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伸びる子に共通する「間違い」に対する思考のクセ なぜ「できなかった問題」が「宝問題」になるのか

東洋経済オンライン / 2024年3月21日 7時30分

この話は要するに、間違いや失敗に対する心構えの書き換えをするためにしているものです。おそらく、このような話を子どもたちは聞いたことがないでしょう。「失敗してもいいんだよ、直せば」とか「失敗は成功の母」などとうっすらとした格言程度の言葉を聞いたことはあるかもしれませんが、その一方で×が多いと、親や先生がいい顔をしないという、2つの矛盾した経験をしているわけです。子どもの心にしっかりと落としていくためには、ここまで詳しく具体的に話をする必要があると思っています。

子どもは「×」をシビアに受け取る

しかし、小学生が対象になると、この話は通じないことがあるため、別のアプローチをします。

【小学生対象】

この時期の子どもたちは、とにかく◯をたくさん欲しがります。したがって、採点のときに次のようなことをしてみてください。

「◯だけつけて、×はつけない」

学校のテストでは×がどんどんつけられてしまうため、その部分は変えられないのですが、家で学習する際、親が採点をする際は、正解に◯をつけるだけで、間違いはノーチェックにします。レ点チェックもしません。そして、ノーチェックの問題を直して正解したら◯をつけます。◯が徐々に増えていくイメージを作るのです。

間違いに×をつけることが通例として行われていますが、繊細な心を持っている子どもたちは、×を否定と捉える傾向があり、それをきっかけに「やりたくない」「嫌い」という認識になってしまう子も意外と多いものです。×の印象は大人が思っている以上に、子どもはシビアに受け取っているのです。結果として、子どもが前向きに修正して学んでいけばいいわけですから、あえて×をつける必要はないと思っています。

実際、筆者が小学生を指導していたときは、◯のみつけて×はつけていません。そして直してきたら◯を増やしていき、どこまで◯が増えるか挑戦するゲームのようにしていました。すると、子どもたちはまるで間違い探しをするかのように前向きに取り組むようになりました。つまり、間違いを否定的に捉えなくなったということです。たったこれだけのことで、子どもの心の状態は大きく変わります。

以上、中学生以上と、小学生までの2つに分けて説明してきましたが、実際にちょっとしたことだけで、子どもの間違いや失敗に対する認識は書き換えられていきます。

このような心構えを持つようになった子どもは最強です。「正解は正解で良しとし、間違いは成長に繋がるので良しとする」マインドセットになるからです。これが本来の学びの姿勢だと考えています。ぜひ、ご活用ください。

石田 勝紀:教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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