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「重症筋無力症(MG)患者に対する実態・意識調査2022」

PR TIMES / 2022年6月22日 13時45分

《6月は重症筋無力症啓発月間》

約6割の患者さんが、MGの症状により日常生活に何かしらの支障を抱えている
MGにより仕事に支障をきたした患者さんが約7割などMGが社会生活に与える影響が大きいことも明らかに




患者さんが特に困っている症状の上位は、「易疲労性」「眼瞼下垂」「複視」「腕や下肢の脱力」など、周囲の人からは病気と気づかれにくいもの
約4割の患者さんが、友人や周りの人から病気を理解してもらえず「怠けている」と思われた経験あり
治療をしているにもかかわらず、約6割の患者さんが「日常生活に何らかの支障がある」
病気になってからできなくなったこととして約7割の患者さんが「運動」と回答。
MGにより仕事に支障をきたした患者さんは約7割、そのうち仕事を辞めざるを得なかったのは約3割
有職者の約4割が「職場の上司」や「同僚」に、自分がMGであることを話しづらいと回答。その主な理由は、「病気や症状の大変さを理解してもらえないから」


アルジェニクスジャパン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:ヘルマン・ストレンガー、以下 アルジェニクスジャパン)はこのたび、国の指定難病の1つである重症筋無力症(myasthenia gravis:以下MG)の患者さんを対象に、患者さんの日常生活や仕事に及ぼすMGの影響に関する調査を実施しました。本調査は、MGの患者会である「一般社団法人 全国筋無力症友の会」および「NPO法人 筋無力症患者会」の協力のもと、現在治療を受けているMG患者さんに対して郵送およびインターネットで実施し(2022年4月20日~5月8日)、452名から回答を得ました。

MG患者さんに対しては、適切な治療を行うことはもちろんですが、家族や友人、また職場の同僚や雇用者など周囲の方たちの理解や、職場や学校、生活環境の調整などが大きな社会的課題となっています。アルジェニクスジャパンは、MG啓発月間である6月にあわせ、MGという疾患およびMG患者さんに対する理解を深めていただくことを目的として、啓発プログラム「知ってくださいMGのこと」を実施しており、本調査の実施・結果の公表もその活動の一環です。

今回の調査結果から、多くの患者さんは治療によって「日常生活に支障のない状態」を望んでいるものの、いまだMGの症状により日常生活に何らかの支障を抱えていること、また、「易疲労性」など見た目には分かりにくく、周りの人に理解されにくい症状に悩んでいるという現状が確認されました。また、仕事など社会生活への疾患の影響も大きく、「病気の症状や大変さを理解してもらえない」のではないかとの不安から職場の上司や同僚に病気の事を伝えられない、などの実態も明らかになりました。


【主な調査結果】


患者さんが特に困っている症状の上位は、「易疲労性」「眼瞼下垂」「複視」「腕や下肢の脱力」など、周囲の人からは病気と気づかれにくいもの

現在の症状で特に困っている症状を3つ挙げてもらったところ、約8割(75%)が「易疲労性」と回答しました。さらに、5割以上の患者さんが「眼瞼下垂(まぶたが下がる)」(60%)や「複視(ものが二重に見える)」(54%)、「腕や下肢の脱力」(51%)など、見た目ではわからなかったり、周囲の人が気が付きにくい症状が上位に挙げられました。

[画像1: https://prtimes.jp/i/101135/5/resize/d101135-5-303a9ff6a04ea8e36ce9-0.png ]




約4割の患者さんが、友人や周りの人から病気を理解してもらえず「怠けている」と思われた経験あり

MGと診断されてからこれまでに経験したことを聞いたところ、約4割の患者さんが、病気を理解してもらえず、「友人や周りの人から怠けていると思われた」(42%)、「家族から怠けていると思われた」(32%)と回答しています。また、これまでに仕事をしたことがある患者さんでは、約3割(33%)が、「同僚や上司から怠けていると思われた」と回答しており、周囲から病気への理解を得られることが難しいことが伺えました。

