特集2017年11月19日更新

揺れる大相撲 横綱・日馬富士の暴行問題

大相撲の横綱・日馬富士が宴席で前頭8枚目の貴ノ岩を殴るなどして大ケガを負わせた問題。密室で発生した案件だけに情報は錯綜し、数々の謎も浮上しています。現時点で伝えられている情報をまとめました。

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貴ノ岩(左)の本心は…(C)日刊ゲンダイ

貴ノ岩に被害者感情なし 貴乃花親方「弟子を守る」のウソ

日刊ゲンダイDIGITAL / 2017年12月15日 9時26分

 依然として貴ノ岩(27)の聴取を拒否している貴乃花親方(45)。その裏側でとんでもない情報が飛び込んできた。 [全文を読む]

目次

「ビール瓶で殴打」日馬富士に暴行疑惑が浮上

11月14日のスポニチのスクープで発覚

今回の暴行問題が発覚したきっかけは、14日付のスポーツ紙「スポーツニッポン」(スポニチ)によるスクープ記事。「ビール瓶で殴打」というショッキングな文字が踊る一面記事でした。

横綱・日馬富士(33=伊勢ケ浜部屋)に、幕内力士への暴行疑惑が浮上した。関係者によれば、10月26日の鳥取で行われた秋巡業後の酒席で、東前頭8枚目、貴ノ岩(27=貴乃花部屋)をビール瓶で殴打し負傷させたという。

この「ビール瓶で殴打」については、否定する証言もあり(詳しくは後述)、事実関係は今のところ不明です。

「態度が気に入らない」で殴打か

関係者の話を総合すると、日馬富士は鳥取巡業の打ち出し後、後輩のモンゴル出身力士を集め宴席を持った。そこに貴ノ岩も同席。横綱はその際に酔って貴ノ岩に絡み、さらに態度が気に入らないという理由で、近くにあったビール瓶で思い切り殴打したという。

暴行を受けたのは前頭8枚目の貴ノ岩

成長株で将来の三役候補

貴ノ岩は現在開催中の大相撲九州場所の番付で前頭8枚目。スポニチの記事では「若手の成長株で将来の三役候補と期待されている力士」と紹介されています。

ガチンコ横綱・貴乃花の一番弟子 モンゴルコミュニティとは一線?

貴ノ岩はガチンコ横綱・貴乃花が部屋を持ってから初めて関取になった一番弟子。モンゴルから鳥取城北高校への相撲留学を経て入門、貴乃花親方から相撲道を叩き込まれて「モンゴル勢のコミュニティとは一線を画している」(同前)ことで知られている。

このほかの詳しいプロフィールなどは後述します。

暴行問題発覚前後の動き

今回の暴行問題の当事者である日馬富士と貴ノ岩、それぞれの師匠である伊勢ケ浜親方と貴乃花親方の言動について、問題が発覚する直前も含めて、これまでの流れを時系列でまとめます。

貴ノ岩は九州場所を初日から休場

11月5日から9日まで入院 13日に診断書を提出

貴ノ岩は九州場所を初日から休場。問題発覚の前日(13日)には日本相撲協会に診断書を提出していて、その記事も配信されてきていました。

病名は(1)脳しんとう(2)左前頭部裂傷(3)右外耳道炎(4)右中頭蓋底骨折、髄液漏の疑い。
診断書によると、10月26日に受傷し今月5日から9日まで入院しており、全治は2週間程度。状態が安定すれば、復帰が可能という。

この診断書については後日、作成した病院が「重傷であるように報道されていることに驚いている」とコメントを出しています(詳しくは後述)。

日馬富士は初日から2連敗

貴ノ岩の弟弟子・貴景勝に金星配給

秋場所で優勝し、2連覇を狙っていた日馬富士は、九州場所の初日に新小結の阿武咲、2日目は貴景勝に敗れて連敗。

初日は先場所も敗れた新小結の阿武咲(21=阿武松部屋)にまたも不覚を取った日馬富士。巻き返しへ「頑張ります」と語っていたが、連日の黒星。横綱に昇進してから未経験の連覇へ苦しい船出となった。
一方の貴景勝は日馬富士に2場所連続の勝利でまたも金星を獲得。

問題発覚前日(13日)、日馬富士は無言で苦笑い

貴乃花親方は「ノーコメント」

暴行疑惑の情報をつかんでいたスポニチは、スクープ記事を出す前日にも貴乃花親方や日馬富士にアプローチしていたようで、その模様を伝えています。

この日、日本相撲協会に診断書を提出した師匠の貴乃花親方(元横綱)は「診断書に書いてある通り。本人の体調が悪いということ」と説明するにとどめ、暴行疑惑については「ノーコメント」とした。
一方、疑惑を向けられた横綱はこの日、貴ノ岩の弟弟子の貴景勝に一気に押し出され、なすすべなく敗れた。取組後に貴ノ岩のケガについて聞かれると無言で苦笑い。引きつったような表情で迎えの車に乗り込んだ。

問題発覚当日(14日)の朝稽古後、日馬富士が報道陣に対応

暴行疑惑を認め謝罪「大変迷惑を掛けたことを深くおわび」

横綱・日馬富士(伊勢ケ浜部屋)が14日、太宰府市の伊勢ケ浜部屋の稽古場に姿を見せ、稽古後に報道陣に対応。「貴ノ岩のケガについて、貴乃花親方、貴乃花部屋の後援会の関係者の皆さま、相撲協会、そして、うちの(伊勢ケ浜)親方に大変迷惑を掛けたことを深くおわび申し上げます」と認め、謝罪した。

