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脳が酸性に傾く精神・神経疾患モデル動物を多数発見

Digital PR Platform / 2024年3月27日 10時3分

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―多様な疾患にまたがる認知機能障害の脳内メカニズムの解明に前進―

藤田医科大学の宮川剛教授、萩原英雄講師らの研究グループは、知的障害、自閉症、統合失調症、双極性障害、うつ病、アルツハイマー病などの精神・神経疾患モデルを含む、実に109種類にも及ぶモデル動物を対象に大規模な脳の代謝解析を実施しました。本研究では、脳のpH(ピーエイチ、あるいはペーハー)注1および乳酸注2量が多くの疾患モデル動物で共通して変化することが確認され、これらの変化は特に認知機能障害と関連が深いことが示されました。この発見によって、異なる疾患における認知機能障害に対する共通の脳内メカニズムの理解を深めることが期待されます。本研究は、群馬大学の畑田出穂教授、Jena University HospitalのAnja Urbach博士、富山大学の高雄啓三教授、金沢医科大学の西園啓文講師、Northwestern UniversityのHerbert Meltzer 教授、University of Strasbourg・National Centre for Scientific ResearchのIpek Yalcin博士、Institute for Basic ScienceのBong-Kiun Kaang教授、茨城大学の豊田淳教授、University of EdinburghのSeth Grant教授ら、世界7カ国の105の研究室、合計131名の研究者による国際共同研究として行われました。この研究成果は、日本時間2024年3月26日17時に英国の生命科学・生物医科学分野の学術雑誌「eLife」のオンライン版で公開されます。
論文URL: https://doi.org/10.7554/eLife.89376.3


<研究成果のポイント>

著名な精神・神経疾患モデルを含む109種類のモデル動物のうち約30%において、脳のpHと乳酸量に変化が見られることを発見。多様な精神・神経疾患モデル動物を系統的に解析した研究としては世界初。
作業記憶と呼ばれる認知機能の低下が、脳のpHの低下および乳酸量の増加と強く相関していることを確認。
脳のpHおよび乳酸量の変化が、認知機能障害を伴うさまざまな精神・神経疾患に共通する現象であることを示唆。既存の疾患分類の枠組みを超えた、疾患横断的な認知機能障害の病態研究の新たな展開が期待。

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