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資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について

PR TIMES / 2024年3月15日 17時45分

株式会社アイネット(以下「当社」という)は、東京証券取引所の要請に基づく「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」について、自社の現状を分析した上で、今後の取り組みについて検討を進めてまいりました。
本日開催しました取締役会において、下記内容の決議をしましたので、お知らせいたします。



1. 現状分析
(1) 資本収益性/資本コスト
<自己資本利益率(ROE)と株主資本コスト>
[画像1: https://prtimes.jp/i/48004/84/resize/d48004-84-ed6600b3f7eca5b29775-0.png ]

当社の自己資本利益率(ROE)を過去4期で見比べると、株主資本コストを上回る水準で推移しております。
但し、その差(スプレッド/プレミアム)は縮小傾向にあり、直近2023年3月期に落ち込んでおります。

<当社の資本収益性(ROE)が低下した要因>
[画像2: https://prtimes.jp/i/48004/84/resize/d48004-84-e853c040a90f346cf101-1.png ]

ROEの構成要素への分析{ROE =当期純利益率 x 総資産回転率(回)x 財務レバレッジ(倍)}から見てみると、ROEの低下は売上高純利益率が低下したことによるものであることがわかります。当社の資本収益性の向上には、収益性の改善、特に原価管理が経営上重要な課題となってきていると認識しております。
また、資本コストの上昇は、市場金利の上昇と当社株価の上昇に伴うボラティリティ増に伴うものであり、この傾向は今後も継続していくと判断しております。

<投下資本利益率(ROIC)と加重平均資本コスト(WACC)>
[画像3: https://prtimes.jp/i/48004/84/resize/d48004-84-ee39760c75f5882feaa8-2.png ]

当社の投下資本利益率(ROIC)はROEと同様に低下傾向にあり、その差(スプレッド/プレミアム)もやはり縮小傾向にあります。加重平均資本コスト(WACC)の上昇は株主資本コストの上昇よりも緩やかとなっております。

[画像4: https://prtimes.jp/i/48004/84/resize/d48004-84-2db4ae38b309bf5f294c-3.png ]

当社の自己資本は毎期積み上がる一方、有利子負債は一定水準を保っております。今後は、自己資本の過大な増加を抑制するとともに、調達コストが比較的低い、有利子負債の適切な活用を図ることで、低コストでの調達を維持し、更なる成長を実現していく考えであります。
なお、当社の有利子負債残高の水準はEBITDA(税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて算出される利益)の2倍未満に抑えられており、財務の健全性は十分に保たれております。

(2) マーケット評価
[画像5: https://prtimes.jp/i/48004/84/resize/d48004-84-ee2228f944905b34229d-4.png ]

当社の株価指標(PER/PBR)は、2023年5月からの株価上昇に伴い、上昇傾向にあります。
当社PBRは昨年度までは1.0倍を若干超える範囲で推移し、情報通信業(プライム上場)の平均値2.0+α倍の半分程度に止まる水準となっておりました。
今年度に入り、当社株価の上昇に伴い、当社株価指標も上昇傾向を辿り、直近ではPBR1.8-1.9倍の水準で推移しています。これは、情報通信業(プライム上場)の直近平均値2.4倍の7-8割の水準に相当しますが、当社としましては、依然、業界平均値を下回る水準で推移していることには変わりがないことから、引き続き改善努力が必要であると認識しております。
[画像6: https://prtimes.jp/i/48004/84/resize/d48004-84-2538cd8684397ffbbe2b-9.png ]

当社PERは、今年度に入ってからの当社株価の上昇に伴い、著しく改善しました。直近では情報通信業(プライム上場)の平均値25-26倍を超える水準にまで、達しております。

2. 取り組み状況
(1) 資本政策
[画像7: https://prtimes.jp/i/48004/84/resize/d48004-84-4b0f2abc2e7e7d35fb68-7.png ]

今後の営業キャッシュフローをデータセンターなどの次世代投資に積極的に振り向けることにより、高成長を維持していく方針。政策保有株式の段階的な削減も進めて、成長分野への設備投資に充当していきます。
また、株主還元を強化し、純資産の無制限な増大を抑制することで、ROEの極大化を図ってまいります。
以上の施策を進めて、2027年3月期の時点で、自己資本比率43%、ROE13%以上、投資有価証券は自己資本の約15%未満となるよう、努めてまいります。

(2) 成長戦略
[画像8: https://prtimes.jp/i/48004/84/resize/d48004-84-cc6fa97a152a7b1f91cc-7.png ]

当社は、時代変化に合わせて、顧客に提供するサービスを柔軟に変化させてきました。当社のビジネスモデルの根幹をなす事業戦略は自社データセンターをベースとする「プラットフォーム戦略」であります。
[画像9: https://prtimes.jp/i/48004/84/resize/d48004-84-c3522f14d7bd6e91dd4e-8.png ]

