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フォルクスワーゲン ジェッタ ハイブリッド新車試乗評価 元気良く走れるハイブリッド【レビュー:VW】

CORISM / 2013年5月14日 7時7分

フォルクスワーゲン ジェッタ ハイブリッド

TSIをベースにした1モーター2クラッチ式のハイブリッドシステムを搭載

 ヨーロッパの自動車メーカーは最近、ハイブリッド車の開発に力を入れていて、フォルクスワーゲンも日本で販売しているトゥワレグに続いてジェッタにハイブリッド車を設定し、アメリカやヨーロッパで販売している。ジュネーブで試乗したジェッタ・ハイブリッドについてレポートしておきたい。

 フォルクスワーゲン ジェッタは、すでに日本では販売されないモデルになってしまったが、アメリカや中国では好調な売れ行きを示すなど、世界的に見ればけっこう良く売れている。そのジェッタをベースにハイブリッド車を設定したのは、やはりアメリカ市場でのシェアアップが大きな目的なのだろう。

 ハイブリッドシステムは、1.4LのTSI(直噴ターボ)仕様のエンジンがベース。ゴルフⅦに搭載されたのと同じ新世代のエンジンで、110kW/250N・mのパワー&トルクを発生する。このエンジンと7速DSGのトランスミッションの中間にハイブリッドモジュールを搭載する1モーター2クラッチ方式のハイブリッドだ。

 電気モーターは20kW/150N・mの動力性能を発生し、エンジンとモーター合わせたハイブリッドシステムとしては170hp/250N・mを発生する。リチウムイオン電池の搭載量1.1kW/hだからプリウスよりは少し少ない。

 外観デザインは、グリル回りやエンブレムなどに違いが設けられていて、良く見ればハイブリッド車であることが分かる感じ。インテリアも基本はジェッタのものだが、パワーメーターを備えるなどメーターパネルが異なるほか、カーナビ用の液晶画面がエネルギー・フロー・ディスプレーになる点などに違いがある。他にはシート地やデコラティブパネルなどが、ハイブリッド車に専用のものとされている。

燃費ではプリウスに及ばないものの、ダイレクト感ある走りのテイストに優れる

 モーターを使っての発進は、ハイブリッド車らしいスムーズなもの。EVモードを選択して走ると、2kmまでの距離を、時速70kmまでの速度で走ることも可能だ。逆にエンジンと電気モーターを足し算して走れば、時速100kmに達するまでに8.6秒ですむというから、けっこう元気良く走れるハイブリッド車だ。

 クルージング中にエンジンが停止した状態から急な加速を試したときには、多少の反応の後れがあるものの、妙なギクシャク感を生じさせることなく加速に移っていく。7速DSGとの組み合わせによるダイレクト感が、プリウスなどとの違いであり、ヨーロッパで作られたハイブリッド車らしい走行感覚である。

 走行中のエンジンの停止や再始動など、エネルギーマネジメントは、プリウスほどではないものの、十分に洗練されたレベルにあり、モニターを見ていないと、どんな状態で走っているかが分からなくなるくらいのスムーズさだった。

 走行中の静粛性や乗り心地など、快適性の面でも満足できる仕上がりになっていて、これなら日本でも、と思わせる部分はあった。ただ、ゴルフⅥをベースしたジェッタのハイブリッド車であり、ゴルフⅦが登場する今となっては、このままの仕様を日本で売るのは無理。

 また、ヨーロッパでの価格はけっこう高く、コンフォートラインで3万1300ユーロ、充実装備のハイラインで3万3500のユーロだったから、円安が進んだ今では400万円を超える価格になる計算だ。そのことも含めると、日本導入はますます厳しいかもしれない。

 プリウスが燃費志向をはっきりさせたハイブリッド車であるのに対し、ジェッタハイブリッドはよりパワフルなエンジンを搭載するとともに、DSGとの組み合わせによる走りのダイレクト感など、スポーティな志向も備えたハイブリッド車としている。

 絶対的な燃費性能では、プリウスに及ばないものの、走りの楽しさなども含めて総合的な魅力では互角。アメリカではユーザーの志向で、どちらを選ぶかというような選択になっているようだ。

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