ただ、「報道は事実か」との質問には無言で、「これ以上は親方が帰ってきてから」と話したといいます。

朝稽古前には「どっかに出たの」「怖いな」

14日朝、報道陣から暴行について聞かれた日馬富士関は、「どっか(報道)に出たの」と一言。記事を見せられ「怖いな」とつぶやき、稽古場に入った。

九州場所の休場を届け出 理由は左上腕の故障

横綱・日馬富士(33=伊勢ケ浜部屋)が九州場所3日目の14日から休場することが決まった。この日午前、日本相撲協会に休場を届け出た。
3日目から休場する横綱・日馬富士(伊勢ケ浜部屋)が14日、「左上腕骨内側上果炎、左尺骨神経痛で約6週間の加療を要する」との診断書を提出した。

九州場所3日目の館内放送で上記の休場理由が館内に流れた際には「え~」と疑いの声が上がったといいます。一方、NHKの大相撲中継では実況アナウンサーが休場理由を「暴行問題」と説明。

貴乃花部屋へ謝罪に向かうも…

朝稽古を終えた横綱は報道陣を前に謝罪。その後、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)とともに車に乗り込み、福岡・田川市の貴乃花部屋に向かったと見られる。師匠は「貴乃花部屋(に行く)。謝罪とどこまでのあれか(状態)を聞きに」と話した。

しかし、謝罪のため貴乃花部屋に着いた日馬富士を無視するかのように貴乃花親方の乗った車が発進する映像が、ニュース番組やワイドショーで流されていました。

貴乃花親方が乗っていたとみられる車は2人を目の前にして発進。伊勢ヶ浜親方は「行っちゃったな。いたな」とぼう然と立ち尽くしていた。同日の「直撃LIVE グッディ!」(フジテレビ系)ではこの場面を取り上げ、北村晴男弁護士は「強い怒りとか、話し合いがこじれているということはあると思います」と貴乃花親方の心情を推察した。

14日、伊勢ケ浜親方も暴行の事実認める

貴乃花親方には3度謝罪 協会は危機管理委員会による調査実施へ

伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は14日、日本相撲協会の事情聴取に対し、弟子による暴行を事実であると認めた。また、日本相撲協会は同日、危機管理委員会による調査を実施すると発表した。
伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)も貴乃花親方とともに相撲協会から事情聴取された。日馬富士が暴行をはたらいたことを知ったのは今月上旬のもようで、その時点で貴乃花親方に電話で謝罪。11日の臨時理事会で顔を合わせた時にも頭を下げ、この日の事情聴取の際で謝罪は3度目となった。

貴乃花親方「危機管理委員会にお任せする。いち早く究明したい」

春日野広報部長によると、相撲協会は14日に伊勢ケ浜親方と貴ノ岩関の師匠である貴乃花親方(元横綱)を事情聴取
貴乃花親方は「危機管理委員会にお任せし、指示に従う。いち早く究明したい」と述べたという。

10月29日に被害届を提出していたことが明らかに

14日に判明 貴乃花親方「取り下げるつもりはない」

時系列的には前後しますが、貴乃花親方が先月29日に鳥取県警へ被害届を提出していたことが14日に明らかになりました。

暴行の事実を知った貴乃花親方は29日の広島県福山市で終了した秋巡業後に鳥取に舞い戻り鳥取県警に被害届を提出した。ただ、貴ノ岩が暴行に関して多くを語らなかったため、詳細が分かったのは場所直前になってからのようだ。
日本相撲協会の春日野広報部長は、貴乃花親方が10月下旬に鳥取県警へ被害届を提出したことを報告、親方は被害届を「取り下げるつもりは今のところない」との姿勢を示したという。

鳥取県警が捜査開始 傷害事件として立件される可能性浮上

被害届が鳥取県警に出され、同県警は14日までに事実関係を確認するために捜査を始めた。診断書では頭の骨を折るなどしており、故意に暴力を振るい、けがをさせたなら傷害事件として立件される可能性もある。

15日、日馬富士が“謎の帰京”

同日夜には福岡へUターン

日馬富士が15日午前に帰京し、同日午後10時30分頃に福岡県の太宰府天満宮にある伊勢ケ浜部屋にとんぼ返りしたことが分かった。
春日野広報部長(元関脇・栃乃和歌)は、帰京したことを把握しているとした上で首をかしげた。
「なぜ帰るのか、分からない。俺が師匠なら帰さない。そばに置いておいた方が、いろいろ聞けるわけだから」

協会側は帰京理由について「分からない」としていますが、後日の報道では弁護士と今後の捜査への対応について相談していたと伝えられています。また、家族に会いに行ったという話も。

16日、日馬富士が任意聴取のため再帰京

鳥取県警は17日にも都内で日馬富士を任意で事情聴取する方針を固めた。日馬富士は16日夜、福岡県太宰府市の宿舎を出て、北九州空港発の便で都内に降り立った。

貴ノ岩の事情聴取は済んでいたことも明らかに

16日には、鳥取県警が既に貴ノ岩から事情を聴いていたことも判明した。
県警は貴ノ岩側の被害届を受理し、既に貴ノ岩から事情聴取した。飲食店関係者の聴取も始めている。当時、店内にいた横綱白鵬ら他の力士からも今後、当時の状況について説明を求める。 