[画像2: https://prtimes.jp/i/101135/5/resize/d101135-5-7eb21f15578457e48d0f-1.png ]

[画像3: https://prtimes.jp/i/101135/5/resize/d101135-5-1246be6ddc827c8a430a-2.png ]




治療をしているにもかかわらず、約6割の患者さんが「日常生活に何らかの支障がある」

現在の状態を聞いたところ、「全く症状を感じず、日常生活に支障がない」(8%)、「やや症状は残るものの、日常生活に支障はない」(35%)と日常生活に支障を感じていない患者さんは全体の約4割で、残りの約6割の患者さんは「日中の生活に多少の支障は出る」(26%)、「時々サポートを必要とする」(17%)など日常生活に何らかの支障があると回答しました。また、治療によってどのような状態になりたいか(治療目標)を聞いたところ、「やや症状は残るものの、日常生活に支障は出ない」(39%)が最も多く、「全く症状を感じず、日常生活に支障もない」(34%)が続きました。

[画像4: https://prtimes.jp/i/101135/5/resize/d101135-5-dcc5a2d92f30707e02bd-3.png ]




病気になってからできなくなったこと*1として約7割(74%)の患者さんが「運動」と回答。

病気になってからできなくなったこと*1として、約7割(74%)の患者さんが「運動」と回答し、次いで、6割(60%)の患者さんが「旅行に行くこと」「趣味を楽しむこと」「友人と出かけること」を挙げました。
*1:「たまにできないことがある」、「できないことが多い」、「全くできなくなった」の合計

[画像5: https://prtimes.jp/i/101135/5/resize/d101135-5-861704bf2830373098a8-4.png ]

 


MGにより仕事に支障をきたした患者さんは約7割(68%)、そのうち仕事を辞めざるを得なかったのは約3割(26%)

MGにより仕事に支障をきたした患者さんは約7割(68%)、そのうち仕事が「全くできなくなった」のが約3割(26%)で、仕事を辞めざるを得なかったといえるため、MGの仕事への影響が大きいことが明らかになりました。

[画像6: https://prtimes.jp/i/101135/5/resize/d101135-5-13d1c7070b13984816be-5.png ]




有職者の約4割が「職場の上司」や「同僚」に、自分がMGであることを話しづらいと回答。その主な理由は、「病気や症状の大変さを理解してもらえないから」

MGであることについては、自身の周りの方には比較的伝えやすいものの、「配偶者・パートナー」や「子供」と比較すると、「両親」や「友人」には伝えにくい傾向にありました。また、職場に関しては、有職者の約4割が「職場の上司」(35%)や「同僚」(35%)に自分がMGであることを話しづらいと回答しており、その主な理由として、どちらも約5割が「病気や症状の大変さを理解してもらえないから」を挙げていました。

[画像7: https://prtimes.jp/i/101135/5/resize/d101135-5-95e56a9ee59c66cfd2af-6.png ]

[画像8: https://prtimes.jp/i/101135/5/resize/d101135-5-06fdc38411461de06af6-7.png ]


