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クマ型チョコが大人気「カカオサンパカ」の戦略 スペインチョコブランド、海外出店は日本だけ

東洋経済オンライン / 2023年12月10日 12時30分

クマのチョコレートで認知を広めたスペインのブランド、カカオサンパカ。同ブランドはECも展開するが、店頭のみで味わえるスイーツや板チョコレートのテイスティング等を求め、オフィスワーカーやインバウンド、ファミリー層など多くが丸の内本店を訪れる(撮影:今井康一)

アニメ大国の日本。アニメ文化が育った理由としてはいろいろ考えられるが、一つ大きなものとして、可愛いもの好きな国民性があるだろう。例えば、日本の携帯電話会社が開発した絵文字と、海外のものを比べると、日本のものが圧倒的に可愛い。また兎や蛙をユーモラスに擬人化した「鳥獣戯画図」を見てもわかるように、可愛いもの推しは古来の伝統と言える。

【写真】ブランドを広く知らしめた理由の一つが、ベア型のチョコレート。インパクトがあり、他のプレゼントと被りにくいことから、バレンタインデーの活発な日本市場でとくに人気を集めている

そんな日本で、クマのキャラクターをきっかけに伸びているチョコレートブランドがある。

スペイン発の「カカオサンパカ」だ。

可愛らしいベア型のチョコレート

広告塔とも呼べる商品が、「ハートベア カロロ」(税込1万2960円)。ハートがトレードマークの、つぶらな瞳が可愛らしいベア型のチョコレートで、高さ14.5cmといかにも食べ応えがありそうだ。また、それよりは小型の「スモールベア」には女の子のエマと、男の子のペタ、2つのタイプがある。こちらは高さが6cmで、エマが税込3240円、ペタが税込3456円。高価格だが、バレンタインデーやホワイトデーの人気商品だ。立体でインパクトがあり、プレゼントした相手にサプライズの喜びを与える。また「他と被らない」ことが人気の理由だという。

その生みの親であるカカオサンパカはスペイン、バルセロナで1999年にスタート。カカオ豆の輸入、チョコレート原材料製造の大手「Nederland(ネダーランド)」グループの子会社として設立された。カカオの産地にも工場をもち、カカオ豆の選別からチョコレート原材料の製造の全工程を管理できることが強みで、同社の抱えるショコラティエによって300種以上の商品を製造している。

また希少品種カカオを使った商品づくりにも力を入れる。代表的なのが看板商品の「ショコヌスコ」だ。大航海時代にアメリカ大陸で発見されたカカオ豆で、王家御用達になるほど品質が高いものの、生産に手間がかかるため100年前に市場から消えていた。それを復活させたチョコレートは、同社の技術と品質を象徴する存在となっている。

同社はかつて南アメリカなどにも出店していたものの、現在の店舗網は本国スペインの2店舗、日本の3店舗(東京丸の内、大阪梅田、兵庫神戸)となっている。

名をいち早く広めた「鉄板商品」のソフトクリーム

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