17日、鳥取県警が日馬富士を任意聴取

7時間超に及ぶ事情聴取 日馬富士は暴行認める

日馬富士は17日、東京・両国国技館で鳥取県警の7時間超に及ぶ任意の事情聴取を受けた。
捜査関係者によると、日馬富士関は聴取に対して暴行を認めた。

極めて異例の「両国国技館で聴取」

九州場所の最中に、しかも「大相撲の聖地」である両国国技館で横綱に対する事情聴取が行われた。通常、事情聴取は警察署内やホテルなどで行われるのが一般的。人けのない国技館で行われた極めて異例の聴取が、今回の暴行問題の影響の大きさを物語っていた。

横綱が聴取されるのは1965年の大鵬、柏戸以来

横綱が警察から聴取されるのは1965年の米国巡業の際、ピストルを持ち込んだ大鵬、柏戸両横綱以来の異例の事態だ。

同日、診断書を作成した病院が「重傷」を否定

「重傷であるように報道されていることに驚いている」

日本相撲協会にある危機管理委員会の要請を受け、貴ノ岩の診断書を作成した福岡県済生会福岡総合病院が「当病院としても、重傷であるように報道されていることに驚いている」とコメントを発表した。

頭蓋底骨折と髄液漏れは「双方ともに疑い」

同病院は「頭蓋底骨折と髄液漏れは、双方ともに疑いである」と説明した。病院から説明のないまま診断書を見れば、一般的に貴ノ岩が激しい暴行を受けたと捉えられる。これが、騒動に拍車をかけた一つの要因でもあった。

「全治2週間」は事件発生の先月26日からという意味

衝撃の事実が明らかになった。危機管理委員会の発表によると、診断書に記載された「全治2週間」は書面の日付である11月9日ではなく、事件発生の先月26日からという意味だという。

貴乃花親方、法的手段に訴える姿勢示す

貴乃花親方(元横綱)が日本相撲協会側に「協会に聴かれても堂々巡りだから、第三者を立てます」と話し、法的手段に訴える姿勢を示していることが分かった。
貴乃花親方は、問題が発覚した14日の協会の聴取に被害届を取り下げる考えがないことを伝え、その後も姿勢を変えていない。その背景について、ある親方は「傷害事件として有罪に持ち込み、民事でも訴訟を起こす可能性もある。それくらい徹底して争うのではないか。それぐらい、かたくなだ」と話す。

これまでに明らかになっている事件の詳細

事件は酒席、しかもクラブのVIPルーム内という“密室”で発生したということから、その詳細はその場に居合わせた力士や関係者の証言をもとに伝えられています。そういった記事をまとめてみました。

10月25日夜から26日未明、酒席の2次会で発生

鳥取巡業の前日 白鵬、鶴竜も出席

鳥取巡業を翌日に控えた10月25日夜に“事件”は起こった。宴席には日馬富士と貴ノ岩のほか白鵬、鶴竜のモンゴル出身3横綱や鳥取城北高相撲部出身の関脇・照ノ富士、日本人力士や関係者ら10人前後が参加。1次会から酒が進み、2次会へ移ると雰囲気が一変した。

“説教中”のスマホ操作が引き金か

貴ノ岩は日馬富士から兄弟子に対するあいさつが足りないなどと生活態度を注意されていた。その時、着物の帯に差していた貴ノ岩のスマートフォンが鳴り、操作しようとした瞬間、全てが始まった。日馬富士がテーブルにあるビール瓶で、近くに座っていた貴ノ岩の頭部を思い切り殴打。「人が話をしている時に…」と激怒し、流血して倒れた相手にのし掛かるようにしながら素手で激しく殴打を繰り返した。

素手で20~30発殴る マイクや灰皿も?

カラオケのマイクや曲を入れる端末機、灰皿まで振り上げたという情報もある。
同席者は「周りが気付かないほどの速さでゴーン!という大きな音が聞こえた。そのまま20~30発は手で殴っていた。貴ノ岩は両手で防ぎながら、殴られ続けていた」と証言。日馬富士の同部屋の後輩、照ノ富士も数発食らったという。

貴ノ岩の兄からは「30~40回殴られた」とも語られています。

「貴ノ岩の頭からは血が凄く流れていた」

出席者は「横綱の怒りはすさまじく、誰も止められなかった。貴ノ岩の頭からは血が凄く流れていた」と証言。

仲裁に入った白鵬も突き飛ばす

アルコールが回ったせいなのか、日馬富士は荒れに荒れた。暴行の最中に止めに入った白鵬を突き飛ばし、鶴竜には「おまえがしっかり指導しないからだ」と大声で言った。宴は重苦しいムードのまま終わった。

2次会の現場にいたのはモンゴル出身力士だけ

関係者によると、ラウンジ内には10人前後が入れる個室があり、暴行騒ぎが起きた時に個室には、2人と白鵬関、鶴竜関の2横綱。それに日馬富士関と同じ伊勢ケ浜部屋の照ノ富士関らモンゴル出身力士数人だけだった。

貴ノ岩の「もうあなたたちの時代は終わった」発言も激怒の引き金?

