海外から注目されている「日本の兵器」。見本市で見た、意外なメーカー14社とその評判
日刊SPA! / 2024年3月5日 15時50分
川崎重工業【対艦ミサイルエンジン】
2月に開催された「シンガポール航空ショー」に乗り込んだ防衛装備庁と日本企業の思惑とは?
世界中から集まった軍人・防衛産業関係者の反応をリポート!
◆アジア最大級の兵器見本市・シンガポール航空ショー2024へ!
取材・文・写真/吉永ケンジ(安全保障ジャーナリスト)
2年ぶりに通常開催された、アジア最大級の兵器見本市「シンガポール航空ショー2024」に注目が集まった。防衛省の外局である防衛装備庁(以下「装備庁」)が初めて、本格的なブースを出展したからだ。
装備庁による海外イベントへの出展は、’22年の「ユーロサトリ」以降5回目となるが、今回は昨年12月の防衛装備移転三原則とその運用指針が改定され、日本が実質的な武器輸出に道を開いてから初めての出展となる。
戦後日本の防衛政策の転換点に立ち会うため、筆者はシンガポールに飛んだ。
航空ショーはアジアのハブであるチャンギ国際空港に隣接する広大なエキシビジョン・センターで開催され、屋外には軍用機や民間機が並んでおり、屋内には防衛・航空宇宙産業が世界中から集まった。
ショーの初日、会場に到着するや耳をつんざく爆音に驚き上空を見上げると、見慣れぬ飛行機が曲技飛行を披露していた。
調べてみると韓国空軍の「ブラックイーグル」で、機体はインドネシアやタイ、マレーシアに輸出されているT−50練習機だ。この地で行われる華やかな演出は全て、武器輸出のためにあることを理解した。
◆外国の軍人も興味津々!注目を浴びた日の丸ブース
シンガポールの防衛最大手「STエンジニアリング」が巨大なブースを構える正面入り口から屋内展示場に入り、日本のブースを探すとすぐに見つけることができた。
ブースは屋外展示場への出入り口に位置しており、来場者のほぼ全員の動線に面している。そして、この種のイベントで最も大事な視認性は、天井から吊るされた日の丸で十分に担保されていた。
ブースを一目見ただけで、装備庁はシンガポール当局と良好な関係にあり、綿密に調整した上で好立地を確保していることが推測できる。
しばらくブースを観察していると、諸外国防衛大手に比べても多くの来場者が訪れていることがわかった。
ブースの展示品で、一目で兵器とわかるのはスバルの多用途ヘリコプター「UH−2」のみで、それさえもラジコンほどの大きさ。そんな一見して華のないブースに人混みができているのは、やはり日本の出展が政治的な意味で注目を集めているからにほかならない。
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