異国で生きる孤独 ~イラン人がん患者、シャハワンさんと出会って~
Japan In-depth / 2019年12月2日 23時0分
Japan In-depth編集部(米田太華志、石田桃子)
【まとめ】
・サヘルさんが、イラク北部の難民キャンプとJIM-NET施設を訪問した経験を話す。
・戦争で家を追われ、将来に希望が見えない人々の生活を目にする。
・被支援者の利益になる支援、地域への違う角度での理解を訴える。
11月24日、日本イラク医療支援ネットワーク”JIM-NET”が女優のサヘル・ローズさんとの共催イベントを都内で開催した。今回シリアの難民キャンプやイラクJIM-NETの施設などを見学した経験について、サヘルさんが思いを語った。
JIM-NETは、2003年のイラク戦争後、イラク国内に増加した小児がん・白血病患者や難民への効率的、長期的な支援目的に、2004年6月に設立された。主な活動内容は、がんの治療によって学校に通えなくなってしまう子供たちのサポート、また市民にがんをより詳しく知ってもらうための衛生教育、さらには患者の家族が看病に専念するための宿泊施設の提供などだ。これらの施設・活動の提供のために、日本では患者本人たちの書いた絵が絵が缶の表面にデザインされたチョコを売る、通称”チョコ募金”やクラウドファンディングなどを行い募金を募っている。
▲写真 JIM-NETの紹介をする斎藤さん ©Japan In-depth編集部
そんなJIM-NETと、イラン出身のサヘルさんが出会ったのは2018年12月に行われたチョコ募金のイベントがきっかけだという。イベント参加の際、JIM-NET海外事業担当の斎藤亮平さんに「イラクに行ってみたい」と話したことから、今回の旅が始まったという。
サヘルさんは幼少期に起こったイラン-イラク戦争で、小さくして両親を無くし、孤児院で生活した経歴を持つ。「育ての母親は私が小さい頃から、イラクという国を決して恨んではいけないと教えて来た。」と話すサヘルさん。敵・見方どちらのサイドに立っていても、皆同じように戦争に苦しめられ心に傷を負う事実には変わりがない。義母に連れられてきた日本での長きに渡る生活の後も、ずっと「自らの目で、イラクという国を見てみたい」という気持ちを胸に秘めていたという。
一方で自らの身分によって、今回肩身の狭い思いがあったことも話す。ヨルダンでシリアから逃れた方々がいらっしゃる母子センターを訪れた時には、イラン人というバックグラウンドを周りに受け入れてもらえず、イラン人であることを話すことなく贈り物を届けたという。また渡航の同時期に、イラクのバクダッドではシーア派や親イラン派の団体に対する大規模なデモが起こっており、イラン人としては危険と隣り合わせた思いであったとサヘルさんは振り返る。
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