一部報道では貴ノ岩が「もうあなたたちの時代は終わった」などと発言したとも言われてます。以下は、相撲取材歴30年の横野レイコ氏がフジテレビ系「ノンストップ!」で明かした話。

横野リポーターは、自らの取材から今回、日馬富士が貴ノ岩を殴った発端を明かした。それによると、普段から日馬富士は「上下関係に厳しい横綱」で事件が起きた25日夜に鳥取市内の飲食店で貴ノ岩に説教をしている時に、スマートフォンを取り出したため「オレが話をしているのに聞いているのか!」と激怒。それに対し貴ノ岩が「あなたたちの時代じゃないですよ」と言ったため、ビール瓶で殴打したという。

それ以上の言葉があった?

日馬富士の幼なじみの女性、アルタントーヤさんによると…

殴打した発端について、これまで貴ノ岩が「あなたちの時代じゃない」などと発言したことが報じられているが、アルタントーヤさんは「一連の報道にはない決定的な言動があったと聞いている」と証言。その言葉が何かは明かされなかったが「この言葉が分かれば納得できますよ」とアルタントーヤさん。これまで報じられている以上の貴ノ岩の言葉に日馬富士が激高したという。

別の記事でも大相撲関係者から似たような証言が出ています。

一部報道では貴ノ岩が日馬富士に『もうあなたたちの時代じゃない』と言い放ったと伝えられているが、それ以外にも実は大相撲で禁句ワードとされる『○○○ばかりやっていた』とタブーの言葉も向けていたとの情報もある。
どうも怒りの導火線に火をつける決定的な要素となったのは貴ノ岩が発した『○○○』の禁句ワードだったようだ。

さらに、日刊ゲンダイの取材によると…

説教はいよいよ熱を帯びてきた。これには貴ノ岩もいい加減、ウンザリしたのか、言ってはいけない言葉を口にした。
「僕は先輩と違って、マジメに相撲をやってんですから!」
このひと言に日馬富士は怒髪天。

貴ノ岩の兄「お前は嫌なヤツだと言って何回も殴った」

ワイドショーを中心にテレビ各局が貴ノ岩の兄、ルブサン・アディヤさんを取材して、連日のようにその証言を伝えています。その一部を紹介します。

アディヤさんは、10月29日から30日あたりに貴ノ岩から電話で暴行について知らされ、「日馬富士がお前はなんて忍耐強いヤツなんだお前は嫌なヤツだなと言って何回も殴ったそうです」と証言した。

「弟は頭の10針以上縫った痕を見せてくれた。鼓膜も破れていた」

暴行があったとされる10月26日の2日後、28日にテレビ電話で貴ノ岩と話したというアディヤさんは「弟は頭の10針以上縫った痕を見せてくれた。耳たぶが破れている所など全部見た」と証言。「弟は髪を結っていなくて、ザンバラ髪だったけど、頬が切れ、鼓膜が破れていた」と続けた。

貴ノ岩「自分に非がないのに暴行を受けた」

アディヤさんは「(貴ノ岩が)自分に落ち度、非がないのに暴行を受けたと声を震わせながら話したときに、私も震えながら聞いていた」と振り返り、「モンゴル人なのにモンゴル人にこんなことする? 日馬富士を許さない気持ちでいる」と怒りを隠せない様子だった。

「ビール瓶で殴打」について食い違う証言

貴ノ岩の兄「ビール瓶でとにかく何回も頭を殴られた」

前出の貴ノ岩の兄・アディヤさんは17日放送のフジテレビ系「とくダネ!」のインタビューに対し、次のように語っています。

「直後に弟と電話で話した。頭のケガの状態も(スマホの)動画で見せてくれた。弟は鼓膜が破れて、声も出にくくなっていた」と明かしたアディヤ氏。「私の弟はビール瓶でとにかく何回も頭を殴られた。10回から20回、手で叩けば十分だったのではないか」と怒りをあらわにした。

18日配信のスポニチの記事でも「ビール瓶で殴打」と主張しています。

一方、17日放送のTBS系「ビビット」では…

「散々、殴られて気絶したと言ってました。ビール瓶か手で殴られたか分からないが、何しろ散々殴られたと言っていた。殴られ続けて、固い物で殴られたのは確かだけど、何で殴られたかははっきり分からない。最後には顔や頬から血が流れていたそうです」と怒りの表情で話した上で「ビール瓶だとは言ってなかったけど、酒やウィスキーの瓶、飲み物全部の瓶で殴ったということでしょう」

元小結・旭鷲山「ビール瓶で1回だけ思いっきり殴ったらしい」

旭鷲山氏は、酒席に同席した力士から話しを聞いたとし、暴行があったのはクラブのVIPルームで「貴ノ岩が横綱がしゃべっているのにフェイスブックとか見てたから、オレが話しているのにって激怒した。ビール瓶で1回だけ思いっきり殴ったらしい」と事件が発生した当時の様子を明かした。

白鵬「ビール瓶では殴ってない」「馬乗りもない」

大相撲の横綱白鵬が16日、福岡県糟屋郡の宮城野部屋での稽古後に報道陣に対応。横綱日馬富士による、貴ノ岩への暴行問題について、「実際に手を出したのは事実。今回報道されたような、ビール瓶では殴っておりません」と証言した。
白鵬によると、日馬富士がビール瓶を手にしたことは事実だが、瓶の周りに水滴が付いていたため手から滑り落ちたという。

