「『相手の元を絶つ』装備が必要」小野寺五典衆議院議員
Japan In-depth / 2020年7月11日 11時42分
細川珠生(政治ジャーナリスト)
「細川珠生モーニングトーク」2020年6月27日放送
Japan In-depth 編集部(石田桃子)
【まとめ】
・イージス・アショア配備計画停止、防衛省は地元に対し不誠実。
・「24時間365日対応」の防衛装備、「相手の元を絶つ」装備が必要。
・「相手の元を絶つ」能力保持について、まず与党で議論を詰め、政府を後押しする。
今回のテーマは、日本の安全保障体制。衆議院議員の小野寺五典氏(元防衛大臣、現自民党安全保障調査会会長)をゲストに迎え、政治ジャーナリストの細川珠生が話を聞いた。
■ イージス・アショア配備計画の停止
細川氏はまず、新型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」配備計画の停止に関する河野太郎防衛大臣の発表をとりあげ、小野寺氏の考えを聞いた。
河野防衛大臣は今月15日、ブースターの落下位置を制御することが困難との問題を明らかにし、計画停止を表明した。迎撃ミサイルは、発射時に推進補助装置「ブースター」を切り離す。防衛省は配備候補地に対して、ブースターが演習場内部に安全に落下するよう制御すると説明していた。しかし、約束を実現することが困難だと明らかになり、配備計画の停止を決定した。
小野寺氏はイージス・アショア配備計画の停止について「ぜひ必要な装備だと思っていた」「大変残念だ」と述べた。その理由として、イージス・システムが最も先進的なミサイル迎撃システムであること、イージス・アショアがイージス艦の欠点を補うことを挙げた。イージス艦の欠点とは、あらゆる安全保障問題に24時間365日対応することが、大隻数の導入や修理・補給の必要から困難であることだ。小野寺氏は、「どういう形で24時間365日対応するかという代替案を政府はしっかり出してほしいとお願いしている」と述べた。
小野寺氏はさらに、「今回の説明の仕方は防衛省として大変不誠実だと思う」と述べた。「自分たちが今まで地元に説明した仕方が不誠実だったということをすり替えて、あたかも装備自体に不具合があるようなことを言って説明している」と述べ、防衛省の対応を批判した。小野寺氏は、日米で共同開発したイージス・システムに対する不信が日米同盟に影響することや、日本国民がイージス・アショアを用いた現在の安全保障政策に不安感を抱くことに懸念を示した。
■ 安全保障政策の見直し
政府は、「国家安全保障戦略」の改定など安全保障政策の見直しを検討している。「国家安全保障戦略」は外交・防衛政策など国家安全保障の基本方針を定めたもので、2013年に策定された。小野寺氏は防衛大臣として携わった。策定から約10年後の評価・改定を想定していたが、その時期を早めることになる。細川氏は、イージス・アショア配備計画停止に始まる議論について、小野寺氏に見通しを聞いた。
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