今回の調査について
医療法人同和会 神経研究所 神経内科千葉 所長 川口 直樹 先生のコメント

現在では、MGに対していろいろな治療法があり、患者さんの状況や症状に合わせて選択肢が増えてきたことで、以前と比較すると患者さんの状況は改善されてきています。しかし、今回の調査でも、約6割の患者さんが、治療を行っているにもかかわらず日常生活に何らかの支障があると回答しているように、いまだにMGの症状による生活への負担を感じている患者さんは多いのが現状です。また、患者さんが特に困っている症状が、「易疲労性」や「眼瞼下垂」、「複視」など病気だと気が付きにくいものであるため、周りの方から病気の苦しみを理解してもらうのが難しく、そのことが職場の上司や同僚にMGであることを伝えにくくしている大きな原因ともなっているようです。さらに1日の中でも時間によって体調が変化することがあるため、「怠けている」と誤解されることを経験される方も多いという実態が、今回の調査で明らかになりました。このように、MG患者さんは、周囲の理解や共感が得られない、就労や社会参加の機会を損失するなど、さまざまな社会的不利益を被ることも多く、それらのことも患者さんのQOL(生活の質)の低下につながっているものと思われます。患者さんがよりよい生活を送るためには、患者さんに適した治療を受けることはもちろんのことですが、周りの方の理解と社会の環境もとても大切です。今回の調査により、患者さんの現状や抱えている悩みなどが明らかになりました。今後、両親や友人、そして職場の上司や同僚も含め、より多くの人にMGのこと、そしてMG患者さんの現状を知っていただくことで、MG患者さんとそのご家族にとって少しでも過ごしやすい社会となることを願っています。


調査概要:重症筋無力症患者に対する実態・意識調査 2022


[表: https://prtimes.jp/data/corp/101135/table/5_1_196aebd3dce427dc5bbd4161b64df14d.jpg ]



重症筋無力症について
重症筋無力症 (MG) は、IgG自己抗体が神経と筋肉の間の伝達を妨害し、消耗性で生命を脅かす可能性のある筋力低下を引き起こす稀な慢性自己免疫疾患です。全身の筋力低下、 易疲労性 が出現し、特に眼瞼下垂、複視などの眼の症状をおこしやすいことが特徴です。眼の症状だけの場合は眼筋型、全身の症状があるものを全身型とよんでいます[1]。 話したり、飲み込んだり、動いたりすることが困難になる場合もあります。重症化すると呼吸筋の麻痺をおこし、呼吸困難を来すこともあります[2]。
2018年の全国疫学調査によると、日本国内のMG患者数は約29,000人と推定されています[2]。日本では眼筋型MGが全体の約20%と報告されており[3,4]、全身型MGの患者数は全体の80%程度、18,000~24,000人程度と推定されています[4]。
重症筋無力症は厚生労働省より難病指定を受けています(指定難病11)。

参考文献:
[1] 仲真人、伊藤和弘:聖路加看護大学紀要, 2009, 35, 37-44
[2] 公益財団法人難病医学研究財団 難病情報センター
[3] Murai H, et al: Clin Exp Neuroimmunol. 2014 :5 :84-91
[4] Suzuki S, et al : BMC Neurol. 2014; 14: 142

6月の重症筋無力症月間 啓発プロジェクト「知ってくださいMGのこと」
アルジェニクスジャパンは、MGについて社会全体の理解が広がることで、MG患者さんやそのご家族の方々が少しでも過ごしやすい、優しい社会となることを願い、「その知識が、優しさになる。」をスローガンとしたMG 啓発プロジェクトをMG患者さん向けレシピ開発とレシピブックの作成【MGクッキングキャンペーン】、【重症筋無力症患者に対する実態・意識調査 2022】の実施と調査結果の公表、そして一般の方を対象としたオンラインイベントを実施いたします。
MG啓発プロジェクトWebサイト:https://mg-united.jp/things-to-do/mg-awareness-month.html

アルジェニクスジャパン株式会社について
アルジェニクスジャパン株式会社は、ベルギー・ゲント市に本拠を置くアルジェニクスBVの日本法人です。アルジェニクスは、深刻な自己免疫疾患およびがんに苦しむ人々の生活の向上に貢献することに取り組んでいる免疫領域に特化したグローバル医薬品企業です。独自の免疫学イノベーションプログラムを介して主要な学術研究者らと協業し、免疫学領域における画期的な発見から世界的な新規抗体医薬品ポートフォリオを生み出しています。アルジェニクスジャパンの詳細については、https://www.argenx.jp/ をご覧ください。

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