白鵬による証言の全容は以下の記事に。

白鵬は同日の取組後にもコメント。

「(日馬富士が殴ったのは)ビール瓶ではありませんし、馬乗り(で殴った事実)もありません」と明かし、「報道されたことと実際のことにズレがある」と続けた。

日馬富士の幼なじみも「ビール瓶では殴っていない」

番組では日馬富士の幼なじみのモンゴル人女性のアルタントーヤさんを取材。事件発覚後、電話で複数回に渡り日馬富士と連絡を取ったというアルタントーヤさんはビール瓶で殴打したという今回の報道について「心配かけてごめんなさい」と謝罪した上で「事実ではないからビール瓶で殴っていません」と話していたという。

17日の事情聴取では日馬富士本人も「ビール瓶」を否定

捜査関係者によると、日馬富士関は17日の7時間以上に及ぶ聴取の中で、「素手で殴った」「ビール瓶は使っていない」などと説明したという。

日馬富士が「アイスピックを手にした」との証言も

関係者によると、ビール瓶と素手で殴打した後も怒りは収まらず。側にあったアイスピックを持ったところで、同席者が慌てて止めに入ったという。

一方で「“貴ノ岩が”アイスピックを持っていた」も

相撲取材歴30年の横野レイコリポーター(55)は「色々な情報が入ってきて、貴ノ岩関がアイスピックを持って、あなたたちの時代は終わった、と言ったようなうわさもあったりして、どちらがどちらかがでも色々な情報がある」と示した。
リモコンなどで殴る日馬富士関に対して、貴ノ岩関もアイスピックを持って対抗しようとしたという。

事件発生後の動き

事件翌日には「日馬富士と貴ノ岩が握手」の目撃証言も

日馬富士と貴ノ岩は、事件翌日(10月26日)の鳥取巡業で握手をし、貴ノ岩が謝っていたという目撃談も。

複数の関係者によると、日馬富士と貴ノ岩は暴行について和解していたといい、「翌日に握手していた」「巡業先の稽古中の土俵下で話し込んでいた」といった目撃情報もある。

また白鵬も、暴行の場で貴ノ岩が謝っていたこと、さらに翌日の巡業の際にも二人が互いに謝って和解の握手を交わしたと証言しています。

11月2日には笑顔で田川市長を表敬訪問していた貴ノ岩

貴ノ岩は暴行事件から1週間後の今月2日、九州場所の宿舎を構える福岡県田川市の二場公人市長を表敬訪問。貴乃花親方、貴景勝らと市役所を訪れ、「2桁勝利を目指します」と意気込みを語り笑顔を見せる場面もあった。しかし、このあと体調は急変。5日に福岡市内の病院に入院した。

暴行問題の経過

ひと通り事実関係や証言などを紹介したところで、事件発生から発覚までの経過を簡単にまとめておきます。

10月25日兵庫・養父市での巡業後、鳥取市に移動。市内でのモンゴル人力士の宴会で日馬富士が貴ノ岩に暴行
29日負傷後も巡業に帯同していた貴ノ岩が秋巡業最終日の広島・福山巡業で本割を外れる。貴乃花親方が鳥取に移動し、被害届を提出
31日福岡市内での力士会を貴ノ岩が体調不良を理由に欠席。日馬富士は福岡県庁、福岡市役所に稀勢の里らと表敬訪問
11月2日相撲協会が暴行を把握。貴ノ岩は田川市長を表敬訪問
3日協会の危機管理担当の鏡山理事が貴乃花、伊勢ケ浜両親方から事情聴取。貴乃花親方は「分からない」「転んだんじゃないですか」と回答
5~9日貴ノ岩が福岡市内の病院に入院
9日同日付で診断書作成
10日貴ノ岩が診断名を公表せず協会に休場を届け出る
13日協会に診断書を提出
14日暴行疑惑報道。日馬富士が謝罪し休場届を提出

日馬富士、貴ノ岩、そして“モンゴル力士会”

ここからは事件の当事者の二人、日馬富士と貴ノ岩、そして事件の現場となった“モンゴル力士会”について見ていきましょう。

“加害者”の日馬富士とは

プロフィール

◆日馬富士 公平(はるまふじ・こうへい)本名・ダワーニャミーン・ビャンバドルジ。1984年4月14日、モンゴル・ゴビアルタイ出身。33歳。伊勢ケ浜部屋。2001年初、安馬(あま)のしこ名で初土俵。04年春、新十両。同年九州、新入幕。08年九州場所後に大関に昇進し、日馬富士に改名。12年秋場所後に第70代横綱に昇進。優勝9回。得意は右四つ、寄り。186センチ、137キロ。家族は夫人と1男2女。

先場所は“一人横綱”を務め見事優勝

日馬富士は9月の先場所(秋場所)で4敗を喫しながら、3横綱2大関が休場する異常事態にも助けられ、大関・豪栄道との優勝決定戦の末、7場所ぶり9回目の優勝を飾った。

金星配給が多い「史上最弱の横綱」

九州場所を含め、横綱在位31場所で40もの金星を配給し「史上最弱の横綱」とも呼ばれた日馬富士。
日馬富士は、歴代の横綱の中でも非常に『金星配給』が多いことで知られています。今場所前までは北の湖の53個に続いて、輪島、貴乃花と並んで39個を配給していました。日馬富士の在位は北の湖の半分以下で、輪島、貴乃花の3分の2以下。それだけ“前頭に負ける”横綱だったのです。実際に、今場所二日目も西前頭筆頭の貴景勝に敗れて金星を配給しています。

