田中さくら監督が語る田辺・弁慶映画祭への思い、今後の展望「いろんな記憶も喪失も全て抱きしめて生きていきたい」
映画.com / 2024年3月1日 13時0分
――昨年劇場公開し、お客さんの反響を受けてどのように感じましたか。
テアトル新宿で3日間の上映期間をいただき、大変ありがたいことに全ての回が満席になりました。人生で一番多くの方に映画を観ていただいた機会で、たくさんのご感想もいただきました。特に若い方、同世代の方の作品に対する熱を感じました。自分に引き寄せて物語を受け取ってくれた人もたくさんいましたし、日々色々なことに心を忙しくしていると考えることもないような繊細で手に取りづらい記憶や感情について見つめてくれている人が多かった印象で、すごく嬉しかったです。やはり、映画は生み出した先にある相互作用にこそ醍醐味があるなと実感しました。
――現在長野在住ですが、今後の活動や目標について教えてください。
長野に住み始めて1年が経ちました。東京には2年ほど住んでいましたが、これまで住んだことのある静岡や京都にはない、やはり唯一無二の魅力があると思います。人が集まり、感情が生まれ、芸術が生まれる場所の熱気というものはすごいもので…。ただ、東京にはできないこと、地方にしかできないこと、それぞれあると思うので、どこにいても作品をつくることに変わりはありませんが、その場所その場所にちゃんと影響を受けながら今後も映画を撮り続けていきたいです。
【田中さくら監督プロフィール】
1999年生まれ。同志社大学在学中に、自主映画サークルで映画を制作。卒業後、東京のテレビ番組制作会社でディレクターを務め、一昨年の第16回田辺・弁慶映画祭で「夢見るペトロ」が審査員特別賞と俳優賞(紗葉)の2冠を獲得。「田辺・弁慶映画祭セレクション2023」上映に合わせて新作短編「いつもうしろに」を制作した。なお、3月2日の公開初日に、キャストの大下ヒロト、紗葉、佐藤京、二村仁弥、在原貴生、雪乃とともに登壇して舞台挨拶を行う。
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