものを掲げ、子育て母親の代弁者として有権者の信頼を得てきた政治家である。

この記事のように、今回の不倫疑惑騒動を伝えるほとんどの記事で山尾氏を説明する一文に使われているのは「『保育園落ちた 日本死ね!』を取り上げて注目を集めた」です。
これは昨年2月、衆院予算委員会で当時話題になっていたブログを取り上げて待機児童問題の深刻さを訴えたことに端を発します。

自身も5才の息子を持つ民主党・山尾志桜里議員(41才)が国会でこのテーマを取り上げると、安倍首相は「そのメール(書き込み)について私は承知していません」と回答。さらには匿名だから確認のしようがないとも言った。さらには与党から「誰が書いたんだよ!」などとヤジが飛んだ。
国会質問では、保育園に子どもを預けられない母親の窮状を訴えた『保育園落ちた日本死ね』という匿名ブログを取り上げて安倍晋三首相を追及。政府が待機児童問題の深刻さを認識し、対策に本腰を入れるきっかけとなった。

民進党発足時の「政調会長」に就任

2016年2月に「日本死ね!」で知名度が上がった山尾氏は、同年3月には政調会長に就任。同年4月の北海道5区補選や今年7月の横浜市長選などで引っ張りだこだった。蓮舫体制になってからは国民運動局長に“格下げ”されたものの、その存在感は変わらなかった。

「流行語大賞」の授賞式に登壇

この山尾氏の国会での行動をきっかけに、Twitter上では「#保育園落ちたの私だ」という怒りのハッシュタグが登場したほか、国会前での抗議運動、28000人分の賛同を集めた署名活動などに発展。待機児童や保育園、子育ての問題が連日メディアに取り上げられる流れになり、山尾氏の名前も一気に有名になりました。
そして昨年末、「保育園落ちた日本死ね」が「新語・流行語大賞」のトップテンに選ばれた際には山尾氏が授賞式に出席して、こちらも話題になりました。

「ガソリン代疑惑」も浮上

「地球5周分を走れる量」と批判される

「保育園落ちた 日本死ね」を国会で取り上げた直後には週刊誌に「ガソリン代疑惑」を報じられ、こちらも話題に。

政調会長就任直後、「奇妙な政治資金」と「週刊新潮」に報じられ、なかでも2012年に計上されたガソリン代は230万円。「地球5周分を走れる量」と批判された。

「すべて秘書がやった」で済ませて疑惑残る

疑惑に対して山尾氏は「秘書がやった」で問題の収束を図ったものの不自然な点が多く、いまだに疑惑がくすぶることになりました。
また、この疑惑で「ガソリーヌ」というニックネームが付けられることに。

山尾氏は昨年、同氏が支部長を務める政党支部の政治資金収支報告書でガソリン代支出での不適切な処理を指摘され「元公設秘書がやったこと」と苦しい言い訳に終始した過去がある。このため永田町や一部メディアでは「ガソリーヌ」という皮肉たっぷりのあだ名で呼ばれることも少なくない。

過去の経歴から“言葉遊び”でイジられる対象に

こういった経歴があった上で今回の不倫疑惑が報じられたことから、ネットを中心にさまざまな形でイジられることになりました。

「保育園落ちた 日本死ね」に掛けて茶化される

作家の百田尚樹さんは5日、「不倫ばれた、日本死ね」とツイッターで投稿し、日本維新の会の足立康史衆院議員も同日、「幹事長落ちた、民進党死ね。」とツイート。

「不倫ばれた、日本死ね」Tシャツまで登場。

旬の時事ネタを取り入れたTシャツを手がけるサイト「NAGOMI-Creation」が2017年9月8日までに、「不倫ばれた、日本死ね。」「幹事長落ちた、民進党死ね。」と書かれたTシャツの発売を開始した。

デーブ・スペクターのダジャレの餌食にも

山尾が「幹事長」ポストに内示があったことを受けて「感じちゃう」と引っ掛けた、デーブ改心のヒット作である。さらに、フォロワーたちも「さすが民進党のフリンセス」「【秘書がぁ~】じゃなく【秘所が勝手にぃ~~】」などとかぶせている。

数多くのニックネームも誕生

Twitterを中心に多くのニックネームが生み出されていて、中には品のないワードもあり、全部を紹介するのは控えますが、配信されてきている記事内で確認されただけでも以下のニックネームがあります。
・Wフリーヌ
・ウワキーヌ
・パコリーヌ
・ゲスリーヌ
・ウワキーナ
・エロリーナ
・フリンセス
・ガソフリン姫
・ガソ倫

今回の件で、「ウワキーヌ山尾」と呼ばれてしまったり、はたまた「ガソ倫」なるパワーワードが誕生してしまったりしている模様である。
ガソリン疑惑では、ネット上で「ガソリーヌ」と揶揄(やゆ)されていた山尾氏だが、今回の不倫疑惑で新たにネット上で「フリンセス」「パコリーヌ」なる称号が与えられた。
ガソリーヌからゲスリーヌへとジョブチェンジした山尾志桜里氏
今回の不倫騒動でもウワキーナとかエロリーナ、パコリーヌとかの言葉がネット上に噴出
ネット世論は、この不倫疑惑に大盛り上がり。
<ガソリーヌ改めWフリーヌ>
<ガソフリン姫>
<不倫ばれた。日本死ね>
などなど、従来のあだ名に改良を加えて茶化しまくっている。

山尾氏の今後は?

「保育園落ちた 日本死ね」やガソリン代疑惑などを通じて全国区の有名議員となっていただけに、今回の不倫疑惑で叩かれたり、イジられることになった山尾氏。そんな彼女の今後はどうなるのでしょうか?

次の選挙は相当厳しい戦いに?

早ければ来月にも衆議院解散による総選挙が行われるといわれていて、この選挙に山尾氏は無所属で出馬する意向であると伝えられています。
民進党は対抗馬の擁立を見送る方針ということですが、選挙区である愛知7区の状況からも無所属では相当厳しい戦いになることが予想されています。

山尾氏は2回生とはいえ、民主党への強力な追い風が吹いていた2009年の衆院選で圧勝したものの、次の12年の逆風選挙で落選し、前回14年の選挙で返り咲いており、決して政治家として順風満帆ではない。当選は2回とも小選挙区での勝利ではあるが、一度は落選し、そして直近の選挙では僅差での勝利ということを考えると、必ずしも選挙に強いとはいえない。
愛知7区は名古屋市のベッドタウンで、トヨタなどの企業に勤務する住民も多く、いわゆる民社カラ―が強い地域。「どちらかというと無党派層が多く、保守よりも革新的で、自民党以外の候補が一番勝てそうな選挙区」(愛知県関係者)とのこと。
(中略)
民進党を離党した今となっては、再度当選するのは簡単ではない。その理由は、いくら否定をしたとはいっても、”不倫スキャンダル”は尾を引くためだ。

「無所属では山尾氏のよさは生かされない」

政治評論家の有馬晴海氏は「無所属では山尾氏のよさは生かされない」と危惧する。
「元検事の山尾氏は追及型。しかし、国会で安倍政権を攻めようにも、無所属議員の質問時間はせいぜい2~3分だから追い詰めきれなくなります。不倫ではないと否定しているのに民進党はなぜ追い出したのか。山尾氏は後援会長に“私を信じてください”とまで言っている。永田町で“豊田真由子氏はもったいない”との声はありませんが、“山尾氏はもったいない”という声は数多く聞きます」

今回の不倫疑惑で浮き彫りになったのは、山尾氏の自身の疑惑に対する姿勢が、「民進党のジャンヌ・ダルク」と呼ばれ政権や与党に対して厳しく説明責任を求めてきた姿勢とはまったく異なっている点。メディアやネットユーザーの論調も、「不倫が本当かどうか」「不倫が良いか悪いか」というより、攻める時には舌鋒鋭い印象だった山尾氏が、自身の釈明会見では原稿を読むだけで“逃亡”して以来、公の場に姿を見せず、モヤモヤした印象を残している点を指摘する声が大多数です。
近々行われるであろう次期衆院選に無所属で立候補すると伝えられている山尾氏ですが、選挙を戦うのであれば、支援者や有権者への説明を避けては通れません。そこでどういった説明をするのか、そして選挙でどう有権者に判断されるのか。注目が集まります。

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