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売り切れってあるの? バイクを走らせるのに必須のガソリンスタンドの仕組みとは

バイクのニュース / 2024年3月28日 10時10分

閉店間際のスーパーに買い物に行くと、品物が売り切れて買いたいものが無かったという経験がある人は多いと思います。しかしガソリンスタンドは、大きな災害時を除いて、いつ足を運んでも売り切れていることはありません。ガソリンスタンドのガソリンが、売り切れる事はあるのでしょうか。

■ガソリンが売り切れる事はある?

 閉店間際のスーパーなど、お目当ての品物が売り切れていることは度々あります。しかしガソリンスタンドは、いつ行っても給油することが可能です。普段からガソリンスタンドをよく利用している人でも、大きな災害時を除いて、ガソリンが「売り切れ」になっているのを見たことがある人はほとんどいないのではないでしょうか。

 このように、ガソリンは安定して供給されているイメージがありますが、売り切れることはあるのでしょうか。

ガソリンスタンドのガソリンが売切れる事はほとんどないガソリンスタンドのガソリンが売切れる事はほとんどない

 いつでもガソリンが売り切れずに入れられる秘密は、ガソリンスタンドの地下には巨大な貯蔵タンクが存在している為。地下タンクにはガソリンをはじめ、軽油や灯油などの燃料油が保管されていて、常に一定の量がキープされています。

 補充されるといっても、水道管のように地下にパイプが張り巡らされているわけではなく、タンクローリーでガソリンが製油所から運ばれてきて、随時補充されているという訳。地下タンクの容量は、ガソリンスタンドの規模によって大きさが異なります。

 たとえば、小規模店では10キロリットルのタンクが1基、交通量の多い幹線道路沿いの大型店では10キロリットルのタンクを2基、3基と備えていることもあるようです。

 なお、10キロリットル(1万L)は、クルマ1台につき50Lのガソリンを入れた場合、およそ200台分を給油できる計算になります。

ガソリンが売切れない理由は店舗の規模に合わせて地下にタンクがある為ガソリンが売切れない理由は店舗の規模に合わせて地下にタンクがある為

 一方で、巨大な地下タンクがあるからといっても、補充されなければガソリンはもちろん底をついてしまい、ガソリンの在庫量は店舗の規模や売れ行きにも左右されますが、基本的には数日分の需要に対応できる量がストックされているので、売り切れになることはまずありません。

 また安定して供給されるのは、配送元の製油所が24時間365日稼働しており、大型店ではタンクローリーが1日に何回も補充しているから。タンクローリーは大きいもので最大で30キロリットルまで積載することができ、在庫量に応じて店舗を巡回しながらガソリンを補充しています。

 なお、ガソリンの在庫管理は、ほとんどのコンビニや百貨店などの小売店で導入されているPOS(販売時点情報管理)システムによっておこなわれています。

 これにより販売量や在庫量、近い将来の売上予測などをデータで集計できるため、石油元売りメーカーから適切な量のガソリンを自動的に補充できる仕組みが構築されているとの事。

 このような企業努力により、ガソリンの売り切れがほぼ起こらない万全な対策が施されているのです。

ガソリンの補充はタンクローリーでしている為、災害などの影響で売切れる場合も稀にあるガソリンの補充はタンクローリーでしている為、災害などの影響で売切れる場合も稀にある

 とはいえ、温泉のように地下からガソリンが湧き出てくるわけではないので、気象の影響や自然災害に直面すると売り切れになるケースがごく稀にあります。たとえば北国の豪雪地帯では、積雪の影響でタンクローリーが走れなくなり、在庫が底をついてしまうケースが稀に見られます。

 また、災害級の台風の接近が予想される地域では、前日までに給油しようとする人がガソリンスタンドに殺到し、予想よりも早く売り切れになってしまうこともあるようです。

 大地震や洪水などの自然災害も例外ではありません。

 道路や線路が寸断されたり渋滞による交通事情の悪化や、製油所がストップするなどの被害で、ガソリンスタンドが営業できたとしても、肝心のガソリンが届けられず売り切れ状態が続くこともあります。

 実際に東日本大震災では、ガソリンを輸送するタンクローリーが津波に流されてしまい、ガソリンの在庫があっても運べない状態に陥りました。

 また被災地だけでなく、首都圏が深刻なガソリン不足に見舞われた場合も。東日本の製油所が被害を受けたことで、ガソリンの高騰と在庫不足が予想されたため首都圏近郊のガソリンスタンドにユーザーが殺到し、クルマによる長蛇の列ができて在庫切れ。24時間営業でも閉店を余儀なくされたガソリンスタンドが多くあったようです。

 なお災害時は、人命救助にあたる自衛隊車両や消防車などへ優先的に燃料が配分されるため、一般ユーザーへのガソリンの供給に支障が出ることもあります。

 またガソリンを求めて人が殺到し、ガソリンスタンドに長い車列ができると、給油制限がおこなわれることも少なくありません。並んでいるすべてのユーザーに行き渡るように、給油量を1台につき20Lや10Lに引き下げて販売するケースもあるので、覚えておいてください。

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