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“Xperiaの父”も加わり日本攻略に本腰のNothing スマホ/イヤフォンの両軸が強みになるワケ

ITmedia Mobile / 2024年4月20日 6時5分

 「大きなビジネスをしようとすると、FeliCaなどの要求仕様を満たしているかや、供給がどれだけでできるのか、一緒にどれだけマーケティングができるかという話になる。今はそれを作っているステージ。最初に足場を固めてからでないと失礼になってしまうので、むやみにこれを売ってとは言えない。(日本市場では)モトローラもXiaomiもかなりの気合いを入れているが、われわれはお客さまやコミュニティーと一緒になって育っていくブランド。今はあまり無理をするのではなく、しっかりお客さまやコミュニティーとブランドの核を作っていく時期」

●コミュニティーの力を開発に生かす、生成AI対応が次のステップか

 その反面、黒住氏は「通常のやり方だけにとらわれたくない」と語る。冒頭で挙げたように、KITH TOKYOやビームス、ユナイテッドアローズといったアパレルが中心のセレクトショップでNothingの製品を販売しているのは、その一環だ。デザインにこだわり、ライフスタイルを提案する製品だからこそ、既存のキャリアや家電量販店以外への広がりがある。

 また、Nothingはコミュニティーを生かし、日本語フォントを開発している。Nothing Phoneには「Ndot」というドットで構成された独自のシステムフォントが内蔵されているが、現状ではアルファベットしかない。英語のままだと特徴的な設定画面などのユーザーインタフェースが、日本語にすると一般的なAndroidとほとんど変わらなくなってしまうという問題があった。

 「フォントが日本語対応していないが、今、コミュニティーの方と一緒に作っている。どうやってシステムに入れるかは、サイズ感などを検証しなければならないが、原型はでき、いいものになりつつある。われわれとしても作りたいと思っていたが、フォントは難しい。日本の方の力を借りて、今後しっかりやっていきたい」

 黒住氏は、あくまで日本支社の代表的な立場のため、「今のポジションだと、そこまで深くデザインやプロジェクトをリードすることはできない」。とはいえ、「日本の声はしっかり伝えていきたい」と話す。Nothingでも、「日本の声は非常に強く、市場や文化、デザインへのこだわりにはリスペクトがある」(同)という。こうした日本のニーズをしっかりよく理解し、本社に伝えていくことも同氏の役割だという。

 現状、日本に研究や開発の拠点を設ける予定はないというが、「日本は最先端のテクノロジーに強いので、ここから学ぶことができる」(同)。ペイ氏も、「テクノロジーに関して期待値が高く、われわれでも気付かないところに指摘をいただけたり、意見を持っていたりする。この市場でブランドを確立し、ニーズに応えられれば企業として成長していける」と語る。Nothingの規模を拡大するにあたり、日本市場の果たす役割は大きい。

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