初心者は手を出すなかれ…株で破産する多くの人の「引き金」となっている〈投資手法〉とは【3年9ヵ月で5,975万円稼いだ個人投資家が警告】<br />
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年3月23日 11時15分
(※写真はイメージです/PIXTA)
株式投資を行なう上で大切にしたいのは「リスクをできるだけ低く抑えること」。そのためには、「SNSの情報を鵜呑みにしたり、必要以上に欲を出してはいけない」と、20年の投資歴がある、個人投資家のテンバガー投資家X氏は言います。テンバガー投資家X氏の著作『トイレスマホで「無限10倍株」 3年9カ月で5975万円を稼いだ投資術』(KADOKAWA)より、無理のない株式投資を続けていくための心得について解説します。
SNSは「投資を決定するツール」であってはならない
SNSは投資をするうえでも効率的に情報収集できるツールなので、僕も便利に活用しています。参考になる手法や相場観を投稿する人も多いですし、自分だけでは見つけられないような銘柄や情報に出会えることもあります。特にX(旧ツイッター)はリアルタイム性も強く、うまく使いこなせばとても役立つツールだと思います。
ただ、SNSの情報は玉石混淆で、信頼できないどころか明らかな噓や違法スレスレ、詐欺まがいの情報や広告も横行しています。膨大な情報の中から信頼できる情報だけをピックアップするにはある程度の投資の経験と知識が必要なので、初心者が安易にSNSを情報源とするのは危険です。
恥ずかしい話ではありますが、僕自身がXで知った銘柄にかたっぱしから投資してみた時期があり、見事にほぼすべての銘柄で損失を出して終わりました。やはり、自分の頭で考えて良いと思った銘柄のほうがよほどいい成績を残せるし、失敗した場合でも納得感があると痛感しています。
信頼できないアカウントが発信する内容を鵜呑みにしてはいけないのは当然としても、中にはオンラインサロンやLINEなどの限定グループにフォロワーを誘導して課金させようとする個人投資家もいます。本当に投資で儲けている人なら、そんなことで小金を集める必要はないはずです。そもそも、お金を集めて推奨銘柄を教えるというのは、「投資助言・代理業登録」を受ける必要があり、そうでなければ違法です。
僕自身も自分の手法や購入した銘柄をXで公開してはいますが、それをそのままマネするようなことは絶対してほしくないと思っています。SNSはあくまで情報収集ツールのひとつであり、投資を決定するツールであってはならないのです。
リスクを低く抑えるために重要なことは?
身も蓋もないことを言ってしまうと、投資は元手となる資金が大きいほど効率よく増やすことができて有利です。資産家であればわざわざテンバガーを目指さなくても、年数%の利益を取るだけでお金はどんどん増えていくので高いリスクを冒す必要はなく、運用の難易度も低いです。
しかし、わずかな資金を1年で10倍にしたいと思えば、高いリスクを冒さなければなりません。リスクを冒しすぎれば、当然資金を失う可能性も高くなります。失敗して資金を失えば、元手資金がなくなるので再チャレンジもできなくなります。
リスクを低く抑えるために重要なことは、目標を高く置きすぎないことと、元手となる資金をある程度、用意することです。無理のない株式投資をするなら最低でも100万円の元手をつくったうえで、目指す利益も年間10~30%程度に抑えることで、リスクを冒しすぎない投資が実現します。テンバガーを目指す場合も、5年程度は時間をかける覚悟が必要です。
元手がないのであれば、まずは投資をするより資金を貯めることが先決です。株で10万円を100万円にするよりも、貯蓄で100万円を貯めてから株で1,000万円を目指すほうがはるかに難易度は低いのです。
また、初心者は信用取引もしないほうがいいでしょう。僕の投資法を参考にする場合も、十分な経験を積むまでは必ず現物株で行ってほしいと思います。レバレッジをかけて元手資金を上回る額の取引ができる信用取引は、少しの値動きでも損失がどんどん膨らんでいってしまい、資金以上の損失を被ることもあります。値動きに慣れていないうちに手を出すのは厳禁で、そんなことをすれば株式市場から一発退場させられることになります。
実際に株で破産する人の多くは、信用取引が引き金になっており、大きく分けて以下の2つのパターンがあります。
ひとつは、現物株を担保に信用2階建て、信用3階建てで取引するパターンです。たとえば100万円しか持っていない人がその100万円で現物株を買い、それを担保にして同じ銘柄を信用取引で200万円分買うことです。もし、株価が急激に下がると、追証といって追加の資金を求められます。それが用意できなければそのポジションは大きな損失が出た状態で強制決済されるため、口座の残高がゼロになるだけでは済まず、マイナスになってしまうこともあります。
そしてもうひとつが、上昇相場での空売り(信用売り)です。現物株は手元の資金で株を買うか、買った株を売るしかできませんが、信用取引では買っていない株を借りてきて売ることができ、その株が下落すればするほど利益になります。株価はゼロより下がることはないので信用買いの損失には上限がありますが、上昇には限界がないため空売りの損失は理論上無限大になってしまいます。
長期投資と短期売買を組み合わせる僕の投資法は、現物株投資だけでも可能です。少なくとも、現物株投資だけやっている分には株で破産するようなことはないので、必要以上に欲を出してはいけません。僕自身、信用取引を始めたのは投資歴が10年を超えてからで、それでもはじめのうちは損失を出しました。コンスタントに利益を出せるようになったのは、ここ5年ぐらいです。
信用取引を手がける場合は慎重に、必ず余裕資金の範囲で、株式投資にもある程度慣れてからにしてください。
テンバガー投資家 X
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