角界初の院生横綱

単なる相撲バカではない。
角界入り後、モンゴルの国立法科大学通信課程へ。日本とモンゴルの法律の違いを卒論のテーマに2013年春、卒業。モンゴルで警察官と弁護士になる資格を得ると、翌14年からは法政大大学院政策創造研究科に通う。角界初の院生横綱でもある。
絵がうまく、中でも油絵は玄人はだし。銀座の有名画廊で絵画展を開いたこともある。
横綱と大学院生の二足のわらじを履いたが、現在は休学。16年4月からは力士会の会長を務めている。

角界関係者「日ごろは温厚」「優し過ぎる」

自身がケガで悩んでいるだけに、負傷した力士には部屋や一門の垣根を越えて、病院を紹介することも。「ライバルにも平気で塩を送るのだから、いくらなんでも優し過ぎる」と角界関係者を苦笑させた。
「日頃は温厚で、モンゴル人力士のまとめ役のような存在。飲み会の音頭をよく取ってるし、仕切り屋タイプだね」とはこの関係者だ。

伊勢ケ浜部屋の近隣住民「悪く言う人はいない」

近くに住む60代女性は「地域のみんな、好意的で日馬富士を悪く言う人はいなかった。何を言われて怒ったのか分からないが、暴力を振るったのだとすれば、とにかく残念です」と話した。

元相撲担当記者「サービス精神旺盛」「根が悪い男ではない」

確かに昔から酒癖は良かったとは言えないが、羽目を外して無理やり飲まされても、彼を不快に感じることはなかった。もともとサービス精神が旺盛な彼なりのおもてなしだったと思う。一方でこの頃から目下の若い力士には手を出してしまうという話は何度か耳にした。
しかし、根が悪い男ではないので、年を重ねて、力士としての地位が上がれば、良い方向へと向かうものと思っていた。

こういった声のほか、対面したことのある芸能人なども「フランクでいい人」「非常に穏やかなイメージ」といった印象を述べています。

こういった評判がある一方で、怒りっぽいところや、特に酒癖の悪さを指摘する記事が多く見られました。

真面目さが災いすることも

まじめで勉強熱心でリーダーシップも備えた性格はしかし、ときとして災いする。
「いい加減なことが許せないというか、妥協できないというのか、なにかの弾みで激高することがある。例えば昨年9月場所直前の稽古総見。日馬富士は当時大関だった稀勢の里の気のない取り口に怒り心頭。しょせん稽古なのにダメ押しまで見舞ったほど。土俵の外でも、酒が入ると妙に怒りっぽくなると評判だったね」
もともと日馬富士は短気でカーッとなりやすい性格。三役時代には稽古場にあった分厚い板で若い衆の頭を殴り、稽古を見ていた親方衆から止められたこともあった。横綱に昇進する前には、禁煙の両国国技館の支度部屋でタバコを吸って注意を受けた過去もある。

感情の起伏が激しく「酔うと手が付けられない」

酒癖の悪さは何年も前から指摘されていた。感情の起伏が激しく、いったんキレると元に戻れない性格。ある40代の親方は「あの横綱は酔うと手が付けられなくなると聞いていた。でもまさかこんなことになるとは…」と驚いていた。

そのほかの「酒癖が悪い」エピソードなどは以下の記事をお読みください。

“被害者”の貴ノ岩とは

プロフィール

貴ノ岩義司(たかのいわ・よしもり=本名アディヤギーン・バーサンドルジ) モンゴル・ウランバートル出身。最高位は西前頭2枚目。
2008年11月、貴乃花に憧れ、同部屋へ入門した。歌手、美輪明宏が「岩のようですね」と印象を語ったことでしこ名が決まった。身長181センチ、体重148キロ。

時間を掛けて地位を上げてきた苦労人

貴ノ岩は鳥取城北高校から角界入りしたモンゴル人力士だ。白鵬や日馬富士といった上位のモンゴル人力士と比べるとその道のりは順調ではなく、時間を掛けて序の口、幕下、十両と地位を上げてきた苦労人である。最近の貴乃花部屋は、貴景勝や貴源治、貴公俊といった若手の後輩力士が台頭し充実し始めているが、貴ノ岩こそがその礎を築き関取不在期間も奮闘し続けてきた力士である。

両親の死を乗り越えた波瀾万丈すぎる人生

貴ノ岩はウランバートル出身のモンゴル人力士であるが、成人を迎える前に両親を亡くしているという背景がある。
そこから努力を重ねて日本の高校で実績を挙げたのち、貴乃花部屋へ入門。「平成の大横綱」貴乃花は、モンゴルでも超有名人だ。力士として最高の環境を得た貴ノ岩は、初土俵から3年で十両に昇進する。

両親の死のみならず、貴ノ岩には3度目の悲劇も。このあたりの「波瀾万丈すぎる人生」は下の記事で詳しく語られています。

来場所は十両に陥落か

今場所の全休はほぼ決定的。となると、来場所は十両に陥落する。相撲関係者の中には「公傷と認めて、十両陥落は免れるようにしてほしい」との声も挙がっているが、果たしてどうなるか。

モンゴル人コミュニティ“モンゴル力士会”

