1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

「利上げするの?」AI植田日銀総裁に聞いてみた AI審議委員の本音は?「隠れタカ派」をあぶり出す

東洋経済オンライン / 2023年12月15日 9時0分

何を考えているのか、植田総裁の腹の中を皆が知りたい(撮影:今井康一)

日銀がマイナス金利を解除するという思惑が高まっている。

【表】AI審議委員9人に聞いてみた「2024年、利上げの可能性は?」再質問であぶりだした「隠れタカ派」リスト

植田和男総裁が12月7日の国会答弁で「年末から来年にかけて一段とチャレンジングな状況になる」と発言。市場では、12月18~19日の金融政策決定会合でフォワードガイダンス(先行きの指針)変更などの「地ならし」をした上で、2024年1月22〜23日の会合でマイナス金利を解除するという見方が増えている。

もっとも、植田総裁はマイナス金利政策解除についてこれまで、あくまで物価目標達成と結びつけられているという「建前的」な説明に終始している。そうなると春闘の結果で賃上げの確認を待たなければならない。

総裁の本音を推し量る「ウォッチャー」という仕事

むろん、植田総裁の本音はわからない。植田総裁に限らず中央銀行の総裁は市場の反応を気にして本音を押し殺し、建前的な発言に終始しているのだろうか。

中央銀行総裁は言質を取られないように発言に細心の注意を払う。個別の発言内容を組み合わせれば明らかであっても、直接的に述べなかったりすることもある。

そのため、ロジックを立てて本音を予想する日銀ウォッチャーやFED(アメリカ連邦準備制度理事会)ウォッチャーといった「仕事」が世の中には存在する。そして、往々にして中銀総裁の本音は最後までわからないことが多い。

日銀ウォッチャーには「本音を聞いてみたい」という欲望がある。この欲望に応えるため、筆者と大和証券の川島正敏エコノミストはChatGPTを用いて「AI植田総裁」を作成した。

具体的には、植田総裁の過去の講演テキストをChatGPTに読み込ませ、植田総裁の考えを理解した「AI植田総裁」に質問してみるという作業を行う。誰でも仮想的に質問できるようになれば、日銀ウォッチャーが不要になる時代が来るかもしれない。

AI植田総裁の答えを紹介する前に、いくつかの注意点を述べておきたい。

「フェイク発言の流布」が目的ではない

筆者らの目的は植田総裁や日銀審議委員のAIを作成することによって本音を考察することにある。植田総裁や日銀審議委員の発言を生成し、フェイク発言として流布させることは目的ではない。最近では岸田首相のフェイク動画が流布されたことが問題視されたが、AI技術をこのように用いることは問題である。

また、当レポートではChatGPTが生成した文章を紹介しているが、アウトプットは直接用いないように筆者が要約して示した。ChatGPTに読み込ませた講演テキストは日銀が一般に公表したものだが、それ以外にChatGPTが読み込んだテキストデータの出所については確認ができないからである。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください