「独立から起業へ」飛躍するために必要なこと
ニューズウィーク日本版 / 2016年2月29日 11時11分
スマートフォンの普及によって、だれもが場所と時間を問わずインターネットに接続できる環境が実現し、ビジネスのインフラに本質的な変化が訪れようとしている。
本誌ウェブコラム「経済ニュースの文脈を読む」でお馴染みの評論家であり、『これからのお金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)を上梓した加谷珪一氏によれば、それにより「10年後には、すべてのビジネスパーソンが『起業家』になっているかもしれない」。
これから日本に増えてくるであろう起業家たちにとって、一種のロールモデルになるかもしれない2人の若い起業家と、自身も若くして起業したコンサルタントであるソーシャル・デザイン代表理事の長沼博之氏に集まってもらい、座談会を行った。
ふたりの起業家は、オリジナル家電・家具のメーカーであるUPQ(アップ・キュー)の中澤優子氏と、オーダーメイドのスーツやシャツなどを販売するECサイト「LaFabric(ラファブリック)」を運営するライフスタイルデザインの森雄一郎氏である。長沼氏を含め、3人とも80年代生まれだ。
【参考記事】起業家育成のカリスマに学ぶ成功の極意
加谷氏をモデレーターとして実施した座談会「これからの日本の起業家たち」を、前後編の2回に分けて掲載する。
※座談会・前編:日本にもスタートアップの時代がやって来る
◇ ◇ ◇
加谷 ところで、森さんは学生起業家ですが、どういう経緯で、自分でビジネスをやろうと思ったんでしょう?
森 僕は4年制の国立大学を出たんですが、就職活動をしなかったんです。というより、そういう意識がなかった。いま考えると、それが良かったのかどうか......って感じもしますが(笑)。
もともとアパレルが好きだったんで、大学時代からブログメディアを始めていて、自分でファッション情報を発信していました。かなりのPV(ページビュー)を稼いでいて、ニューヨークやパリにも取材に行ったりするくらいでした。
そうやって実際にファッション業界に足を突っ込んでみて、やっぱりこの業界が面白いと思って、東京にあるファッション企画会社に入りました。でも、2年間は給料ゼロでした。アルバイトもしながら働いて、そのときにアパレルの「中間流通の多さ」という課題を知ったんです。
それを解決したいと思ったときに、友達がITの会社をやっていて、その世界は若くして活躍できることを知りました。それで、アパレルとITを融合して、なおかつ社会性とか公益性がある事業はなにかと考えて、このビジネスにたどり着いたわけです。会社設立が2012年で、サービスを開始したのは2014年です。
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