1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

「不適切〜」中盤での急転直下でこれから起こる事 震災描いてきた宮藤官九郎が対峙しているのは

東洋経済オンライン / 2024年3月1日 18時0分

ドラマの展開がこれまでと大きく変わるとともに、視聴率にも変化が起きたという(画像:金曜ドラマ『不適切にもほどがある!』番組公式ホームページより)

金曜ドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS金曜よる10時〜 脚本:宮藤官九郎)の世帯視聴率が上がった。第4話の6.7%から第5話では8.3%へと上がり方も大きい(関東地区)。

【画像】第5話ではヒューマンドラマの様相に(「不適切にもほどがある!」公式インスタグラムより)

いまどき世帯視聴率は指針にならないとはいえ、数字が上がったことはポジティブな現象にほかならない。なぜ上がったのか。それはドラマが大きく動きはじめたからだろう。予定調和からの逸脱、そこに大きな驚きがあった。1995年の阪神・淡路大震災が物語に大きく関わっていたのである。

突如としてリアルな現実を突きつけた

1986年と2024年の時代差を描き、80年代カルチャーの数々で郷愁をくすぐり、昨今の厳しいコンプライアンスに対する疑問を呈して共感性を高めながら、毎回、唐突なミュージカルシーンを挿入し、それらを次第に定着させてきた『不適切にもほどがある!』。

登場人物のキャラが立っていて好感度が高く、心地よく見ていたところ、第5話では、いつものように笑っていたら、突如としてリアルな現実を突きつけてきて、ヒューマンドラマの様相に。そこには全然、不適切じゃない驚き、そして、哀しみを伴った感動のようなものがあり、視聴者は鷲掴みにされたのだ。

第1話で、犬島渚(仲里依紗)の母が1995年阪神・淡路の年に亡くなったと語られたとき、おそらく、あの出来事が描かれるであろうとSNSでは予想されていた。というのは、宮藤官九郎がかつて、朝ドラ『あまちゃん』(2013年)で東日本大震災をデリケートに描いていたからだ。

2011年に起きた東日本大震災の2年後に放送された『あまちゃん』は、宮藤が宮城県出身ということもあり、震災から2年が経過した東北を応援するという意味合いももっていた。基本、笑いの成分の多い内容だったが、終盤、主人公アキ(能年玲奈 現:のん)の親友・ユイ(橋本愛)が憧れの東京にいよいよ向かった日、列車のなかで地震が起きる。東京で彼女を待っていたアキはつながらないケータイに不安を募らせて……。

海女とアイドルを目指すアキと彼女を取り巻くおもしろおかしな人々の楽しいドラマと思って毎朝見ていたら、現実を突きつけられて、息もできないような気持ちになったものだ。そして『不適切〜』でもまた――。

「空白」の38年間に何が

ドラマで描かれた阪神・淡路大震災の日を少し長くなるが、振り返ってみる。第4話の終わりに出てきた犬島ゆずる(古田新太)が、小川市郎(阿部サダヲ)のことを「お父さん」と呼ぶ。彼は小川の愛娘・純子(河合優実)の夫で、渚の父だった。つまり、渚は小川の孫であったのだ。ややこしい。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください