カニバリズム(食人)について語らないか? 「人間が人間を食べたくなる理由」まとめてみた
ニコニコニュース / 2017年7月24日 11時0分
サブカル評論家のDr.マクガイヤーさんが、世間のオタクトピックを語りまくる番組『ニコ生マクガイヤーゼミ』。今回紹介する特集は、ズバリ「食人」です。
一口に食人と言えど、宗教、薬用、食材など様々なパターンが存在します。書籍編集者のしまさんさんもアシスタントとして話題に加わり、真面目に食人を語りました。
すべての写真付きでニュースを読む
そもそもカニバリズムってなに?
マクガイヤー:
そもそもカニバリズムとは何か、というところからいきますか。
しまさん:
お願いします。
マクガイヤー:
まず、このカンニバルの語源なんですけど、これはもともとカリブ族のカリブから取ってきてるんですよね。
しまさん:
そうなんだ!
マクガイヤー:
そうなんですよ。もともと土人は野蛮みたいなところからきてるんですよ。
しまさん:
その時点で、ちょっとヤバい。
マクガイヤー:
カリブ、カニブ、カンニバルとなってるんです。
マクガイヤー:
もともと西洋の人には、「カリブに住んでいる人というのは、人とか食うくらい野蛮なんだぜ」っていう話になっているんです。
しまさん:
酷い話だ。
マクガイヤー:
カリブインディアンはカンニバルみたいな感じですね。
しまさん:
そういうことだったんですね。
マクガイヤー:
だから言葉が生まれた時点で、差別主義があるんですよ。 あともうひとつは、このキリスト教文化圏において、食人というのは最大のタブーなんですよね。
しまさん:
なるほど。
マクガイヤー:
これは有名なゴヤの『我が子を食らうサトゥルヌス』という絵です。貧困とか戦争になると、自分の子供を食べちゃう、人間が獣に戻るって最大のタブーも犯してしまうから怖い! みたいな価値観がキリスト教にはあるんですけど、キリスト教が伝わる以前はどうだったのかと思うわけですね。
しまさん:
自分と同じ種族や子供を食べるというのは、宗教以前の問題じゃないのかな。
マクガイヤー:
そうですね。宗教以前の問題でも、自分の子供を食べるというのはお母さんが泣いちゃいますよね。
しまさん:
そうよ。生き物として。
マクガイヤー:
でも、ギリギリの選択を迫られることはあったんじゃないですか。特に農耕牧畜が始まる前は、基本的に人間は飢餓と隣り合わせの生活を送っていたはずなので、子供を残すか、親が生きるかみたいな時に、じゃあちょっと涙を呑んで子供を食べるみたいな時もあったかもしれない。
しまさん:
めちゃめちゃ遡っていったらね。
マクガイヤー:
今はそういう話は最大のタブーになっているわけですよ。今は映画とか小説とかをみると、キリスト教伝来以降、食人をテーマにした作品ってそれなりの数があるじゃないですか。
しまさん:
そうね。
マクガイヤー:
「食人」という最大のタブーに挑戦したい! っていうクリエイターの欲望みたいなものが、ちょっとあると思うんですよね。
しまさん:
考えてみたい、表現してみたいという。
マクガイヤー:
山があるなら登りたい! みたいな。道がなければ作ればいいじゃんみたいな。
しまさん:
なるほど。
マクガイヤー:
あと、もうひとつの理由としては、人間は食物連鎖の頂点だというのがありますね。食物連鎖の頂点にいる人間が食われるという恐怖を作品化したいというのがあるわけですよ。このふたつが、食人をテーマにした映画がそれなりに数ある原因、理由だと思うんです。
マクガイヤー:
あと、映画を見ていてちょっとワクワクするのは、その気になれば食人は自分でもできるということなんですよ。わかります?
しまさん:
あえて、今回はユーモアとして受け止めておきます。
マクガイヤー:
例えばアメコミ映画とかをみると、俺たちはスーパーマンみたいに空とか飛べないじゃん。キャプテンアメリカみたいに、スーパー血清を打たれて、パラシュートなしでスカイダイビングするとか無理じゃないですか。でも食人は、根性さえあればできるわけです。
しまさん:
ちょっと小腹が空いたな、そんな時。
マクガイヤー:
だから、その気になれば自分にもできるというか、自分もそういう状態に陥っちゃうんじゃないか、みたいなドキドキ感、ワクワク感。 そういうわけで、カニバリズムは、古来より人間と深い関係があった。
しまさん:
なるほど。
次のページ »遺跡から発見される食人の痕跡
この記事に関連するニュース
-
【インタビュー】田中泯、俳優業は「全て偶然」 世界配信「フクロウと呼ばれた男」では、暗躍する大物フィクサー役
映画.com / 2024年4月25日 14時0分
-
小泉今日子×福岡伸一「"アイドル"と動的平衡」 どんどん壊して、新しくつくり変えていく
東洋経済オンライン / 2024年4月15日 13時0分
-
漫画家・冬野梅子さん「ゴールに辿り着けるわけではないけれど、迷路の中にいることを気付かせてくれる漫画が好き」 | TVプロデューサー小山テリハの漫画交感 #2
Hanako.tokyo / 2024年4月8日 18時0分
-
ジュリア・ホルターが語る官能的サウンドの裏側、『ポニョ』から学んだ愛と変容の旅路
Rolling Stone Japan / 2024年4月4日 17時15分
-
AIで「本当に"働かなくていい時代"」がやって来る 「AIで今後どうなる?」つんく♂が孫さんに聞く
東洋経済オンライン / 2024年3月30日 11時20分
ランキング
-
1自民・森山派、26日にも解散届 派閥で初、総務相宛て提出
共同通信 / 2024年4月25日 22時29分
-
2“ハラスメント町長”2人辞職へ 池田町長「裸の王様だった」 東郷町長は会見でも“不適切発言”
日テレNEWS NNN / 2024年4月25日 20時59分
-
3万博着工遅れで露見した日本の建築士の能力不足「世界を知らない」 一級建築士が証言
東スポWEB / 2024年4月25日 6時18分
-
4立ち寄り先の空き家で暴行か 那須2遺体 供述変遷重ねる平山容疑者
産経ニュース / 2024年4月25日 20時18分
-
5【続報】ひき逃げの疑いで21歳の女を逮捕「ものか動物にぶつかったと思った」否認 福岡・みやこ町
FBS福岡放送ニュース / 2024年4月25日 20時17分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください