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「宇宙支配」を狙う中国の「静かなる第一歩」がチリで始動、大量の「ミニ中国」を南米に作る真の目的は?

ニューズウィーク日本版 / 2025年1月10日 13時33分

「アメリカもその同盟国も宇宙開発の拠点を世界各地に築いている」と、コーネル大学の航空宇宙学の助教グレゴリー・ファルコは話す。「ただしアメリカは中国と違って、自国の活動を科学のベールで隠し、ホスト国の目を欺いたりはしない」

経済的な対中依存を深める中南米諸国にとって、中国と共同で進める宇宙開発事業は魅力的に映る。チリの輸出の約40%は中国向けだ。しかもチリの送電網の約60%を中国資本が握っている。

南米における中国の影響力拡大を示すもう1つの事例を挙げれば、最近習国家主席を迎えて大々的に開港式が行われたペルーのチャンカイ港がある。この港を所有し、運営するのは中国国有の海運会社・中国遠洋海運集団だ。

チリ政府は親米路線を維持しつつ、中国と自由貿易協定を結び、米中のはざまで微妙なバランスを保とうとしていると、チリ・カトリック大学のフランシスコ・ウルディネス准教授は言う。「2つの超大国に依存するチリの立ち位置は非常に危うい」

昨年8月、UCNはまたもや中国軍のために研究を行う機関である中国国家航天局(CNSA)の深宇宙研究部門と契約を結んだ。アルゼンチンの深宇宙基地と同様、こちらも軍事目的を疑わせる契約内容で、米軍は事業の進展を注視している。

問題は「ホスト国がデータの共有を求めても、中国は拒否するか、ごくわずかしか提供しない」ことだと、米南方軍の報道官は言う。

外国に築いた拠点を「データを盗むか、破壊するために利用し、西半球で不当に影響力を広げる」中国。その動きには十分な警戒が必要だ。

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