元小結・旭鷲山が20年ほど前に始めた懇親会

問題となった酒席はモンゴル出身力士の先駆けとなった元小結・旭鷲山のダバー・バトバヤル氏が関取になったことを機に少人数で始め、20年以上続く「モンゴル人飲み会」だった。
バトバヤル氏が95年に十両に昇進して初のモンゴル出身の関取となった後、元関脇・旭天鵬(現・友綱親方)と元幕下・旭天山の3人で酒席を設けるようになったという。
今回の事件はモンゴル出身力士の懇親会で起こったが、この会は旭鷲山さんが20年ほど前に始めたもので「どうやって言葉覚えるとか、どうやったら強くなれるのかって話し合いながら飲んでいた」と説明した。

モンゴル力士会にも派閥が

モンゴル力士会にも派閥があることを日本テレビ系「スッキリ」が伝えています。

MCの加藤浩次(48)が「貴ノ岩関は、日馬富士関のグループではないところにいたと考えていいですか?」と聞くと、阿部リポーターは「それほどうまくはいっていなかったんだと聞いています」とモンゴル会の中にも派閥があったとした。

コミュニティ内で「異色」だった貴ノ岩

「貴ノ岩は鳥取城北高校に留学経験がある。当時は照ノ富士や逸ノ城らが後輩で、仲も良かった。それが貴乃花部屋に入門してから変わった。貴乃花親方(元横綱)は現役時代に八百長なしのガチンコ力士で鳴らしただけに、弟子のなれ合いにも厳しい。いくら同郷とはいえ、ライバルと酒を飲むなんて言語道断、と考えている。そんな親方の教育もあって、貴ノ岩はモンゴル勢と距離を置くようになった」

モンゴルコミュニティとの距離感も事件の遠因か

貴ノ岩がモンゴル勢のコミュニティとは一線を画していた点が暴行につながった一因とする声も。

大多数のモンゴル出身力士たちが故郷を思い「派閥」を組んで相撲部屋を超えたコミュニティーを形成しているのに対し、貴ノ岩は異色。それを「生意気」と受け取られたことが暴行につながったと見る向きもある。
ガチンコ相撲を貫く貴ノ岩は、今年初場所で、初顔合わせの白鵬を破り、稀勢の里の初優勝をアシストしていたから、モンゴル力士たちの間に何やらわだかまりがあったのかもしれない。
相撲取材歴30年の横野レイコリポーター(55)は今回の発言に至るまでに2人の間に「積もり積もったものがお互いにあったと思います」とし「先輩として相性が合わないんだと思います。相撲道が違うというか感覚が違うんだと思います」と見解を示していた。

今回の1次会は恩師が経営するちゃんこ屋で開催

日ごろはあまりモンゴル力士会の飲み会に参加しないという貴ノ岩ですが、1次会の開催場所が恩師の店だったことで参加を断れなかったようです。

週刊文春によれば、現場はカラオケボックスで、日ごろは、貴乃花からモンゴル力士とはつるむなといわれている貴ノ岩が、こうした席へ出ることはないという。
暴行の数時間前には、貴ノ岩の母校、鳥取城北高校の校長で相撲部総監督の石浦外喜義(ときよし)氏が経営するちゃんこ店で一次会が開かれていた。
殴られた貴ノ岩も“独自路線”派だが、飲み会の会場が母校鳥取城北高の恩師が経営するちゃんこ屋で、欠席はできず災難に遭ったらしい。

次々と浮上する矛盾点や疑問点

事件発覚から時が経つにつれ、数々の事実や証言が明らかになっていますが、関係者の証言の食い違いなどから余計に真実が分からなくなり、また、矛盾点や疑問点が指摘される事態となっています。その中で取り上げられているもののほとんどが、貴乃花親方の言動に対する疑問です。それらをまとめます。

謎 その1 「和解」していたのに被害届

複数の関係者によると、日馬富士と貴ノ岩は暴行について和解していたといい、「翌日に握手していた」「巡業先の稽古中の土俵下で話し込んでいた」といった目撃情報もある。
ここで最初の謎が貴乃花親方の行動だ。暴行から3日後の29日には広島県内での巡業を終えた貴乃花親方が鳥取県警に出向いて被害届を出した。

当事者間で和解では不十分と考えた?

「報告を受けた親方は、大切な弟子が暴行を受けたことに激高して被害届を出した。当事者間で和解するのは横綱としてのふるまいとしては不十分だと考えたのではないか」と関係者はみる。

謎 その2 協会報告より前に被害届

Q 貴乃花親方が協会報告より前に被害届を出した理由。
A 不明。師匠として弟子の被害を優先した可能性あり。巡業部長として暴行の事実を協会執行部に報告する義務もある。

「世間を味方につける」という手段を取った?

先に協会に報告すると穏便に済ませるよう圧力がかかるため、密かに警察に被害届を出しつつ、巡業に参加して、日馬富士と伊勢ケ濱親方を安心させたところで、スポーツ新聞にスクープさせて世間を味方につけるという手段を取ったのではないかと穿った見方をしていました。

謎 その3 被害届を出したあとの事情聴取に「分からない」

県警からの問い合わせを受けた協会が11月3日に貴乃花親方に事情を聴いた際にも「分からない」などとして暴行の事実を報告しなかった。
貴乃花親方が被害届の件を協会に伝えたのは14日になってから。自ら被害届を提出していたにもかかわらず、理屈が合わない行動にみえる。
Q 伊勢ケ浜、貴乃花の両親方は3日、2日の聴取に対して協会に「分からない」と説明。いつ事態を把握したのか。特に貴乃花は診断書を提出していたはず。
A 伊勢ケ浜親方は2日の協会からの聴取で初めて状況を知ったと思われる。貴乃花親方の態度は不明。

きっちりした謝罪で被害届の取り下げも考えていた?

