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東大合格者が“ムダだと感じた”教育課金。「いつでも受けられる」が逆効果に

日刊SPA! / 2024年3月3日 15時54分

しかし、「いつでも受けられる」ことは、「いつか受ける」確約をしていません。いつかは必ず授業を受ける担保があってこそ、「いつでも受けられる」利便性は輝きます。逆に、「いつでも受けられるからいいや」と後回しにされるケースが頻発しているのです。

今回とったアンケートの中でも「オンデマンドだったためほとんど授業を視聴せずに終わってしまった」「お金を払っただけで活用できなかった」「自習室利用権を目当てに加入したが、結局通わなかった」などの意見が寄せられています。

もちろん、映像授業の質が劣っているわけではありません。「いつでも授業が受けられるサービス」を利用していて、結局利用せず終わるのは、利用者側に非があることは明らかです。ですが、皆様にも「ジムに加入したがほぼ通わないまま退会した」ような経験があるのではないでしょうか。東大受験生といえども、人間なのですから、「いつか行けるから今日はいいや」と考えてしまうことは仕方ないでしょう。

◆なぜ東大生は映像授業塾に入るのか

映像授業最大手の東進予備校は、非常に良質な講義ビデオが集められていることは有名です。授業を受講さえすれば、素晴らしい体験ができます。

一方で、一定数の受験生が映像授業を利用しないまま終わってしまう。それに、映像授業の欠点として「先生にすぐ質問ができない」ことが挙げられます。東大生の中には、これを嫌う人も多い。それなのに、東進ハイスクールが毎年開く東大合格祝賀会には、大量の東大新入生が集まります。

この理由は、東進予備校が成績優秀者に熱烈なラブコールを送って優遇措置を払うところにあります。東進予備校は毎シーズン無料で招待講座を開いたり、無料模試を開催したりして、とにかく多くの受験生の情報を獲得します。

そして、その中の成績優秀者には、特待生待遇を持ち掛け、東進に在籍だけしてもらうのです。こうした籍だけ置く受験生は、講座をほぼ取らず、受講料も払わないで、普段は校舎にも姿を現しません。先ほど「自習室利用を目当てに通った」人がいましたが、この方もおそらくはその口でしょう。

東進側からすれば、成績優秀な受験生を確保し、彼らの持ち帰ってくる合格実績を自分たちのものにできるので嬉しい。生徒たちは、無料で自習室が利用できたり、模試が受けられたりするので、嬉しい。両者ともに得する関係というわけです。

そして実は、東進ハイスクールは学校法人ではありません。株式会社ナガセによって運営される、株式会社です。営利を追い求めるのは当然と言えます。

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