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【はしか】感染力は『コロナとは桁違い』さらにマスクやソーシャルディスタンスでは防げない?世代別でワクチンの接種回数も違う?症状や対応も専門家が解説

MBSニュース / 2024年3月12日 16時38分

 ヨーロッパを中心に、世界的に流行している「はしか」。関西での報告が相次いでいます。 感染症の専門家である関西福祉大学の勝田吉彰教授は、はしかの感染力は「コロナとは桁が違い3倍以上、インフルと比べると10倍。多少ソーシャルディスタンスをやっても防ぐのは難しい」とした上で、「はしかにかかると免疫が落ちて、中耳炎・肺炎・脳炎といった合併症の危険がある」と解説。唯一の予防方法はワクチン接種だとして、その重要性についても話しています。◎勝田吉彰:関西福祉大学・教授 医師でもあり感染症などの公衆衛生に詳しい SARS流行時には北京で日本大使館医務官を務めた(2024年3月12日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)

――はしかに感染した20代女性の移動経路を行政が公開しました。3月7日午後0時50分から午後1時10分ごろ、大阪メトロ御堂筋線・中津駅から新大阪駅まで移動。午後1時45分から午後4時8分の間、東海道新幹線に乗って品川まで移動したということです。

――なぜ、具体的な移動経路が公開されたのか。実は、はしか(麻しん)の感染力が非常に強く、免疫がない集団に1人発症者がいた場合、12人~18人に感染すると。インフルエンザは1人~2人の感染ですから、はしかの感染力は圧倒的に強いといえます。

(関西福祉大学・勝田吉彰教授)非常に感染しやすいです。私達が付き合ってきたコロナに比べて3倍以上。コロナが始まる前、感染症の報道って言ったらほとんど「はしか」でした。例えば空港のカウンター越しで接客した人に罹ったとか、観光客から広がったとか、ご記憶の方もあるかと思うんですけれども、まさにコロナの3倍、インフルエンザの10倍の感染力があります。空気感染・飛沫感染・接触感染・屋内屋外関係なく、多少ソーシャルディスタンスとっても防ぐのは難しい。症状が出たときは、必ず申告してほしいです。

主な症状「発熱・発疹・口内のブツブツ」

――はしかの主な症状は「発熱」下がってまた上がる。「発疹」全身に発疹が広がったりします。「コプリック斑」口の中のブツブツができて7日から10日程度で回復することが多いといいます。

(関西福祉大学・勝田吉彰教授)発熱は、完全に解熱まではせず、37度ぐらいでちょっと治まったなと思ったら、また熱が出て、そのときブワッと発疹が出るんです。コプリック斑は、素人判断しないで、「何か口の中にブツブツがあります」などと、はっきり申告してほしいと思います。少し抗体があるが弱まっている人がかかる「修飾麻しん」というものもあるんだけれども、それでなく典型的な麻しん(はしか)の話ですが、基本的にこういう症状だと理解してください。

――症状がある人は直接病院に行かないで必ず電話をしてから行ってくださいということですね。

(関西福祉大学・勝田吉彰教授)感染力が強くて、みんなに感染してしまうことが、コロナよりも可能性がありますので、受診していただく前に電話。あるいは保健所に相談していただくということをお願いしたいと思います。

 罹ってしまうと、その後1か月ぐらい免疫が落ちてしまって、合併症の中耳炎とか、脳炎とか肺炎もありますので、やはり予防としてワクチンも考慮していただきたいと思います。

生まれ年とワクチン接種回数 めやすは?

――ワクチン接種は世代によって違います。ワクチン接種回数と年齢の目安は、このようになります。

●1972年9月30日以前の生まれの方、51歳以上の人は定期接種はなかったということなので、受けてない方が多いのではないかと。中には任意で受けてらっしゃる方もいるかもしれません。

●1972年10月1日以降の生まれ、23歳から51歳の方は、おそらく1回接種してるが多いと思われます。

●2000年4月2日以降の生まれ、23歳以下の人はすでに2回接種している人が多いということです。2022年の定期接種対象者のうち、2回接種した人の割合は92.4%ですから、若い方は大体が2回接種をしているということです。

(関西福祉大学・勝田吉彰教授)集団免疫を獲得するには95%の人に抗体が必要で、現状では十分ではないと思います。欧米など国によって80%を切る状況のところもあり、そうすると毎日のように「アメリカの何州で感染」といったニュースが出ています。

「国内にはしかがありません」というのを排除状態と言って、WHOが認定します。日本はもちろんその認定を受けているんですが、この状態が維持できるためには95%が必要であるということなんです。日本の中でどんどん拡大してしまえば、今度は「排除状態」が取り消されるおそれも。南米など、医療崩壊していたところで広がって、認定が取り消された前例もありますので、私達はしっかりと警戒して情報収集していかないといけない。

「ひょっとするとこれからワクチン不足が起こるかもしれない」

――ワクチンを打っていない人は、任意接種できる病院があり、1回数千円~1万円程度ということです。

(関西福祉大学・勝田吉彰教授)ひょっとするとこれからワクチン不足が起こるかもしれない。一部のワクチンの会社でちょっと生産滞っているという情報もあります。今のところ厚労省に聞くと「足りてます」と返事が返ってくるけれども、やはり今後はちょっとよくわからない。ずっと潤沢にあるかどうかわからない。

――打ったかどうかもわからないという人は、「はしかの抗体検査」をできる病院もあり、数千円で検査ができるそうです。こちらも参考にしていただきたいと思います。

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