【漫画】きっかけは授業中に渡したメモ 隣の男子の“恋愛相談”がもどかしい展開に！

■アドバイスする女子と、頑張る男子の青春ラブコメ

　授業中、友達から恋愛相談の手紙を渡された一ノ瀬シノブ。「好きな人ってこのクラス？」と書いた手紙を友達の席に投げたところ、誤って隣の席の虎尾くんに当たってしまいました。手紙を見た虎尾くんは、「そうです」と書いたメモをシノブに見せ……。

　藤田サヤカさん（@syk0kys）による創作マンガ『虎尾くんの恋愛相談』がTwitterで公開されました。本作は小学館主催「新世代サンデー賞」にて奨励賞を受賞した作品です。隣の席の男女のもどかしいやりとりに、読者から「かわいすぎる」「若いっていいなあ」「甘酸っぱい」「キュンキュンした」「恋が実ってほしい」などの声があがりました。

　作者の藤田サヤカさんに、お話を聞きました。

ーー藤田サヤカさんがマンガを描き始めたきっかけを教えて下さい。

　学生の頃、趣味でマンガやイラストは描いていたんですが、就職と同時に私生活がガラッと変わり、作品を作ることが難しい期間が長かったんです。作りたいけど作ることができない。そんなモヤモヤを抱えて数年がたち、ようやく生活も落ち着いてきて、ふと考える時間ができた時に、「また何か没頭できるような、そんな作品を作りたいな」という欲が徐々に強くなってきまして……。それで2020年の年明けくらいから、本格的に自分の作品といえるマンガを描いてみたいと思ったのがきっかけです。

ーー『虎尾くんの恋愛相談』のお話はどのようにして生まれましたか？

　まずラブコメを描きたいと思って、それらしいモチーフは何かな？　と考えた時に、ラブレターを渡したり恋愛相談したりするお話が分かりやすくていいなと最初に思いました。授業中にコッソリふたりで恋愛相談のやりとりをしたらかわいく楽しく描けそうだなと思って、授業中のふたりをメインにネームを作り始めました。

「応援してます」と言われた虎尾くんは…（藤田サヤカさん提供）

ーー虎尾くんと一ノ瀬さんのやりとりをメインにお話が進んでいきますが、ふたりのキャラクター作りやストーリー構成で工夫なさった点、心がけた点などはありますか？

　間違えて渡してしまったとはいえ、話したこともない虎尾くんから手紙の返事をもらって、しっかり相談に乗ってしまう一ノ瀬さんの真面目なところと、虎尾くんがこんなに攻めてるのに全く気付かない鈍感さがコミカルでかわいいなぁと思いながら描いていました。

　虎尾くんが一ノ瀬さんのことが好き、という事実は早い段階で読者の方に気付いてほしかったので、導入でどう見せるかはすごく悩んだところです。読者さんは気付いているけど一ノ瀬さんだけ気付いていない、そんな状態でお話が進んだらきっと楽しく読めそうだなぁと思って構成を考えていました。
　
　また、授業中に手紙メインでお話が進んでいくので、できるだけ静かに、でも内心はドキドキ……という空気感はすごく大事にしました。一ノ瀬さんはちゃんと用意したメモ帳を使っていて、虎尾くんはメモなんて持ってないのでノートの切れ端を使うことで、メモだけでもどっちのキャラクターか分かるようにもしています。

ーー作品に対する反応で、特に印象に残った読者の声について、教えて下さい。

「このふたりを同じクラスのモブになって見ていたい」という方や、「続きが読みたい」と言ってくださる方も多くいらっしゃって、あとは各コマの構図や演出を細かく見てくださる方もいて（瞳に映る虎尾くんや、描き文字など）、驚いたのと同時にたくさんの方に読んでいただけたことがすごくうれしかったです！

ーー今後、Twitterで発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか？

　主に読み切りメインで作品を作っているので、また新しいものができたら時期を見て発表していきたいなと思ってます。読んだ方がドキドキしたり楽しいと思ってもらえるような、そんな作品を目指して作っていきたいと思ってます！

（マグミクス編集部）