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海外で学ぶ中国人留学生、渡航先が多様化の背景 ドイツ、イタリア、マレーシアなどの人気が上昇

東洋経済オンライン / 2024年3月25日 15時0分

海外の高等教育機関で学ぶ中国人留学生の総数は100万人を超える(写真はイメージ)

海外で学ぶ中国人留学生の渡航先が多様化を見せている。その一方、受け入れ側の国によってはインドやベトナムなどからの留学生が急増し、中国人留学生の数を上回りつつある――。

【写真】英語圏の高等教育機関ではインド人留学生の増加が目立つ(写真はイメージ)

中国のシンクタンク、全球化智庫(CCG)が先ごろ発表した「中国留学発展報告書」の最新版から、そんなトレンドが明らかになった。

報告書によれば、海外の大学以上の高等教育機関で学ぶ中国人留学生の総数は、2021年には102万1000人に上った。2019年の106万1500人よりは若干減少したものの、世界の留学生全体の約16%を占めており、出身国別で第2位のインド(約8%)に大きく水を空けている。

留学先の国別ではアメリカ、イギリス、オーストラリア、日本、韓国などで、2022/2023学年度の留学生に占める中国人の比率がトップだった。

留学費用の安さが呼び水に

注目されるのは、中国の学生の間で「以前は留学先として比較的ニッチだった国を視野に入れる流れが強まっている」という報告書の指摘だ。

具体的には、ドイツ、イタリア、アイルランド、スウェーデンなどのヨーロッパ諸国やロシア。さらに、中国が主導する広域経済圏構想「一帯一路」の沿線国であるマレーシア、タイなどの国々に留学する中国人学生が増えているという。

これらの留学先に共通するのは、学費や生活費などの負担が(相対的に)小さいことだ。例えばドイツは、他のヨーロッパ諸国と同様に、ほとんどの公立学校の授業料が無料となっている。さらに、2020年からは「高考(ガオカオ)」と呼ばれる中国の大学統一入学試験の成績を申告することで、ドイツの大学や大学院に留学申請できるようになったことも大きい。

中国以外の国々から海外に向かう留学生の傾向を見ると、近年はインド、ベトナム、ウズベキスタンなどの出身者の増加が目立つ。2021年のインド人留学生の総数は50万8000人に上り、2019年比で約10%増加した。

例えば(留学先として人気が高い)カナダでは、すでに2017/2018学年度からインド人留学生の数が中国人留学生を抜いて最大勢力になっている。さらに英語圏のイギリスやオーストラリアでも、インド人留学生が中国人留学生に追いつく勢いだ。

一方、外国人学生の留学先としての中国に目を向けると、コロナ禍の影響や国際情勢の変化などを受け、その魅力は相対的に低下している。

留学先としての中国の魅力向上を

世界各国から中国に留学する学生の数は、2010年から2018年にかけては全体的に増えていた。前出の報告書によれば、高等教育機関で学ぶ外国人留学生数のランキングで、中国は2016年にはアジア首位、全世界で2位だった。しかし2021年になると、それが世界9位に後退した。

中国で学ぶ外国人留学生に関しては、「アジア、アフリカ、ラテンアメリカ諸国などとの外交関係や伝統的な友好関係に依存している」との指摘が、2016年当時からあった。

その要素を差し引いたうえで、留学先としての中国の魅力をもっと向上させる必要があると言えそうだ。

(財新記者:范俏佳、王梓凧)
※原文の配信は3月4日

財新 Biz&Tech

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