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[MOM2343]神戸U-18MF谷川勇磨(3年)_転機は『嫌われる勇気』、壁乗り越えた主将が守備で躍動

ゲキサカ / 2017年11月28日 11時15分

キャプテンマークを巻いて躍動するヴィッセル神戸U-18MF谷川勇磨

[11.26 高円宮杯プレミアリーグWEST第16節 神戸弘陵高 0-4 神戸U-18 三木総合防災公園 陸上競技場]

 プレミアリーグWESTを制した2013年は、2年生ながらチームを統率したMF中井英人(現関西大)。チーム史上最多の勝ち点を手にした昨年度は、攻守で絶大な存在感を示したMF野田樹(現FC今治)。強い年のヴィッセル神戸U-18には、特徴であるポゼッションの起点となりつつ、主将としてチームをまとめる頼もしいボランチがいる。

 残り2節を残して、首位に立つ今年は、MF谷川勇磨(3年)が条件に当てはまるが、「技術はない」と野田知監督がキッパリと言い切るように、歴代の主将とは少し毛色が違う。球際の強さを活かしたボールハントや、周囲の状況を見ながら、バランスを取るなど守備が特長の選手だ。

 神戸弘陵高との神戸ダービーを戦った今節で目立ったところも、守備の部分だ。「相手のカウンターをいかにケアするかを考えていた」と振り返る通り、ボール奪取から素早く神戸U-18のDF裏を狙った神戸弘陵の攻撃を警戒しつつ、危ない場面でボールを持たれた際には身体を張って、シュートを防いだ。

 奪ってからは、「怪我人が帰ってきて、攻撃のクオリティーが上がっているので、そこをどう活かすか考えていた」とシンプルなパスを選択。「黒子の選手だと思っている」との自覚通り、渋いプレーで4-0の快勝を支え、試合後には野田監督から「守備で、しっかりと中央を埋めてくれた。ずっと本人に『守備がオマエのストロングなんだから』と言った通りに、彼の役割はしっかりと果たしてくれた」と及第点を貰った。

 今でこそ、堂々としたプレーでチームを引っ張る谷川だが、シーズンのスタートは、上手くいかないことだらけだった。新チーム立ち上げ当初は自らが志願し、キャプテンになったものの、ポゼッションが上手くできず、試合後に涙を流すこともあった。プレミアリーグWESTの開幕直前には、スタメンを外され、Bチームでのプレーも経験した。開幕後はスタメンで試合に出ていたが、キャプテンマークを巻いたのは、谷川ではなくMF佐藤昴(3年)。谷川は「新チームになった時は不貞腐れていたと思うし、チームが勝つために、自分が何をすべきか客観視できていなかった」と振り返る。

 転機となったのは後藤雄治コーチから渡された一冊の本だった。心理学者のアルフレッド・アドラーが提唱する「アドラー心理学」を基に、人間関係の悩みを解決し、“嫌われる勇気”を持ちながら自分らしく生きるための方法を紹介した『嫌われる勇気』(岸見一郎、 古賀史健著。ダイヤモンド社)だ。

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