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度を超す文政権の金正恩配慮

Japan In-depth / 2019年11月13日 10時53分

度を超す文政権の金正恩配慮


朴斗鎮(コリア研究所所長)


 


【まとめ】


・韓国政府、北朝鮮漁船員の亡命意思を無視し異例の速さで送還。


・北朝鮮船員の素早い追放に数々の疑惑。


・文政権の「法を無視した北朝鮮ご機嫌伺い」に批判集まる。


 


 


韓国の文在寅政権は11月7日、朝鮮半島東側の南北軍事境界線にあたる北方限界線(NLL)を越えて韓国海域に入り、11月2日に韓国軍当局に拿捕(だほ)された北朝鮮漁船の住民2人を異例の速さで7日午後に板門店で北朝鮮側に引き渡したと発表した。韓国政府が北朝鮮住民を追放したのは今回が初めてだ。


・北朝鮮漁船員追放に関する韓国政府の発表


 


 この事件に対して韓国統一部の李相旻(イ・サンミン)報道官は7日の会見で、「(韓国政府の)合同調査の結果、2人は20代の男性で、操業中のイカ釣り漁船で乗組員16人を殺害して逃走したことが確認された」と明らかにした。


 


その上で、殺人などの重大な非政治的犯罪は保護の対象にならず、韓国国民の生命と安全に脅威を与えるほか、凶悪犯罪者は国際法上の難民として認められないことから政府内で協議して追放を決めたと説明した。


 


 金錬鉄(キム・ヨンチョル)統一部長官の国会外交統一委員会での説明によると、2人は8月中旬に北朝鮮東部の金策港を出航した船に乗ってロシア海域などでイカ漁をしていたが、暴力を振るう船長を3人で共謀して殺害。犯行を隠蔽(いんぺい)するため漁船の乗組員15人も殺害した。北部の慈江道に逃走するため、金策港付近に移動したが共犯の1人が逮捕され、再び逃走した。韓国に入る過程で海軍に発見され2日間逃走。警告射撃を受けながらも逃走を試みたという。韓国政府は、2人が乗っていた船舶も8日に北方限界線上で北朝鮮側に引き渡された(聯合ニュース2019・11・7 )。


 


ところが統一部発表後の10日になって、北朝鮮漁船の住民2人は北朝鮮に送還されることを知らなかったことが分かった。彼らが北朝鮮に追放されることを知れば自害など突発行動をする恐れがあるため、目的地を告げず、警察特攻隊が車を護衛したという。北朝鮮船員の抵抗に備えて猿ぐつわも準備したとされる。


 


追放は主犯のオ氏が先に軍事境界線で北朝鮮側に引き渡され、控え室で待機していたキム氏(23)が続いて引き渡された。目隠しを取ったオ氏は境界線の向こう側に3人の北朝鮮軍兵士が立っているのを見て、その場に座り込んだという。続けて出てきたキム氏は、北朝鮮軍兵士を見て愕然とし、軍事境界線を越えたという(東亜日報2019・11・11)。


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