【海外発!Breaking News】ジェームス・バルガー君事件を遺族に無断で映画化 監督に批判の声相次ぐ(英)<動画あり>
TechinsightJapan / 2019年1月8日 6時0分
尊い命が奪われる犯罪事件に巻き込まれた被害者遺族の心の傷は、どれだけ年月が経とうとも癒えることはない。事件の風化を恐れる一方で、メディアに晒されれば記憶が蘇り、遺族らの苦悩は続く。実在した事件が映画化されることもあるが、その背景にはやはり常に苦しむ被害者遺族の姿があることを忘れてはならないだろう。このほどイギリスで、過去に起こった壮絶な児童虐待殺人事件をもとにした映画が制作されたが、この作品の指揮を執った監督が事前に被害者遺族に連絡を取っていなかったことが判明し、世間から批判の声が相次いでいる。『Mirror』『Metro』などが伝えた。
1993年2月12日にマージーサイド州ブートルで起こった少年2人によるジェイムズ・バルジャー君(日本では「ジェームス・バルガー事件」として表記される)殺害事件は全英を震撼とさせ、事件から26年近く経った現在でも「最も凶悪な事件」のひとつとして人々の記憶から消えることはない。
当時2歳だったジェイムズ君は、母親デニース・ファーガスさんと買い物に来ていたショッピングセンターの肉屋の外で母を待っているほんの数秒の間に、学校を無断欠席していたジョン・ヴェナブレスとロバート・トンプソンの2人に連れ去られた。その後、2人はジェイムズ君に激しい暴行を加えそのまま線路に放置。ジェイムズ君の遺体は、行方不明になってから2日後に身体が切断された状態で発見された。この残虐な事件の犯人2人が、まだ10歳の少年であったことに世間は大きなショックを受け、多くのメディアが少年らを「悪魔」と報じた。2人は2001年に18歳で釈放されたが、その後もジョン・ヴェナブレスは薬物所持や児童ポルノ写真所持で再逮捕を繰り返し、刑務所を出たり入ったりしている。
ジェイムズ君の両親は、メディアで事件のことが報じられるたびに胸に抱える苦悩を口にした。新しい身分が与えられ、法と社会が新たな生活を送ることを加害者2人に許しても、被害者遺族としては可愛い盛りの子供を奪った2人を許すことなどできないのだ。昨年、民放局で報道された事件についてのドキュメンタリー番組を見たデニースさんは、その内容を不快に感じ嫌悪するコメントを残していた。そしてこのほど、新たに被害者遺族を傷つける出来事が起こった。
アイルランド人の映画監督ヴィンセント・ラム氏(37歳)により、この事件がショートフィルム化された。『Detainment(勾留)』とタイトルが付けられたこの30分の作品は、マージーサイド州警察によりジョン・ヴェナブレスとロバート・トンプソンが取り調べを受けているシーンを再現したもので、現在この作品は第91回アカデミー賞短編映画賞の最終選考に進むショートリスト10作品の1つに選ばれている。しかし、ラム氏は作品を撮る前に被害者遺族に連絡していなかったことを、民放局ITVの『Good Morning Britain』で認めた。
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