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米大統領選 ミシガン州の民主党予備選「支持候補なし」13.3% 「イスラム教徒がキャスチングボートの意思表示」辛坊治郎が解説

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2024年2月29日 18時45分

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 3日、米ホワイトハウスで演説するバイデン大統領(ロイター=共同)

キャスターの辛坊治郎が2月29日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。アメリカ大統領選に向けた民主党の指名候補争いを巡り、27日に行われたミシガン州の予備選で「支持候補なし」が13.3%、10万票以上を集めたことについて、「バイデン大統領に対し、イスラム教徒がキャンスチングボートの意思表示をした」と解説した。

米ホワイトハウスで演説するバイデン大統領(ロイター=共同)=2021年8月3日 写真提供:共同通信社

米ホワイトハウスで演説するバイデン大統領(ロイター=共同)=2021年8月3日 写真提供:共同通信社

11月のアメリカ大統領選に向けた民主党の指名候補争いは27日、ミシガン州で予備選が行われた。AP通信によると、再選を目指すバイデン大統領が勝利を確実にした一方で、イスラエル寄りのバイデン氏に反発するアラブ系住民らが「抗議」の票を投じたことで、「支持候補なし」が13.3%、10万票以上を集めた。

辛坊)民主党と共和党がそれぞれの大統領候補を決めるのは今夏です。各州で現在行われている予備選はその前哨戦です。共和党はここまでトランプ前大統領が全勝しています。過去数十年間のデータを見ると、共和党は今後の予備選の結果がどうなったとしても、大統領候補はトランプ氏で決まりです。

民主党も各州で予備選を行っていますが、これはセレモニーに近いものであり、大統領候補は現職で決まりです。ですから、バイデン大統領です。

現段階で見えてきた大統領選の構図は、共和党のトランプ氏対民主党のバイデン氏で決まりです。ミシガン州の民主党予備選は最初から結果は見えていました。だからこそ、13.3%の「支持候補なし」に意味があります。

「支持候補なし」の意思表示をした人たちの中心はアラブ系住民です。ミシガン州には、アメリカ自動車産業の発祥の地といえる都市デトロイトがあります。この自動車産業の労働者にアラブ系の人がたくさんいます。アラビア語圏の人たちばかりではなく、イスラム教を信奉している人たちです。デトロイトには、全米最大のイスラム教徒のコミュニティーがあります。このイスラム教徒たちは、トランプ氏に票を入れることは絶対にありません。トランプ氏の娘婿がユダヤ人であることも理由の1つです。

バイデン政権はイスラエル支援に積極的で、アメリカ国内で特に若者を中心に非難されてはいます。一方、トランプ氏がパレスチナを支持しているかというと、決してそんなことはなく、バイデン氏以上にイスラエル寄りです。こうした理由からも、イスラム教徒たちは最終的にトランプ氏に票を入れることはありません。

ただ、だからといってバイデン氏に簡単に票を入れるかというと、そうではありません。イスラム教徒の人口規模は数十万人に上るため、いわゆるキャスチングボートを握っています。ですから、バイデン氏に対し、「俺たちの投票行動しだいでは、高をくくっていると危ういぞ」という意思表示ができるわけです。今回は、その絶好のチャンスだったわけです。

「支持候補なし」が13.3%に達したことは、バイデン陣営に対し、イスラム教徒を敵に回すと大統領選で負けるかもしれないという危機感を与えたはずです。その意味で、イスラム教徒はバイデン政権に政策変更を迫る大きなツールだということです。

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