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生産者の背景に感動して料理をする。食べている時の顔を見るのが好きなんです【フードデザイナー・たかはしよしこの定番論】

FASHION HEADLINE / 2017年7月12日 12時0分

生産者の背景に感動して料理をする。食べている時の顔を見るのが好きなんです【フードデザイナー・たかはしよしこの定番論】

フードデザイナーのたかはしよしこさんの瞳は小さな女の子ようにいつもキラキラと輝いている。それは彼女が感動と幸せを日々たくさん発見していて、それを誰かに届けている人だから。東京・西小山にあるアトリエ「S/S/A/W」を訪れて、日々の暮らしを尋ねてみた。


■季節を追いかける人

使いやすそうに並べられた器や鍋の数々や、壁に飾られたソフトコーラルのような自然のもの。アトリエには、愛情と時間をたっぷり注がれ集まったモノたちがそこかしこに溢れていて、主人の人柄そのまま、どこか懐かしくて心地良い空間を作っている。

「S/S/A/W」の名は春夏秋冬から。アートディレクターとして働く旦那さんが「君はいつも、季節を追いかけている人だから」と提案してくれた。そう、たかはしさんの一年は、四季が育むおいしい食材が握っている。「季節、季節で取れる物があまりにもおいしいから、それを追いかけて作っているんですよね」と、ほころばせる目元が優しい。



東京・西小山にあるアトリエ「S/S/A/W」

メニューは何より生産者ありき。「この時期が一年で一番」をまとめた野菜リストを手に、春なら春、冬なら冬のものだけ。旬の食材以外がテーブルを飾ることはない。「純粋においしいものって、純粋な環境で、生産者がまっすぐな気持ちで作ったもの。食べるとそれが全部入ってくるんです。私もその背景に感動して料理しているから、説明しなくても体に入ればきっとわかってもらえるという変な自信がある(笑)。伝えたいし、食べてもらいたい。それに、食べている時の顔を見るのが好きなんです。食を通じて感動を共有できたらいいなって思います」。


■“好き”だけが共通するモノ選び

もともとインテリアを志して上京したたかはしさんだが、ある時、大きな空間デザインよりも「私はもっと身近な、すぐ目の前の世界を見ている」と気づき、天職となる料理の道へと飛び込んだ。仕事でも生活でも、彼女の暮らしの柱となるのは食。けれども、たかはしさんは衣食住すべてのシーンを大切に日々を過ごしている。




「どれも全てつながっていますよね。おいしい食事にはいい器が必要だし、それならいいテーブルや、いい空間、心地よい自分でいられる服だって必要になる」。でもそれは、必ずしも高価なブランドでもなければ、どこかの国にも縛られない、ひとつに限定されない世界だ。「絶対にこれっていうのはないんです。いろんなジャンルに好きな人やモノがあるし、どこの国の作家でも“いいな”って思えればそれでいい。何かわからない、ゴミのようなものだっていいんです(笑)」。

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