いざというときの生活費をカバーする「収入保障保険」と「所得補償保険」何が違うの?

ファイナンシャルフィールド / 2019年10月23日 9時30分

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生保会社が扱う「収入保障保険」と損保会社が扱う「所得補償保険」は名称がよく似ています。両者とも生活費をカバーする保険ですが、支払い条件がまったく異なります。  

収入保障保険

収入保障保険は、定期保険(死亡保険)の一種です。遺族の生活保障のために加入します。保険期間中に被保険者が死亡した場合、死亡保険金を年金として受け取ることができます。年金の受取期間は10年など一定期間のタイプと、一定の年齢(60歳までなど)まで受け取れるタイプがあります。
 
例えば、死亡時点から60歳まで、月額10万円受け取る収入保障保険に加入した場合、30歳で死亡すると受け取ることができる保険金の総額は3600万円、40歳では2400万円、50歳では1200万円となります。
 
このように加入後、経過年数とともに受け取ることができる保険金の総額が逓減していくので、契約時の保険金額が保険期間中同じである定期保険に比べ保険料が割安です。
 
一括して高額の保険金額を受け取るよりも、毎月、お給料のように保険金が振り込まれるほうが家計管理もしやすいといった面もあります。
 
なお、収入保障保険の保険金は一括して受け取ることも可能です。ただし、その場合は毎月受け取るよりも総額で少なくなります。運用益が引かれるためです。また、保険金の受け取り回数には、2年間や5年間など最低保証があるのが一般的です。
 
年金形式で受け取る保険金に対する税制上の取扱いにも注意が必要です。例えば、契約者と被保険者が同一人の契約では、被保険者の死亡時に今後受け取ることができる年金の権利評価額に相続税、さらに2年目以降は年金額のうち相続税の課税対象にならなかった部分が雑所得として所得税・住民税の課税対象となります。
 
税金の面では、一括で受け取ったほうが相続税の基礎控除額(3000万円+600万円×法定相続人数)や生命保険の非課税枠(500万円×法定相続人数)を利用可能ですので得といえます。保険金を一括で受け取るか、年金で受け取るか、税金も考慮して決めましょう。
 

所得補償保険

入院や在宅療養で働けない状態が長期におよぶと、貯蓄だけでは家計を支えることができず、住宅ローンや子どもの教育費が払えなくなることがあります。
 
この働けないリスクに備える保険に所得補償保険があります。損害保険会社で扱っています。所得補償保険は、ケガや病気によって就業不能となった場合の収入の減少を補償する保険です。
 
所得補償保険における就業不能状態とは、入院または医師の指示による自宅療養などで保険証券に記載されている業務にまったく従事できない状態を指します。精神疾患は補償の対象外です。
 
所得の喪失を補償する保険ですので、会社員や自営業の方など、働いて収入を得ている方が契約の対象となります。ただ、専業主婦(夫)でも契約できる商品を取り扱っている保険会社もあります。
 
補償の開始は、一定の免責期間(保険金が支払われない期間)を経過した時点から始まります。免責期間や保険金を受け取れる限度期間は商品により異なります。
 

就業不能保険

所得補償保険の生命保険会社版です。60歳、70歳までなど保険期間を定めて契約し、その間に所定の就業不能状態に該当した場合に、一定の免責期間経過後、働けない状態から回復するまで、または保険期間満了まで保険金が支払われます。専業主婦でも契約できる商品を取り扱っている保険会社もあります。
 
就業不能状態は、治療を目的とした入院・医師の指示による在宅療養、一定の身体障害状態、所定の要介護状態など保険会社により異なりますので、加入の際は就業不能の定義をよく確認することが大切です。精神疾患による就業不能状態を保障するかどうかは保険会社により対応が異なります。
 

自営業者は免責期間の短いタイプがおすすめ

所得補償保険や就業不能保険は、けがや病気で働けなくなったときの収入減を補償するための保険です。
 
会社員には、仕事以外の事由で休業した場合には健康保険から最長1年6ヶ月間傷病手当金が支給され、労働者が業務上災害で休業となった場合には政府労災保険(労働者災害補償保険)から休業補償給付が行われます。健康保険では1日あたり給与の3分の2相当分、政府労災保険では1日あたり給与の6割相当分を保障されます。
 
自営業が加入する国民健康保険には傷病手当金がないので、けがや病気で働けなくなったときの収入減に備え、所得補償保険などに加入しておいたほうが安心です。その際、免責期間が短いタイプをおすすめします。
 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー

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