カナダ中銀、政策金利を5.0%に据え置き、5会合連続(カナダ)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年3月8日 10時15分
カナダ中央銀行は3月6日、政策金利を5.0%に据え置くことを発表した。据え置きは2023年9、10、12月、2024年1月の発表(2023年9月7日記事、2023年10月26日記事、2023年12月7日記事、2024年1月25日記事参照)に続いて5会合連続。中銀は「量的引き締め政策は引き続き継続する」としている。
声明では、カナダ経済について、2023年第4四半期(10~12月)の実質GDP成長率が前期比年率1.0%(2024年3月4日記事参照)だったことを踏まえ、金利上昇が消費を抑制して消費拡大の水準は低く、企業による投資も大幅に縮小するなど、経済成長が停滞していることで、全体として経済は緩やかな供給超過の状態にあるとした。
消費者物価指数(CPI)上昇率は1月に前年同期比2.9%上昇したが(2024年2月27日記事参照)、最大の原因は住宅関連費用と指摘した。今後のCPI上昇率については、コアインフレ指標がここ数カ月3~3.5%で推移しているものの、根底にあるインフレ圧力は持続していることから、「2024年半ばまでは平均約3%で推移し、その後徐々に緩和する」と予想した。
今後の政策金利については「依然としてインフレ基調の持続を懸念している」とし、「コアインフレ指標のさらなる緩和の持続を望んでおり、需要と供給のバランス、インフレ期待、賃金の伸び、企業の価格設定に引き続き注目している」と言及した。
発表を受けて同日、モントリオール銀行(BMO)のマネジングディレクターのベンジャミン・レイツ氏は「インフレは順調に進展しているが、コアインフレ指標は依然として3%を超えるペースで上昇しており、中銀は依然として上昇のリスクを懸念している。当行としては、引き続き6月からの利下げ開始を予想しており、今回の声明でもその見方を変えるものではない」として、6月に中銀が新型コロナウイルス禍以降で最初の利下げを実施するとの予想を維持した(BMOエコノミックファクツ3月6日)。
次回の政策金利発表は4月10日に予定されている。
(斎藤健史)
(カナダ)
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