当社は、複数の事業を展開しております。今後は、事業の成長性と収益のバランスを見ながら、自社の経営資源を大胆に再配分することで、収益の拡大と高い成長性の維持を実現させてまいります。
成長分野へ積極的に投資を進める一方で、当社が強みを持つ既存の成熟産業領域の事業は「残存者利益」を追及することで、全社の収益性向上に資する事業に変革していきます。

(3) 資本コスト削減への努力
1. TCFD提言への対応
当社として、持続可能な社会の実現を図るため、今期よりグループ全体で温室効果ガス排出量を削減するため、具体的な目標値を制定。当社グループによる2030年度の温室効果ガスの排出量(Scope1,2)を2022年度対比で50%以上削減、2040年度にはカーボンニュートラルを実現することにしました。
併せて、TCFDコンソーシアムに加入することで、温室効果ガス排出量の抑制に向けて、より積極的に活動をしていくことを明確にいたしました。

自社データセンターで使用する電力を再生可能エネルギー由来の電力への切り替えも進めており、国際的な化石燃料の価格変動リスクが経営に与える影響を低減させるよう努めてまいります。

2. 多様性・人材の活用
当社は、「アイネット企業行動憲章」を定め、「従業員の多様性、人格、個性を尊重し、自己の能力・活力を発揮できる職場の環境づくりを行う」ことを行動の一つとして掲げています。当社は、女性や外国人材など多様な価値観を持つ社員が生み出すシナジーには大きな期待を寄せています。2018年10月、人事部の中にダイバーシティ推進室を設置し、性別・年齢・国籍・障がい・性的指向・性自認・価値観・結婚や子供の有無、働き方に関わらず多様な人材の能力や個性を戦略的に活かすことを目指しています。

当社の女性社員の割合は2024年1月末時点で26.3%、女性管理職の割合は同8.6%、役員に占める女性役員の割合は同30%となっております。女性管理職の割合を2026年3月末には12%に引き上げることを目標としております。

女性を含めた多様な人材が、パートナーや子供の有無に関わらずそれぞれのライフステージに応じた働き方を選択が出来るよう、社内環境を整備しています。男性の育児休暇取得も推進しており、仕事と育児の両立支援には特に力を入れております。

外国籍社員の採用も積極的に行っております。外国籍社員の方々が入社後に活躍してもらうための環境整備の一環として、交流の場の提供なども実施しています。また、LGBTQなどの性的マイノリティの方々への社員の理解を深める活動を行っています。既に同性パートナーを配偶者とみなす、パートナーシップ制度などを導入しております。

当社グループの障がい者雇用比率は2024年1月末時点で2.6%となっております。当社グループは、特例子会社の株式会社アイネット・データサービスを設立し、障がいのある社員の方々は、個々の能力と適性に応じた業務に従事しております。

3. IR・広報活動
当社は、株主・投資家との対話は企業価値の向上には欠かせないものであると認識しており、決算説明会や個人投資家向け説明会などへ、代表取締役自らが説明者として、登壇することを原則としております。

2023年度の活動状況は以下のとおりです。
アナリスト・機関投資家向け決算説明会:2回(本決算、2Q決算、説明者:代表取締役)
個人投資家向け説明会:2回(説明者:代表取締役)
アナリスト機関投資家との1 on 1ミーティング:15回(説明者:経営企画本部長)

当期は、コロナ禍で中止していた会場開催の個人投資家向けの説明会を2024年2月より再開しました。2023年度の投資家向け説明会への参加、開催回数が少なかったことについて、改善が必要であると認識しております。今後は、投資家向け説明会へ積極的に参加していく考えです。
また、当社の経営方針や事業内容をご理解いただける機会を増やすことも目的に、2024年1月から、IR用動画配信プラットフォームに決算説明や事業紹介のIR動画を掲載することにいたしました。動画配信についても積極的に活用していく考えです。

(4) 適正な報酬
当社は、2019年5月より、取締役と執行役員に対して、報酬の一部として譲渡制限付株式報酬制度を導入し、経営陣による株価へのコミットを強化する取り組みを進めております。
2023年3月期からは、社員に対する適正な報酬と昇給を実現するために、提供するサービスや販売商品の価格の見直しを行い、社員に対する昇給(2024年3月期年率換算平均4.2%)を実現しました。
来期2025年3月期にも、引き続き昇給への努力を続ける所存です。社員の給与について、年率換算で平均7%の昇給を目指すとともに、会社業績に合わせた報酬制度や個人の努力に報いる評価制度を導入することで、さらに改善を図っていきます。

3. 今後について
当社は、当期を2期目とする中期経営計画(2022年3月期―2025年3月期)において、最終年度となる2025年3月期に売上高400億円、営業利益32億円、営業利益率8.0%、ROE10%以上の達成を計数目標としております。
当社としましては、当中期経営計画において、「資本コストや株価を意識した経営」を実現するため、更に当社の分析を進め、経営の取り組みに反映させ、その結果について、社内外に公表していく方針です。

なお、2026年3月期を第1期とする次期3か年中期経営計画については、当中期経営計画における取り組みとその結果を十分に分析することで、「資本コストや株価を意識した経営」を推し進めていく所存であります。

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