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【ファッションの“未来”たちに聞く】セントマーチンズで学んだゴミがawesomeに変わる瞬間--青木明子--2/2

FASHION HEADLINE / 2016年6月29日 21時30分

AKIKO AOKI 15AW コレクション

毎シーズンのテーマを超えて、常に「オンナノコらしさ」が見え隠れするのが魅力のファッションブランド、アキコアオキ(AKIKO AOKI)。そのクリエーションはどんなところから来たのだろうか。彼女がアトリエを構える台東区デザイナーズヴィレッジでデザイナー青木明子に訊いた。1/2はこちらから。

ーーそして、「ここのがっこう」の後、セントマーチンにも進学されたんですね。カリキュラムはいかがでした?

日本の学校とはまったく違いました。いい意味で個人プレーですし、言い換えると放置です。

ーーほ、放置?!

はい。授業は週2回のみです。しかも朝の2、3時間だけ。とにかく、その日までに自分でワークを進めて、プレゼンして作品見せてチュートリアルをする。ひたすらその繰り返しです。

ーーなるほど。リサーチに時間をかけろっていうことなんでしょうか?

リサーチもそうですし、シェイプや素材、デザインに関するあらゆる可能性をチュートリアルで探り「来週までにもっとディベロップしろ」と言われ、それを1週間とにかく必死に進めて持っていく。その間に細かくチェックを受けて「どうしろ、こうしろ」みたいなことは一切言われません。質問や相談をしたいと思っても、いないんですよ、先生は学校に(笑)。なので限られたチュートリアルに自分は何を聞きたいのかを必然的に明確にしていきますし、とにかく自分で押し進めるしかないです。でも、すごく鍛えられましたね。日本の学校だと、何でもすごく細かくケアするのが当たり前になっているので、自分でやるというよりも、先生の「こうしたら、ああしたら」という導きに「そうかも」という感じで乗っかっていくケースが多いように思います。

ーーそれは大きな違いですね。

本当に。しかも作品がよくないと、「そのゴミ、どけて」とふつうに言われます(笑)。全身全霊で向き合ったものを、です(笑)。クラスのみんなの前で言われるんです。

ーーそれはヘコみますね。

へコみます(笑)そして、それ以上に悔しいですよね。私がやりたいことと、向こうが言うことが、全く噛み合ないこともありました。そうなると、もう平行線です(笑)でも相手がなぜそう言っているのか、自分のデザインに対してどういった視点で言っているのか、そしてそれは自分にはなかった新しい価値観、可能性なのかもしれないと、考える癖がつきます。

同時に、自分が表現したいことでどうしたら納得させられるかも模索します。一見、逆のように見える思考を同時進行でしていく感覚です。迷宮の中から一気に新しい道が開けたとき、先週までのゴミがawesomeに変わることがありました。自分の中で軸はぶらしていないし、反対され続けたことを通しているのに、awesomeになります。かっこよければ何でもOK。こっちからすれば、あんなに反対してたのにと一瞬思いますが、良いという判断が一瞬なのもうなずけますし、ファッションを本当にフラットに見ているからこそできる反応だと思いました。

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