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目の紫外線対策がどの季節でも必須なワケ

プレジデントオンライン / 2019年8月6日 6時15分

Q.目が見えづらい老親にできることは?

■生活習慣改善で、目の健康を維持

目の健康のためには、できるだけ紫外線を避けてください。紫外線は、肌のしみやしわの原因になることで知られていますが、目の細胞の老化も促します。特に、日光が直接当たる角膜、目のレンズである水晶体、水晶体から通った光を受ける網膜は紫外線の影響を受けやすいことがわかっています。紫外線を大量に浴びると、加齢黄斑変性や、白内障の原因にもなります。

季節や天気に関係なく、UVカット機能のついたサングラスやメガネ、コンタクトレンズを利用したり、つばの広い帽子や日傘などを使ったりして紫外線対策をしたほうがよいでしょう。

最近はパソコンやスマホ画面から出るブルーライトをカットするメガネなどもよく見かけるようになりました。ただ、ブルーライトを避けるのが悪いということはないと思いますが、今はまだ、それがどれだけ目の健康維持に効果があるか、はっきりわかっていません。詳細な研究は、これからだと思います。

一方、スマホを利用するときの、「近くを見る」という作業そのものが目にはよくありません。人間の目はそもそも、遠くを見るようにできていて、近くを見続けるのは目に無理がかかる行為です。「スマホを見てはいけない」ということではありませんが、適度な休憩を取りながら見るようにするのがよいでしょう。

スマホだけでなく、電子書籍や紙の書籍でも、読むときの環境が大切です。特に電子機器の場合は、画面が明るいので部屋の明かりを消しても見ることはできますが、これは目によくありません。部屋を明るくして見るようにしてください。就寝前、暗くした部屋で布団に入ってスマホを長時間見るのはやめましょう。

■ちょっとした工夫で「見やすい」環境に

目の健康を意識していても、見ようとするものがぼやけたり、暗く感じたり、ゆがんで見えたりと、生活に不便を感じる状況になることは誰にでも起こります。こうした状況を耳慣れない言葉かもしれませんが「ロービジョン」と我々は呼んでいます。「視力がいくつ以下」などのはっきりした定義はなく、見えづらさを感じていればロービジョンといえます。

見えづらさをサポートする「ロービジョンケア」は、家庭でも行えます。例えば、白い茶碗だと米粒がわかりにくいですが、黒などの濃い色の茶碗にすればご飯がはっきり見えるので、残すことなく食べることができます。まな板も、片面が白、片面が黒などの濃い色のものだと、食材の色に合わせて両面を使い分けることで、調理がしやすくなります。

洗面台のふちや家具の角に、はっきりした色のマスキングテープを貼るのもよいでしょう。角が際立つのでぶつかる危険が少なくなりますし、位置がはっきりするので物も置きやすくなります。

当院では、トイレは壁や床の色を濃い色にすることで、白い便器や手すりの場所が際立つようになっています。また、細い線と太い線が組み合わさった明朝体の表示は読みにくいため、行き先や場所を示す表示は、見やすくわかりやすいゴシック体を使っています。

▼家具のふちにはっきりした色のマスキングテープを貼る

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井上賢治
医療法人 社団済安堂理事長 井上眼科病院院長
千葉大学医学部卒、東京大学医学部大学院修了。眼科専門医。専門は緑内障。138年(創立1881年)の歴史を有する日本有数の眼科専門病院のトップを務める。著書に『視力0.1でも豊かな生活を送る 目の健康を守る本』など多数。

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井上 賢治 医療法人 社団済安堂理事長 井上眼科病院院長
千葉大学医学部卒、東京大学医学部大学院修了。眼科専門医。専門は緑内障。138年(創立1881年)の歴史を有する日本有数の眼科専門病院のトップを務める。著書に『視力0.1でも豊かな生活を送る 目の健康を守る本』など多数。

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(医療法人 社団済安堂理事長 井上眼科病院院長 井上 賢治 構成=大井明子 撮影=石橋素幸)

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