エルサレム首都移転、実現可能性に疑問 大野元裕参議院議員
Japan In-depth / 2018年1月9日 15時52分
「細川珠生のモーニングトーク」2017年12月22日放送
細川珠生(政治ジャーナリスト)
Japan In-depth編集部(駒ヶ嶺明日美)
【まとめ】
・エルサレム首都宣言は、トランプ氏の支持者向けの政策の一つを実行したにすぎない。
・セキュリティ面での問題もあり、実際に移転できるかどうかは不透明。
・パレスチナが自治権と警察権を持っているA地区にイスラエルが入り込んで衝突になると火を噴く可能性あり。
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米トランプ政権は12月5日、エルサレムをイスラエルの首都と認定し、米大使館をエルサレムに移転する方針を決めた。中東情勢の悪化が懸念されるなか、国連総会は21日に緊急特別総会を開き、米国に方針の撤回を求める決議案を採択した。この問題について、元防衛大臣政務官で民進党参議院議員の大野元裕氏をゲストに迎え、政治ジャーナリストの細川珠生氏が話を聞いた。
まず細川氏は「アメリカ国内では1995年からエルサレム大使館法で大使館を移転することは決まっていたが、これを延期する大統領署名を半年に一回繰り返してきたという経緯がある。なぜ今トランプ氏は大統領令に署名をする決断をしたのか。」と質問した。
大野氏は「アメリカはイスラエルに対して非常に親近感がある。特にトランプ大統領は自分が選挙で勝った州に対して、有権者受けのいい政策をとってきた。その一環ではないか。」と述べた。
一方でアメリカが20年以上に渡って法律の施行を延期してきたことについて、「議会もユダヤ票が気になるので、これまで法律は通ってきた。しかしエルサレムの地位を変更してはいけないというのが国際社会、安保理の一貫した対応で、今はエルサレムに大使館を置いている国はない。国際社会との波紋を避けるために、国内法はあっても履行しないというのが伝統的なアメリカの立場だった。」との見方を示した。
次に細川氏が「国際社会はこのアメリカの行動を許すのか、それとも許さずに行動するのか」と質問した。
大野氏は「安全保障理事会の常任理事国は拒否権を持っていて、アメリカは議決を阻止できる。また、最近開かれた緊急総会には拘束力がない。緊急総会で今回のエルサレムの地位に変更を及ぼすような政策が批判されたので、国際社会に意思は示したが、それを実行的に阻止するのは難しい。」と述べた。
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