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伸びる子に共通する「間違い」に対する思考のクセ なぜ「できなかった問題」が「宝問題」になるのか

東洋経済オンライン / 2024年3月21日 7時30分

伸びる子とそうではない子の決定的な違いの一つに、「失敗や間違いに対する認識の相違」があります(写真:yosan/PIXTA)

【質問】

小3と中1の子どもがいます。この1年間、家で勉強しているときに癇癪を起こすので、大変でした。具体的には、わからない問題に遭遇したときや答え合わせをして間違いが多いときにそれが起こります。4月からまた同じような1年が始まると思うと気が重いです。

仮名:小峰さん

間違えること、失敗することを極度に恐れている

筆者は20歳で起業し、35年間教育に携わってきましたが、子どもたちを指導している中であることに気づきました。それは、「子どもたちは、間違えること、失敗することを極度に恐れている」ということでした。

実際、当てて答えを言ってもらうときに、かなりの確率で子どもたちは「わかりません」と言います。この背景には、過去に答えて間違ったことで恥ずかしい目に遭った経験や、間違えた子の姿を見て自分はそうなりたくないというイメージから起こっているのではないかと推測しています。

そのような子は家庭で宿題や学習をしているときにわからなかったり答え合わせをして間違いが多いときに暴言を吐いたり、癇癪を起こしたりします。それが看過できるレベルであればスルーすることもできるでしょうが、言動が激しくなると、その姿を見た親は我慢の度を越して、イライラが怒りに変わることもあるでしょう。

実はこの問題は、あることが変わらない限り、同じようなことが今後も繰り返されていきます。

それは、「間違いや失敗に対する認識のアップデート」です。

多くの子どもたちが誤解していることの一つに、「間違いや失敗が悪いこと」という認識があります。もしかしたら、その考え方を保持したまま大人になり、「間違いや失敗は悪いこと」という認識のままの人もいるかもしれません。

確かに間違うことや失敗することは気持ちの良いものではありません。できれば避けたいものです。しかし現実的には、まったく間違えない勉強、失敗のない人生はないと言っても過言ではありません。

筆者がこれまで4500人以上の子どもたちを指導してきた中で、伸びる子とそうではない子の決定的な違いの一つに、「失敗や間違いに対する認識の相違」があることに気づきました。

端的に言えば、伸びる子は「間違えた問題は成長につながる」と捉えており、そうでない子は「間違えた問題はやりたくない問題、嫌な問題」と捉えているということです。

そもそも、子どもたちはなぜ間違えることを嫌悪するようになったのでしょうか。

筆者の経験では、テストが始まる小1からすでにそれが始まっていると考えています。テストでは◯と×がつけられます。そのとき、親も先生も、◯が多いとニコニコし、×が多いと眉間にシワを寄せたり、機嫌が悪くなったりします。それをたびたび繰り返すうちに、子どもは◯は良いこと、×は悪いことと認識するのではないかと思っています。点数が高い子は良い子、点数が低い子は悪い子という誤った認識の刷り込みがされていくのもこの時期からです。

間違いに対する認識の書き換え作業をしていく

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