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『日本国紀』は歴史修正主義か? トランプ現象にも通じる本音の乱――特集・百田尚樹現象(3)

ニューズウィーク日本版 / 2019年6月27日 17時0分

今回、タッグを組んだ編集者はニューヨーク支局でトランプ誕生の瞬間を目撃している。東海岸と西海岸の都市部に主な拠点を置くリベラルメディアは、トランプを暴言王、差別主義者と批判し、大統領に当選するはずがないと高をくくっていた。ところが、両岸に挟まれた「真ん中のアメリカ」は、「本音をぶちまけ、憤りを代弁する」スタイルのトランプに票を入れた。

数の上では少数派であるリベラルエリートたちは、彼らの怒りの根深さと、その広がりを捉え切れていなかった。日本でも同じことが起きているのではないか。リベラルが「百田尚樹」を声高に批判しているその裏で、「ごく普通の人たちの憤り」が水面下で根を張りつつある──。

私たちは、まずは知ろうとするところから始め、取材を通して現実の可視化を試みた。「敵」か「味方」かが第一に問われるようになるとき、分断は加速する。二極化の先にあるのは、先鋭化した怒りのぶつけ合いだ。問題は残り続ける。

不都合な現実から目を背けてはいけないのだ。

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【百田尚樹現象】「ごく普通の人」がキーワードになる理由――特集記事の筆者が批判に反論する
ニューズウィーク日本版はなぜ、「百田尚樹現象」を特集したのか

※百田尚樹氏の3時間半にわたる独占インタビュー『僕は右派と左派の真ん中』は、本誌のみに掲載


※6月4日号(5月28日発売)は「百田尚樹現象」特集。「モンスター」はなぜ愛され、なぜ憎まれるのか。『永遠の0』『海賊とよばれた男』『殉愛』『日本国紀』――。ツイッターで炎上を繰り返す「右派の星」であるベストセラー作家の素顔に、ノンフィクションライターの石戸 諭が迫る。百田尚樹・見城 徹(幻冬舎社長)両氏の独占インタビューも。



石戸諭(ノンフィクションライター)


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