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貧困家庭から東大合格「塾通いは認められず、参考書を買うカネもない」

日刊SPA! / 2024年2月18日 15時54分

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―[貧困東大生・布施川天馬]―

◆東大生の半数以上が世帯年収950万円以上
日本最難関クラスの大学である東京大学。通う学生の多くは、幼少から塾通いをして名門中高を通ってきた、いわゆる「エリート」たちです。

2021年度に実施された学生生活実態調査の世帯年収の欄によれば、1,510名の回答者のうち、世帯年収950万円以上と回答した家庭の割合は、約53%でした(「わからない」と回答した方を除く)。東大に通う全学生のうち、半数以上が世帯年収950万円以上の家庭出身であると考えられるデータは、「東大生エリート説」を強力に後押しする証拠であるように思えます。

ですが、必ずしも東大生は裕福な家庭で育てられたエリートばかりではありません。貧しい家庭から苦学の末に合格した学生たちも存在しています。

私は、独自に現役東大生、東大卒業生100人を対象として、幼少からの学びの環境についてアンケートを実施しました。そして、今年の2月20日に、そのアンケート結果を分析し、そこから考察できる内容をまとめた『東大合格はいくらで買えるか?』を上梓します。ここでは、貧困家庭から東大に合格した、「普通の東大生」らしからぬ「リアルな東大生」の姿をお届けします。

◆東大とは縁がない家庭環境

今回お話を伺うのは現役東大2年生の菅井直哉さん(仮名)です。菅井さんは、東大生としては珍しく、塾も通わず、参考書の一冊を買うにもためらうほどに貧しい家庭出身ですが、自学自習を突き詰めて東大に現役合格されました。菅井さんの学習術に迫ります。

「私は偏差値60程度の県内公立高校の出身です。出身校からは、東大が数年に一人程度出るか出ないか。先生からも期待されていたわけではなく、後押ししてくれた先生は本当にわずか。また、親族はほぼ高卒で、大卒のほうが珍しいくらいの家庭環境でした。東大とは全く縁がなかったんです」

東大に合格するためには、東大に行く方法を知ることが最低条件。そのためには、毎年コンスタントに東大生を輩出している学校や塾に通って、方法論を学ぶことが必要です。しかし、菅井さんの通っていた学校は、この条件にあてはまりませんでした。

中学生の時に、塾に通いたかったという菅井さん。ですが、家の金銭事情が悪いからと反対されてしまったそうです。それでは代わりにと参考書が欲しくなっても、親になかなか言い出しにくい。彼は「ほしい参考書」ではなく「安い参考書」を買って、代用品にしていました。

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