2023年の実質GDPは4.5%の成長(トルコ)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年3月5日 0時40分
トルコ統計機構(TUIK)の発表(2月29日付)によると、2023年第4四半期(10~12月)の実質GDP成長率は、市場予測を上回る前年同期比4.0%だった。季節・日数調整後の成長率(前期比、年率換算)では1.0%と、前期(0.3%)から加速した。これにより、2023年通年の実質GDPは前年比4.5%の成長となり、政府目標の4.4%をわずかに上回った。
第4四半期の成長率を支出項目別にみると、GDPの最大項目の家計最終消費支出は、耐久消費財を中心に成長の牽引力となったが、前年同期比では9.3%に、政府支出は1.7%となった。民間投資を含む総固定資本形成は前年同期比10.7%と好調だった。輸出は、主要市場の減速を要因として、前年同期比0.2%増だったが、輸入も、2.7%増と減速しており、純輸出のマイナス寄与は改善を見せている。
生産部門別にみると、トルコ南部での2023年2月の震災からの復興もあり、建設が前年同期比で10.8%増と最大の伸びを見せた。次いで金融・保険業が7.4%増だった。製造業は前期に5.9%増と増勢に転じていたが、第4四半期は1.8%増と減速した。サービスも3.0%増と減速が続いた。
2023年の名目GDPは、前年の9,058億ドルから、初めて1兆ドルを超える1兆1,186億ドルに増加した。1人当たりGDPも1万3,110ドルとなり、政府目標を上回った(2024年2月29日付「エコノミム」)。
2023年通年の実質GDP成長率(4.5%)は個人消費(12.8%)が牽引した。同様に、設備投資も12.9%増と好調だった。外需は、上半期に減速した輸出が下半期にプラスに転じたものの、輸入の伸び(11.7%)が輸出(2.7%減)を大きく上回ったことで、純輸出の寄与度はマイナスとなった。生産部門別では、金融・保険業が9.0%、建設が7.8%、サービスが6.4%と成長を牽引した。
メフメット・シムシェキ国庫・財務相は「2023年の成長の3分の1は、生産能力を高める機械・設備への投資によるものだ」とX(旧ツイッター)での投稿でコメントし(2024年2月29日付「デイリー・サバフ」)、第3四半期(7~9月)に見られた成長のリバランスは第4四半期も継続していると強調した。一方、経済界では、トルコ中央銀行の引き締め政策にもかかわらず、個人消費を牽引力とする経済活動は予測どおりの減速には至っておらず、経済のリバランスは遅れているとの見解も示されている(2024年2月29日付「BBVAリサーチ」)。ムーディーズは、2024年のトルコ経済を2.5%、2025年を3.0%の成長と予想している(2024年3月1日付「エコノミム」)。
(中島敏博)
(トルコ)
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