《放置厳禁!膵臓がん5つの初期症状》背中の痛み、尿の色が濃い、体重が減る…便の色が教えてくれる重要なサインとは? 40歳以上がプラスすべき検査とは?
集英社オンライン / 2024年3月24日 11時0分
国立がんセンターの「がんの統計2023」(ganjoho.jp)によると、膵臓がんは男女とも50代後半から増え始めている。また罹患数、死亡数も年々増加傾向だ。昨年末に経済アナリストの森永卓郎氏が、膵臓がんで闘病中であると公表したことも記憶に新しい。膵臓がんは早期に症状がなかなか出ないため、体からのSOSをしっかりキャッチすることが大切になる。大宮エヴァグリーンクリニックなど、4つのクリニックの理事長を務める、医師の伊勢呂哲也先生が見逃せない5つの症状について解説する。
早期の発見が難しい膵臓がん
膵臓は胃の後ろにある、20㎝ほどの長さの臓器です。
膵臓の働きは食べ物を消化する膵液をつくり、それを十二指腸に送るという消化のための働きと血液中の血糖を下げるインスリンなどを産生し、血糖値の調整をするという2つを担っています。
膵臓は「沈黙の臓器」と言われていて、がんが発生しても小さいうちは症状が出にくく、早期の発見は簡単ではありません。
小さながん細胞ができていても、膵管は詰まることなく膵液を作るので、がんの進行が進まないと症状として現れにくいのです。
また、膵臓がんの10年の生存率は5%で、他のがんの平均60%と比べると圧倒的に低い数値になります。
なので、定期的な検査、また初期症状があった場合、適切な検査を受けることがとても重要です。
今回は、見逃せない膵臓がんの5つの初期症状について解説します。
症状1:みぞおちや背中の痛み
膵臓は胃の後ろにある後腹膜臓器です。そのため膵臓に何か症状がある場合は、背中に鈍い痛みが続きます。また、みぞおちの痛みも膵臓がんの初期症状のサインである可能性があります。
みぞおちの痛みは胃や十二指腸で何かが起こっているときも感じることが多いのですが、その場合はだいたい、胸やけ、げっぷ、胃もたれなどの症状が一緒に出てきます。
膵臓がんの初期症状では、何もしなくてもずっとみぞおちが痛く、体勢を変えても痛みが続きます。
こういった痛みが続く場合はすぐに医療機関を受診してください。
症状2:糖尿病・高血糖
膵臓の働きの1つにインスリンを出して血糖値を下げるというものがあります。膵臓がんになるとインスリンを作り出すことができなくなり、血中内の血糖のコントロールができなくなります。結果、血糖値は高くなり、糖尿病になるのです。急に血糖値が上がった、糖尿の気が出てきた、HbA1cの値が上がったという人は、膵臓の検査をしてみてください。
症状3:体重減少
膵臓がんに限らず、がんが大きくなると体の栄養分を奪ってしまい体重が減少します。これを悪液質といい、倦怠感や食欲不振なども起こるのです。ダイエットをしているわけでもなく、これまでと変わらない食生活をしているのに、体重が減少しているときは、がんを疑ったほうがいいでしょう。半年から1年くらいの間で5%以上の体重が減っている人は要注意です。例えば体重60㎏の人がダイエットをしていないのに、半年から1年の間に3㎏以上減っているなら、悪性新生物(がん)があるかもしれません。
尿の色にも注意が必要
症状4:便が白くなる
脂肪を消化するための胆汁は肝臓で作られて十二指腸に運ばれます。その際、膵臓を通るのですが、がんがあると、胆汁が胆管で詰まってしまいます。
胆汁はビリルビリンという黄色っぽい色素があり、便を茶色にさせますが、胆汁が十二指腸に運ばれないと便が白くなります。
便が白くなった場合は膵臓になんらかの病気の可能性があるので、すぐに医療機関を受診しましょう。
症状5:黄疸
膵臓にがんがあると胆管が詰まるため、胆汁は肝臓に逆流し、肝臓を通して血中に入ってきます。便を茶色にしていた胆汁が血中に回るため、目や顔、手などが黄色くなる黄疸という症状が現れます。
黄疸が現れたら、すぐに検査を受けるようにください。
また。目や顔だけなく、尿の色にも注意が必要です。胆汁は尿にも入りこむので、ビリルビリンにより尿の色の黄色味が濃くなります。
尿は、摂取した食べ物の色素や脱水状態でも色は濃くなりますが、脱水状態でもなく、水分をしっかり摂っているのに、尿色が濃くなっている場合は要注意です。
健康診断に超音波検査のオプションをつけて年に1度は検査を
膵臓がんは、発症しても初期における症状が少なく、かなり進行してから症状が出てくるということがほとんどのため、先述した5つの症状を見逃さないようにしましょう。
現在、胃がんなどのように、膵臓がんのがん検診は実施されておらず、職場の定期健康診断の項目だと、膵臓がんを見つけることは難しいです。
MRI検査をすると発見はできるのですが、費用も時間もかかるので、上記の症状リストを見て気になる程度なら、健康診断に超音波検査のオプションをプラスするのがおすすめです。
膵臓の状態を超音波でチェックしてもらえるので、気になる人は医療機関に相談しましょう。
40歳以上になったら、年に1回は検査するのがいいでしょう。
また、膵臓がんは生活習慣病がリスク要因となっているので、糖尿病にならないようにする、肥満や食生活など見直すことも大切です。
中高年の人は年に1回は検査して、膵臓がんの体からのサインを放置しないようにしましょう。
取材・文/百田なつき
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