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「火の技術」を手にした人類が大発展した深い理由 生命と科学技術の進展の基礎はここにある

東洋経済オンライン / 2023年12月30日 17時0分

人類の生活に決定的な変化をもたらした「火」と、人類史のクロスポイントを紹介します(写真:kker/PIXTA)

私たちの生活に必要不可欠な「火」。

料理をする、暖を取る、明かりになる。はたまたキャンプファイヤーで火を囲み、団らんの時間を過ごすこともできます。

一方で、火事や災害につながることもある火は、付き合い方を間違えると一大事にも発展しかねない、諸刃の剣と表現することができるでしょう。

そんな私たちのくらしを支え、ときに危険な側面も有する「火」と人類史のクロスポイントについて、左巻健男氏による最新著書『化学で世界はすべて読み解ける』からご紹介します。

「大気」と「空気」はどう違う?

ここからは、「火の技術と燃焼」についてお話しします。

物が燃えるためには、火だけではなく、空気が必要です。

では、「大気」と「空気」はどう違うのでしょうか?

地球には大気圏があり、宇宙の隕石や太陽の有害な放射線から地球を守っています。

大気は地上約500~1000キロメートルまで存在するといわれ、最下部の対流圏(地上から約8~18キロメートル)、その上の成層圏(地上約50キロメートル)、さらに上の中間圏、熱圏、外気圏があります。

私たちにとって身近なのは、対流圏と成層圏です。

対流圏と成層圏の大気を、私たちは「空気」と呼んでいます。

空気は地上から高くなるにつれて密度が小さくなっていきます。

密度は単位体積あたりの質量ですから、空気の密度が小さくなるということは、空気が薄くなるということです。地上から7キロメートルの高さで、空気の密度は地表付近の2分の1になってしまいます。

私たちは大気圏の底、つまりは対流圏の底に暮らしています。

ジェット機は、地上から約10キロメートル(1万メートル)付近の対流圏を飛んでいます。

この高さでは、空気の密度が地上の33.7%まで小さくなりますが、ぎりぎりエンジンに必要な酸素が得られ、また空気が薄いのでその抵抗力が小さいのです。

対流圏では、雲や雨などの対流現象が起こります。また、対流圏では高さ1キロメートルにつき、気温が約6.5℃ずつ低下しています。

成層圏は、暖かく軽い空気が上、冷たく重い空気が下になるので、対流が起こりにくいです。そして成層圏には、太陽光中の有害な紫外線を99%吸収するオゾン層が存在します。

地表付近と富士山の頂上の「空気の成分比」は、同じ?

面白いのは、空気が薄くなっても空気の成分組成(割合)が変わらないことです。

地球上であれば、空気の成分比はほぼどこでも同じです。

空気の成分は、乾燥空気(水蒸気が含まれていない空気)の体積比で窒素約78%、酸素約21%、この2つで全体の99%を占めます。ほかにアルゴン0.9%、二酸化炭素0.04%などが含まれます。

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