ニコラス・ケイジが奪われた“愛豚”を血眼で追う怪・傑作『PIG／ピッグ』

トリュフハンターとして暮らす孤独な男が、奪われた豚を探し求めるなかで自身の壮絶な過去と向き合う……。作品の規模を問わず精力的な活動を続ける名俳優ニコラス・ケイジの主演作『PIG／ピッグ』が、2022年7月15日（金）より公開中です。

■これからが楽しみな若手監督＆俳優たちが脇を固める

　作品の規模を問わず精力的な活動を続ける名俳優ニコラス・ケイジの主演作『PIG／ピッグ』が、新宿シネマカリテで開催の＜カリコレ2022＞で上映されます。終始ずっしりと重く、シュールかつストレートな物語に何重にも驚かされる怪作です。

『PIG／ピッグ』2020 Copyright (c) AI Film Entertainment, LLC

　物語の主な舞台となるのは、米オレゴン州の森の奥。ケイジが演じる主人公ロブは、貴重食材を採取するトリュフハンターとして一匹のブタと暮らす孤独な男です。ある日ブタが何者かに強奪されてしまい、ロブは愛するブタを奪還すべく、ビジネスパートナーの男と共にポートランドの街に降り、手掛かりを探しはじめます。しかしブタの行方を辿る過程で、ロブは自身の壮絶な過去と向き合うことになり……。

　いわゆる世捨て人であるロブと唯一、ドライな関係ながらも交流を保っていたトリュフのバイヤー、アミールを演じるのは、『ヘレディタリー／継承』（2018年）や『オールド』（2021年）といったホラー／スリラー作品で印象的な表情演技を披露していたアレックス・ウルフ。本作ではスポーツカーを乗り回す軽薄な若者を好演していますが、まるで仙人のようなケイジとの相性が意外なほど良く、この2人の組み合わせだけでも本国での高評価がうなずけます。

　また監督のマイケル・サルノスキは、本作が長編デビュー作となる新鋭。本作で評価を高め、人気シリーズ『クワイエット・プレイス』（2018年〜）のスピンオフ作品に抜擢された、今後が楽しみな若手監督です。

ニコラス・ケイジは、『バンコック・デンジャラス』（2008年）でBMW MotorradのK1200Rを駆り市街地を乗り回す

　さて、ニコラス・ケイジとバイクいえばダークヒーロー映画『ゴーストライダー』（2007年）シリーズが有名ですが、『バンコック・デンジャラス』（2008年）でもBMW MotorradのK1200RやスズキのRG150などを市街地で乗り回しているので、ケイジファンは要チェックです。

『PIG／ピッグ』2020 Copyright (c) AI Film Entertainment, LLC

　様々な映画賞で高評価を受け受賞・ノミネートされた『PIG／ピッグ』は、新宿シネマカリテで開催の映画祭＜カリテ・ファンタスティック！シネマコレクション2022＞にて2022年7月15日（金）より公開中です。