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史上初!韓国紙が日本人を東京特派員に据える理由 日本を正しく理解し、日韓共通の問題を解決したい

東洋経済オンライン / 2024年3月27日 17時0分

韓国紙『中央日報』初、韓国紙でも史上初の日本人東京特派員となった大貫智子氏(写真・中央日報)

韓国の日刊大手紙『中央日報』は2024年3月27日、日本の毎日新聞の政治部記者でソウル特派員を務めた大貫智子氏(48)を採用し、駐日特派員として着任させたと発表した。

日本と歴史認識や領土といった敏感な対立問題を抱える韓国のメディアに日本メディア出身の記者が転職するのは初めてだ。日韓関係が改善する中、日韓メディア界でもそれを象徴する歴史的な一歩が刻まれたと言える。日韓関係に精通する有識者は「先駆者として頑張ってもらいたい」とエールを送っている。

毎日新聞ソウル特派員経験者

大貫氏を採用した理由について、中央日報は同日付の社告で「韓国メディアの革新と変化を主導してきた中央日報・JTBCがまた新たな挑戦を行います。日本総合日刊紙で24年間日本国内政治と外交、韓日関係、北朝鮮問題を深く取材してきた大貫智子記者が東京特派員に合流します」と表明した。

そして、「国内主要メディアの中で能力が検証された日本人ジャーナリストを特派員として採用したのは、中央グループが初めて」と述べた。

また「これまで韓国メディアがアプローチしてこなかった新しい視線と角度から一層差別化されたコンテンツを発掘するための実験です。言語と文化の障壁を超えて、読者の需要と期待に応えるニュースや情報をより深い取材源と現場を通じて発掘します。これにより、私たちは切っても切れない隣国である日本に対する正確な理解を助け、両国がともに抱える少子高齢化などさまざま問題に対する解法を提示したいと考えています」と説明した。

大貫氏は筆者の取材に対し、「40代のうちに人生の新しい挑戦をしたいと思いました。今までは日本側から韓国を見てきましたが、今後は韓国側から日本を見て、新しい日韓関係を考えていきたいと思います」と抱負を語った。

大貫氏によると、毎日新聞は3月10日付で退社。翌11日に中央日報に入社し、22日までソウルで2週間の研修を受けた。そして、25日から東京総局での業務スタートとなった。

東京都中央区にある同支局は時事通信ビルの中にあり、中央日報と同紙系列のテレビ放送JTBCとの東京総局となっている。大貫氏はそこで中央日報とJTBCにそれぞれ属する韓国人の女性記者2人とともに勤務を始めた。

東京総局長を務めていたベテラン記者の金玄基(キム・ヒョンギ)氏の異動に伴い、その欠員を埋める形で大貫氏が特派員として加わった。

大貫氏は早稲田大学を卒業後に2000年に毎日新聞に入社。前橋支局、政治部、外信部を経て2013年から2018年にソウル特派員を務めた。2012年と2016年に訪朝し、北朝鮮東部・元山や咸興など地方も取材した。

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