前出の角界関係者は「昭和の大横綱、双葉山を尊敬している貴乃花親方は、自分にも厳しく、しっかりした横綱像を持っている。今回も日馬富士が筋を通して謝罪に来ると思っていたのだろう。自身が巡業部の部長ということもあり、きっちりした謝罪をしていれば、表沙汰にせず、被害届を取り下げることもありえた」と解説する。

謎 その4 診断書が2通

受傷後に重症化した可能性も?

診断書が2通あることも分かった。しかも、発生直後に受診した病院(場所は不明)の診断書より「頭蓋底骨折などの疑い」とした福岡市内の病院の診断書の方が症状が重い。この矛盾について、福岡の医師は「重傷であるように報道されて驚いている」と見解を述べた。受傷後に巡業中の稽古などで重症化した可能性もあり、鳥取県警は経緯を調べるという。

謎 その5 休場発表と診断書提出が同時じゃない

Q 貴ノ岩の休場発表(10日)と診断書提出(13日)が同時でない理由は。
A 不明。診断書は9日付。貴乃花親方の提出が遅れたか。

謎 その6 相撲を取れる状態なのに貴ノ岩が休場

全休なら十両落ちが確実なのに…

診断書を作成した福岡市内の医師に確認した診断根拠を公表。頭蓋底骨折はあくまで疑いで、貴ノ岩の病状に現状は問題がないなどと書面で発表した。
この発表で浮かび上がる疑問は、相撲を取れる状態なのに貴ノ岩が休場した理由だ。途中出場の可能性はあるものの、全休なら十両落ちが確実。強行出場してもおかしくない。休場届の提出直後、関係者が「貴ノ岩は相撲を取れる状態だと聞いている」と首をかしげたのも無理はない。

当初は貴乃花親方を支持する声もあったが…

事件発覚当初は貴乃花親方を支持する声がありましたが、数々の謎の言動が浮上してくるたびに批判の声も増えていきました。

日馬富士の蛮行はもちろんですが、新聞報道になるまで事件を隠蔽し、当たり前のように日馬富士を本場所に出場させていた協会にも批判の声が集まっています。これまで口を開くことのなかった貴乃花親方の『被害届提出』という態度に、ネット上では『貴乃花は筋を通した』『出して当然』『傷害事件だからね』など、横綱に対する怒りと貴乃花親方を支持する声が多数書き込まれています。

報道のトーンが日馬富士でなく貴乃花親方への非難に

途中から風向きが大きく変わってしまった。そう。報道のトーンが暴行した側の日馬富士でなく、被害者の貴ノ岩とその師匠である貴乃花親方への非難にすりかわってしまったのだ。
マスコミが次々と報道し始めたのが、貴乃花親方の行動への疑問だ。
「貴乃花親方はなぜ相撲協会に報告せず、警察に被害届を出したのか」
「貴乃花親方は相撲協会からのヒアリングに対して「わからない」と答えたのはなぜか」
「日馬富士と貴ノ岩は事件翌日握手をして和解したはずなのに、なぜ被害届けを出したのか」
「貴乃花親方は巡業部長なのだから、暴行事件は自身の責任問題でもあるのに」
「理事長選がらみの、政治的な思惑があっての行動じゃないか」
暴行事件だったはずが、いつの間にか"貴乃花親方が不可解"問題にすり替わってしまったのだ。

巡業部長としての貴乃花親方への不信感も高まる

秋巡業中の暴行問題にもかかわらず、巡業部長の貴乃花親方は弟子の被害届を優先し、協会執行部への報告を遅らせている。ある部屋持ち親方が「こんな状況で(場所後の)冬巡業に弟子を出すのは怖いかな」と語るなど、一部で巡業部長への不信感が高まっている。

今度の捜査の行方・焦点は

負傷程度と暴行の因果関係が焦点

負傷程度と暴行の因果関係は傷害容疑の捜査の焦点になっており、県警は日馬富士関らを聴取した結果を踏まえ、現場に居合わせた力士や診断した医師からも聴取を進める方針だ。
傷害容疑で立件する場合には、負傷状況と暴行との因果関係を裏付ける必要がある。貴ノ岩関は暴行を受けた後も巡業や稽古に参加しており、症状が悪化した可能性も否定できない。
協会に提出された診断書では、貴ノ岩関の負傷は「左前頭部裂傷、右中頭蓋底骨折」などで全治2週間程度とされ、今月5~9日に福岡市内の病院へ入院したと記載されている。入院は暴行から約10日後で、鳥取県警は暴行と負傷との因果関係についても調べる。

動機の解明も

鳥取県警は既に現場となった飲食店などの関係者の聴取も始めており、生活態度を注意した際に貴ノ岩がスマートフォンを操作しようとしたことに激怒したとされる動機を含め、事実関係の解明を進めていく。

今回まとめていませんが、日本相撲協会の対応について批判する記事もいくつか目につきました。その協会は、今回の問題の処分や調査結果ついて九州場所中には出さず、先送りするとしていますが、昨今盛り上がっている大相撲人気に水を差さないよう、少しでも早い事実解明と決着を期待したいところです。

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